2009/06/24

500Eのラジエターとアンダーカバー

500Eのラジエター、ヘアライン号の場合の変遷

純正はBEHR製で、アルミ1層のプラスチックのサイドタンク。アッパーレフトインのクロスフローでロアライトアウトの構造。
ヘッドからの温水は、左上からサイドタンクに流入して、アルミの冷却フィンを左から右に通って、右サイドタンクにある右下のロアホースでブロックに戻ります。
右側サイドタンクにはオートマ用のフルードクーラーが入っています。
このラジエターは非常に優れた放熱と流水構造で、冷却風の抜けが良い1層です。

ちなみに、ベハー社は、ポルシェやフォーミュラーのターボのインタークーラー等で有名な放熱機器のメーカーです。

 さて、500Eで、皆さん悩むのは夏の水温の高さです。
前の記事でも書きましたが、80℃のサーモつけてれば、ヘッド出口だったら100℃は別に珍しくもなく、水温が100℃超えると沸騰するんじゃないかという脅迫観念もあって、精神衛生上、よろしくありません。

 また、それ以外にも、水温が高いと点火時期が遅らせる設定になっているので、パワーが出ません。確実に遅くなっています。たしか、12℃あがると点火時期が5°下がる。24℃で10°下がれば
20馬力くらい低下することになります。
 加えて、熱による各部の劣化もすすみます。エンジンハーネスやスロットルアクチュエター、EZLも急激に劣化します。

 冷却水が沸騰することにより、冷却効果が極端に低下するというのが、冷却水のオーバーヒートですが、
実際には、ベンツの冷却水は大気圧から更に1.4kg/cm2かけてあるので、120℃でも沸騰はしません。
1.4というと、国産車の標準、0.9等より高圧で、市販チューニングカー用のハイプレッシャーキャップです。
さすがはベンツ、チューニングカー並の設備です。

ご存じないかもしれませんが、水温が高いほうが、ラジエターの冷却効率は高いです。
これは、外気温と冷却水の温度差が大きいからです。昔のF1なんぞは、4bar以上の高圧を掛けて、冷却水温度を上げて、その分小さいラジエターにしてました。今は、レギュレーションで規制されて
3.75barになっていますね。

さて、その500Eのラジエターですが、いろいろな改良品が出ています。
私も純正→新品の純正(BEHR)→真鍮3層(J-AUTO)→純正(BEHR)+ボロンコート(マルシェ)
と進化してきました。4年間で4つ変えています(笑)

マルシェのボロン加工


桑原氏の書いたとても良い内容ですので参照してください。

ここまででいかに、苦労してきたかがわかると思いますが、いまは幸いこれでおちついています。


ラジエターの容量よりも大事だと思っていることは、「抜け」

理由は、500Eの夏の水温は、
ラジエターの放熱量(kcal/h)の問題もあるんですが、それ以上に、あるのは

『エンジンルーム内の空力の悪さ』

だと思います。

雑誌記事でも書きましたが、この当時の車は、エンジンルームの空力解析なんてやっていません。
ラジエターの放熱とグリル面積位の計算くらいはやっていたと思いますが、V8搭載の段階では
問題にしなかったか、わかっていてもせいぜい1万台が生産予定だからと思って見過ごしたんだと思います。

それで、狭いエンジンルームにV8入れたから熱が抜けません。


「マル改」アンダーカバーの重要性

効果あるのは、ラジエターの容量アップよりも、私の経験からは

1.アンダーフロアから熱風を抜くこと、
2.ボンネットから熱風を抜くこと、

の2点が大変有効でした。

特に、1は、160km/hくらいから車体が吸い付けられるのが判ります。
雑誌ではかけませんでしたが、ゲンロクの田中編集長(当時)は、これに
電動ファンと2のボンネットのセットで、ご自身のAMG6.2Lで第三京浜の自己最速タイムを出しました。雑誌で試乗した広報車のAUDIのR8より、タイムでは上です。

