2009/11/25

燃料ポンプの吐出量(1) 燃料温度と体積と質量について

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インジェクターの話を先にして、燃料ポンプの話をしていませんでしたので、追加します。
雑誌記事では、「山より大きい猪はいない」と書きましたが、インジェクターでも燃料ポンプでも、
どちらかのゲート(関門)がボトルネックになっている場合には、それより大きい吐出量は無理という
話です。

つまり、インジェクターが最大噴射量を噴射するには、燃料ポンプの吐出量が、インジェクターの吐出量の合計よりは大きくなくてはいけないわけで、「燃料ポンプ吐出量>インジェクターの合計吐出量」となります。

じゃあ、=でいいかというと、そうではなくて、燃料ポンプ駆動の電圧低下やフィルターのチョーキング、圧損等の安全マージンを見込んで、おおむね、ポンプの吐出量の80%位以下を、インジェクターの合計吐出量にしているのが一般的のようです。


じゃあ、ポンプの吐出量が単純にでかければ良いかというと、良いのですが、同時に燃料の温度のことを考えなくてはならなくなります。

ちょっと考えるとわかりますが、全開時であれば、燃料の戻り量は2割程度ですが、アイドリング時などや低負荷時には、ほとんど全量がエンジンルームを通ってタンクに戻ります。


実際に、エンジンルームを経由して戻るガソリンがデリバリーやラインで過熱されていて、特に小さい燃料タンクでアイドリングを長時間していると、燃料温度は水温以上になるから、その影響が無視できなくなります。

仮に、排気管からの放射熱やラジエターからの透過風、エンジンからの熱伝導で加熱させられた、ガソリンの温度を、すごく高い極端な例ですが、70℃と仮定すると、15℃のときと比べて、

(70-15)1/273×100 ≒ 20.15%

約2割、燃料体積が増えますから、単位時間あたりの吐出量(体積)は変わらなくても、質量が2割減少して、空燃費は下がります。

理論空燃費、λ=1(1:14.7)で燃料温度15℃で計算していたものが、燃料温度が70℃あがると、
1:18.4と、リーンに大きく振れてターボだったら(まあ、吸気温度も上がるので、酸素の質量も減るでしょうが)相当危うい領域になります。

ベンツでも、モトロニックになってからは、燃料温度見ていますし、マツダのFDなんかも、燃料温度のモニターしてたと思います。ここは直噴エンジンになると結構重要な点のようで、いくつもメーカーから論文発表されてますが、街のチューナーも、経験上、これをご存知で、ドラッグレースですと、氷水入れた燃料クーラータンクをくっつけたり、CPUでモニターして変化させてたりしているようです。

やりますね。。。

私も、経験上、キャブレターの頃(燃圧低い)のパーコレーション対策もそうでしたが、
モロソーのクーリングタンクをつけて、体感できる効果を感じていました。

この点、さすがは、ベンツで、純正でエアコンの冷媒で燃料の戻り側を冷やしています。

タンク内では加圧、圧力コントロールして、燃料蒸散はチャコールフィルターでコントロールする公害対策でもあるんでしょうが、コストかけてやってるなと思います。

あと、こんなに回りくどいこといわなくても、夏場と冬場だと燃費が変わるのは、給油される燃料の質量が変化するから経験上ご存知だと思います。

つまり、おなじ80L給油するにしても、真夏の炎天下と厳冬期では、スタンドの燃料の温度も
変わっているわけで(地下タンクでも)、エアコンのない車でも夏場に燃費が悪くなるのはこのためだと思います。

そういえば、FIAのF1のレギュレーションでも、「燃料温度は外気温より10度以上低いとだめ」といっています。


中学生のときにならった、ボイル・シャルルの法則が、不惑になって役立つとは思わなかったなぁ....
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