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2018/02/02

Sauber  C9/C11のM119 エンジン Analysis of M119 Twin Turbo motor


Sauber Mercedes の写真を使って、冷却系の話をしていましたが、
今回は、搭載されていたレース用M119のエンジンの話、解説(講釈ともいう)をしようと思います。


ザウバーエンジン分解図4bfe369972


あらためて、写真を見てみますと、

どちらでも良いところですが、良く見るこのM119エンジン分解写真 部品の並べ方に間違いがあるの気が付きました?

前回の写真(車体とエンジン、ウォーターセパレータが写っている写真)では、
左バンクのエキマニが写っていて、1-5-4-8-6-3-7-2 の点火順番ですから、
1-2を別にわけて、タービンに当てるようにしてます
つまり、1-3と 2-4を集合させてます。

しかし、分解整列写真ですと、右バンク側に左のエキマニが上下逆で写っています
これならべたカメラマンは ここまで考えてなかったのか、チェックした広報の人が良く見てなかったんでしょう(笑)

この時代のターボ、タービン小さいからたぶんK26か (もしかするとK27)位だと思います。
エキゾーストマニのウエストゲートの接続フランジと タービンの排気出口ポートの大きさがほとんどかわらないから、
フロントパイプ出口は、おそらくφ60くらいだったはずです。
(8連スロットルのファンネル径とくらべても、そんなにかわりません。)

エキマニ、タービンの入り口を二つにわけていて、どの気筒を集合させるかに注意を払っていたはずです。
つまり4-2のエキマニです。

ですので、わざわざ今から見ると、熱エネルギーを減らせても、等長、点火順番にあわせているエキマニにしているんだと
思いますが、その左右ならべるのを間違えてます(汗)

 ザウバー、資料みると1.2barで 730 bhp / 545 KW @ 7000 rpm
820 Nm / 605 ft lbs @ 3500 rpm とあります
bar 表記ですから 絶対圧、 日本風の相対圧でいうと 0.2kg/cm2

(これ、書いた後思いましたけど、表記間違いで、ブースト1.2kg/cm2の間違いなんじゃないかと思います。
つまり2.2bar、NA 330馬力の2.2倍で726馬力、だと計算あうかな)


 今の時代からみると、表記が間違ってるんじゃないかのレベル(笑)、
 いくらなんでも低いでしょうという位の 大昔、圧力センサーで追加を噴いていた頃のNA用ターボキット並みの過給です。
 馬力も720馬力というと、今の時代の市販車+α、チューニングカーでは街乗りの値です。


ザウバーエンジン分解図4bfe369972解説2

 写真見てみますと、3ステージのドライサンプにこそ
 なっていますが、マネジメントもボッシュの当時のものMP1.8だから、
 今から考えれば数世代前の最初期モデルの改良版で、制御速度からかんがえると、
 8気筒シーケンシャルじゃない、グループ噴射だったのかもしれません。

 そうなると、気筒別噴射じゃないので、細かいマネジメント、ノックコントロールできてないから、
 しかたなく、0.2kg・cm2ってところなんでしょうか?

 ノックセンサーはこの図ではついているかわからないですが、純正であるんだから
 きっと、なんらかのフィードバックはあったはずと思います

 ツインインジェクターになってるのは、おそらく大きい良いインジェクターがなかったからなのか、
 馬力考えると、きっと300CC強のインジェクターをダブル、各ポートに噴射としたんでしょう
 フュールデリバリーパイプが太いのが目を引きます。本数が多いからか、
 8AN か10AN サイズです。

 クランクは、セミカウンター、点火順序も変わってないですから、純正の流用かもしれません。
 コンロッドはH断面で、ピストンはピンハイトは低く見えますから、製作品だと思います。
 コンロッド小端部は大きいです。φ25以上でしょうか?

 他方で、パワーの源のカムは、ビレット、削りだしのように見えます。
 動弁系はソリッドなんでしょう。チェーンは純正と同じレイアウトですが、カムギアは軽量化の孔があいています。
 オイルテンショナーは固定なのか、ソリッドなのかは、これだけではわかりませんが、
 これだけ長いチェーンを使っているとなると、7000回転+αというのは、左右バンクのタイミングの伸びや
 あばれで、結構厳しい値だと思います。
 
 ここは、レース毎交換か、使い捨てのレベルだったでしょう
 
 8連スロットルのフュールデリバリーパイプの太さは先述しましたが、大型のプレッシャーレギュレターが各バンクにあります。
 燃料配管はさほど太くないようです。後ろに置いてあるコアは、デリバリーから後ろにいく、ガソリンクーラーなのか、
 エンジン冷却水のヒータ流路のかわりのサブクーラーなのかは、これだけだと、ちょっとわかりません。
 
 一つはトランスミッションクーラーだと思いますが、エンジンオイルクーラーとすると大きさが馬力からは、ドライサンプだとしても
 不足すると思います。

 分解写真のスロットルにはヘッドからの水パイプが各バンクついていますが、どのように集合させているのかは、これだけでは
 わかりません。
 純正のWPを使って、サーモレスですから、おそらく右バンクに出して、スワールポットにそのままいって、
 前に置いたラジエターに送るんだと思います。

 通常、ドライサンプの油温はクランク叩かない分、低いこと考えると、
 水温のほうが油温より高くすることはないでしょうから、ブロック水温は やはり70℃+α
 ヘッド出口で+10α、80~85℃位の筈です。排気ガス考えなくてパワー重視だと、
 やはり冷静に考えるとこんなところだと思います。

 ウエストゲートは大型の水冷、エアの配管やホースエンドが昔風です。
 
 転じて、フロントカウル内の写真をみますと
ホリゾンタルマウントのラジエターは、赤いフィン保護カバーが装着されてます
 作業時の部品脱落事故防止対策、ヒューマンエラー防止策でしょう

 DSC_3344.jpg

 左側(向かって右側)のサイドタンク部が盛り上がっているのは、ウォーターオイルクーラーがはいっているのでしょうか?
 おそらく右側からホットウォーターが入って、左に抜ける配管だと思いますので、そうなのかもしれません。
 周回レースですので、電動ファンは装着されず、走行風だけで冷却、カウルの中を抜けて、ダウンフォースを稼ぐデザインで
 一等地にラジエターを置いて、両サイドにインタークーラーのレイアウトです。

 タービン、エキゾーストハウジングの出口も細いし、エキゾーストハウジング自体も小さい、
 その後ろにあるコンプレッサーハウジングも見えないから、同じか小さい位、
 おそらくK26位の小さいサイズでなんでしょう。
 タービン見ても、当時のポルシェターボのサイズ位だと思います

 大排気量エンジンですから、
 最高出力回転や出力トルクみてもそのとおりで、トルク型のセッティングであることは間違いありません。
 おそらく、エンジンNAの性能を、純正よりリフトが大きく、作用角の大きいカムで、気持ち高回転型にして、
 かつ、8連スロットルで効率を高めて 中低回転は、過給で補うという手段をとったのでしょう
 過給をあげて、風量で稼ぐのでしたら、もっと大きいタービンになるはずです
 

 エキゾーストの排気フランジを見るとフロントパイプはおそらくφ60程度、
 スロットルのバタフライと沙穂と変わらないサイズです
 エンジンブロックのボアと比べるとよくわかります。

 市販車ベースで、あまりお金をかけずにターボの力を借りて低過給パワーを増やしたトルク型のエンジンという見方です。
 
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