私の記事では、冷却についての記載がUFCDの場合も、エアロボンネットも、冬だたっためおろそかでしたが、水温ももちろん下がってます。
でも、ボンネットはオリジナル指向の人には抵抗あるかもしれませんね。

感覚でいうと、今の水温の安定のお陰の6割以上は、エンジンルーム内の空力、空気をいかに抜くか
であっただと思います。

ラジエターの放熱量アップについては、4割以下、多くても3割程度で、これ単独だけでは
水温は下がらないと思います。
高速時の放熱アップするなら、オイルクーラー(D車にはないですよね)、
低速、高速共に必要なのがATFクーラーです。それを全部、冷却水に任せるのは酷でしょう。

くどいようですが、空気が抜けないから、熱気が滞留して水温が下がらないのであって、
そこでいくら放熱量をアップしても、ラジエター周りの外気温がすぐに上がって、相対で放熱量が低下するものと思っています。

ラジエターについていえば、
現在の私の純正+ボロン加工の500Eのラジエターは、外気温が35℃以上の夏季で、
水温が90~105℃、外気温との差が55~70℃くらい、高速巡航時で、空気のフローが得られていれば、ファンが動いてなくても(機械式ファンははずしてあります・)、走行風だけで水温を20℃位は下げられます。
サーモの設定温度が70度ですので、、これ以上の放熱能力は不要だと思っています。
対して0℃前後の冬ですと、水温計で85℃、70℃のサーモスタットが開ききらない状態になります。

真鍮ラジエターは、自己放熱が高いので渋滞には有利ですが、500Eの場合には
直前に高温のエアコンコンデンサーが鎮座しているので、そこからの放熱もあります。
それより空気の抜けを優先して、できるだけ多くの風を流したほうほうがいいと今では思っています。
(それに重いしね、鼻先は1kgでも軽くしたいです)

国産でアルミの3層ラジエターも出ており、気にはなっていますが、純正加工で充分足りているのと、
重くなること、空気の抜けが悪くなるのではと思っているので今のところ装着していません。
もし、つけるとすればサイドタンクの形状をもう少し考えたい(フロースラント化、並行四辺形のインタークーラーみたいな形状)です。

ラジエター交換ついでに交換するなら良い選択ですが、そのためだけにするとなると、
LLC、工賃で20万位になると思います。

それなら、皆口さんのところの
アンダーフロアクーリングデフューザーが、空力特性が向上する点でお得だと思っています。
(私が装着した部品の中で最もコストパフォーマンス(笑)が高い部品の一つだと思っています。)

また、ナガセ自動車の服部さんのところでも、純正加工でフィン、ダクトをつけたのを出されているので、これも有効な手法でしょうね。

加工アンダーカバーの図

私の場合、さきにUFCDを装着していまして、アンダーパネルを廃棄していたので。
あえて装着することはしていませんが、装着前ならお願いしていたと思います。

インナーフェンダーのダクトは、私も欲しいですね。自分で加工したのは風圧に負けて
飛ばされてしまいました(汗)

無理せずに、予算に応じて楽しむのは、また良いことですので財布が気になる方はこちらでも良いと思います。
ぜひ装着した人のインプレッションを聞かせてもらいたいと思います。

あと、補足なんですが、500Eの場合、リアのスペアタイヤが出っ張っているので
ここで空気が滞留してきます。ここ改善しないと高速時の水温は劇的には下がらないですね
つまり、床下で空気が滞留すると、エンジンルームの空気が床下に出て行きません。

ちなみに34のGTRも、同じ様に冷却で悩んでいて、NISMOバージョンだかで
CFRP製のデフューザー出して、整流していました。(と、日産の開発で500E好きの人がいっていた。)

ヘアライン号の現状と将来への展望

ラジエターほか

 ご覧のようにヘアライン号にはコンデンサー用電動ファンはついていません。
 配線が焼ききれる様な冷却ファンでは安心して乗れませんし、毎年、配線つめたりしてるのは
 手間もかかるので、電動ファン化のときに取り外しました。

