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2021/05/15

W107 レストア M116 M117

 
 エスコートの浦和工場で ヘアライン号の横に鎮座して
 いわゆる ”フル”レストアをしていた R107 SL の エンジンが組みあがりました 

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 エンジンは 450 M117/M116 の前期モデルです。
 
 エンジンブロックの基本構成は、我々のM119エンジンと同じで、
 ボアピッチも一緒で、クランクも後期モデルならM119と共有できます
 要は560のクランク使ってボア上げて、6リッターをつくれるのはこういう訳です

 備忘で書いておくと

M116 ø92 × 65.8  3499
       ø92 × 71.8  3818
       ø88 × 78.9  3839
   ø92 × 78.9   4196

    3500~4200まで
    


M 117  ø92 × 85  4520
     ø97 × 85  5025
     ø96.5 × 85 4973
     ø96.5 × 94.8 5547

    4500~5600まで

 ややこしいのは、M116でもスチールブロックもあるし、アルミブロックもあるわけで
 同じくM117でも スチールもアルミも両方あります。
 似たような排気量があるから非常にわかりずらい。(と書いていても自信がないくらいです)

 クランクもメインジャーナルが前期52ミリ 後期48ミリで二種類ある(これは経験済み)。

 おまけに、すごく古いモデルはシングルチェーンだったり、途中からダブルチェーンだったり、
 インマニも後期はM119同様にスロットルが真ん中のものになりますが、
 前期は前側についています。

 細いクランクなら、メインメタルはm119 と同じサイズで、コンロッドメタルは爪が上下逆だけど他は同じ

 ウォーターポンプやその他部品でも共通部品が多いです。

 などなど、

 そんなこんなを含めて、
 各種ブラストの他、
 ヘッド、ブロックの面研、バルブガイド製作打ち換え、シートリング製作打ち換え他といった
 基本作業を終えてます。
 
 ご覧のように、すべてのボルトを交換もしくは、再メッキか交換、
 ステーやレベルゲージ、プレートまで再メッキです。
 プーリー類は、剥離後にパウダーコートしてあります。

 このオイルパンは、往年ベンツの一体型、スチールブロック用の
 前壺 前期型モデル専用の非分割のアルミ鋳造品です。
 これにバッフルプレートとスティフナー風の補強がはいると最高なんだと思います。

 NIIBEオイルパン作る前に参考にするために見ましたが、
 金型圧力鋳造で、分割金型?でしょうか、とてもコストのかかった品物です。
 1万台位つくるのでないとこうはできません。

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 エンジン外景は、ヘッドカバーをポリッシュの他、インマニ他はブラスト仕上げ、
 補器のオルタネーターはレギュレター内蔵タイプにして、容量あげて、
 パワステ、エアコンももちろんOHで、見事な仕上がりです。
 
 エスコートのレストアは、このレベルまでやりますという見本例といってよいでしょう。

 燃料、点火制御は、信頼性の低い、燃調が取れない 部品の出ない KEジェトロを撤去して、
 これにモーテックのM1制御で気筒別シーケンシャル噴射となります。
 ショートストロークの450ですから、高回転まで回せる仕様になるんでしょうか?


 後ろに転がっているのは、722.6電子式5速ミッションと、純正の3速ATのベルハウジングです。
 鉄ブロックは、M119の722.6ベルはそのまま使えないので、M113用のハウジングに
 専用アダプターとフレックスプレートを使うことになります。

 機械式722.3 や、722.4や、部品の値段が何倍にも急騰していたり、欠品が多いので
 電子式5速のメーカーリビルト交換のほうが値段としては安く、耐久性も信頼性も高いものになります。
 
 もちろん、電子5速ATですので、変速機のコントローラー、シフトモジュールは必要ですが、
 必要ならパドルシフトも対応可能ということになります。

 ここらへんは、ヘアライン号でも、すでにやってますので経験値も高いです。

 次は、すこしボディ、107のどんがらは、私、初めて見ました。

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ボディは、床までべーべキューで回転させて、錆落とし、補強とフレーム補修してあります。

設置用のフレームまで鉄骨で作って、定盤で水平出してあるのは、レースカービルダーの面目躍如でしょう。

 ただし、今後、わざわざエスコートに来て、
107のレストアをする人なんかすることないでしょうから、おそらく二度と使うことはないんじゃないかと心配してます(笑)

うーん、こういうのをフルレストアっていうんだと思います。
ねじ一本までというのは、こういうレベルです。

日本でのオールドタイマーセンターがするような、部品交換、鈑金塗装レベルとは次元が異なります。
博物館で収蔵するようなクオリティに仕上げて、
それに、そんな収蔵品を足で使うための改造をしようっていうんですから、まあすごいことです。
 
何もついてないところまでバラシて剥離して、塗装して、床室内は、制振マットはって防音と遮熱です。
純正より静かになるでしょう

ごらんのように音が入ってくるバルクヘッドはフルにカバーしてますので、非常に効果的だと思います。
500Eでも最近はこの作業するんですが、ダッシュを下ろさないとできない作業なので、
こういう機会にはやっておきたいところです。

いや、比べるのは失礼、はなはだ失礼な話ですが、

経年劣化した塗装の表面だけ、何ミクロンかガワ剥いて、
コーティングして誤魔化しのオモテズラの化粧して、

タイヤホイール替えて 見えるところだけで、“極上””ごマン足” といってる
その実、ボロボロの車とは世界も次元も もとから違います。

ラインオフから40年以上たったあとで、
こういう車が、増えることは、我が国のクルマ文化の醸成の高さだと思いますし、
それに価値を見出して対価をよろこんで払うオーナーも、
それを実現できるエンジニアがいるということは、これまた、とても、素晴らしいことだと思います。

こういうのに乗れるオーナーは幸せでしょうね

天気の良い日にオープンで、
景色の良いところ 思い出の場所を走るときは、
きっと人生の成功を感じられる瞬間だと思います。

わたし、あまり、人のことをうらやむことはない性分なんですが、

うーん、想像すると、正直、ちょっとうらやましいです

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