 きちんと空気の抜けを考えれば、大型の電動ファン一個で、エンジンファンなしで、6Lでも
 充分に冷却できるという良い例です。

 いや、偉そうにいう私も、
 実は外側にレジスター移したりして苦労しましたが、結局、前時代の遺物は
 ないのが一番でした。

 冷却するためのラジエターの前に、ニクロムコイルの熱源を持ってくると
 いうのもなんか矛盾しているような気がしてます(笑)

 おまけで、パワステフルードの冷却用配管は専用のクーラーコアを儲けたので移設しています。
 もちろん、ホーンも移設。
 細かいようですが、ラジエターには導風板作って、コンデンサー、ラジエターコアに風があたるように してあります。

 でかいコアはATF用です。JMOのストール3000のコンバーターですと、
 これぐらいの容量は必要ですね。純正の1800コンバーターでも、絶対に足りません。
 ATFクーラーつけないで、水温が上がるっていっても、それは当たり前というか
 150℃位になっているATFをラジエターの中に通しておいて、「水温が~」と
 いわれても、それはないでしょう という感覚です(笑)

 このコアは、キノクニで買えば1万円くらいととてもお安くなっています。

 ここから先は、いかにブロック温度を真夏全開でも70℃に近づけるか、
 今年のプランとしては、オイルクーラーの容量アップ(足りてません。)

 少し先のことですが、ラジエター前のエアコンコンデンサーの移設。
 電動ウォーターポンプ、ですね。
 ここまですれば、たぶんラジエターの面積を下げることができると思っています。
 
 で、下げて何やりたいかって言うと、開いた隙間から、フレッシュエアを導入して
 高圧のラムエアをインテークにもっていきたいです。
 160km超の高速ですと、上手くすれば、0,2barくらい過給がかかります


関連記事

コメント

非公開コメント

オイルクーラはどんなサイズになるんですか?
油温はいまはどれくらいになるのでしょうか メーター付いてないのでわかりません

No title

こんにちわ、いつも拝見させてもらっています、興味深い内容が満載でとても勉強になってます。今後も是非とも連載お願いしますね。
以前から思ってましたが、あれだけのモディファイをしても純正のリアマフラーをいまだに付けているところになんか本物志向というものを感じてました。
一度聞きたかったんですが純正を上回る性能のリアマフラーが社外製品で存在しないからなんですよね。自分も過去に社外マフラーを2種類ほど買ってみてつけてみましたがいまいちだったので元に戻しました。

Re: No title


> 以前から思ってましたが、あれだけのモディファイをしても純正のリアマフラーをいまだに付けている
>ところになんか本物志向というものを感じてました。
> 一度聞きたかったんですが純正を上回る性能のリアマフラーが社外製品で存在しないからなんです>よね。自分も過去に社外マフラーを2種類ほど買ってみてつけてみましたがいまいちだったので元に戻>しました。

 お褒めいただき恐縮です。
 リアマフラーは、タコ足、装着後も純正を使っていました。昨年、フロントパイプから作り直したときに
 リアマフラーまで初めて交換しました。

 お察しのとおり、純正のリアマフラーは優秀です。サブマフラーもとても優秀。
 切開してみるとわかりますが、AMGのリアタイコは仕切り板が一枚少ないだけです。
 社外のものは、うーん、今つけているものは別にして、お金払って買いたいと
 思えるものはありませんでした。性能もそうですし、音も、造りもそうです。

 タダで貰ってもつけない、つけたけど外しちゃったものもあります。

 これはとても長くなるので、別にお話したいと思います。



Re: タイトルなし

セトラブのポルシェカレラ用のサイズの大きいやつですね

今の純正にボロンコーティングのものだと、
全開後だとオイルパン温度で140℃位まで上がります。ですので、アクセル踏んで後半で
水温も上がってきちゃいます。これをなんとかしないといけません。

マフラーについて

回答ありがとうございます。
リアマフラー換えられたんですね、知りませんでした。
GCの500E倶楽部だけは買って欠かさず読んでるんですがその内容がまだ出てないということは今後拝見できるのでしょうか、とても楽しみです。