2014/11/17

ATI フルードスーパーダンパー 試作(4) エンジン振動とダンパー




図はATIのCRANKSHAFT VIVRATION DAMPER 101から


 自動車の内燃機は、慣性力、偶力振動につき、それぞれ
 一次振動、二次震動が発生します。

 完全バランス、と言われる直6やV12。
 クランクシャフト2回転、720°で6(12)回、120°(60)毎に爆発する直列6気筒(60°V12)では、
 慣性力、偶力は理論上ゼロですが、それでも振動はおきます。

もちろん、シングルプレーンよりバランスが良い、慣性力振動が打ち消される
 我々のV8クロスプレーンのM119でも同じこと。

理由を、
単純化して説明すると、図の自転車のペダルクランクにあるように、
トルクが加わるところ、つまり、エンジンが燃焼圧力でピストンを下げるところは
一気筒のエンジンだと、クランク2回転、720°4行程で一回、一か所しかありません。
単気筒エンジンの振動はこれがひとつにあります。

膨張するところが一か所で、後は惰性です。
最初はスピードが速くても、摩擦抵抗や、吸入抵抗で速度が落ちます。

自転車のペダリングの場合、それは時計でいう1時から4時までの場所、
ここが最も力が入る場所です。
(大腿四頭筋群を使いやすいという意味で、「引き足」や、アンクリング、ハンドル引く広背筋等の筋協同は
除きます。同じく、フレーム角度、サドル位置についても一般的ポジションを前提としています。)
(自転車は一回転で二回トルクポイントがありますが、単気筒4サイクルエンジンは二回転で一回だけです。一回転で二回トルクポイントがあるのは、2サイクル2気筒か4サイクル直4エンジンです)

自動車エンジンは、股関節、膝関節、足首の関節で動く、自転車のペダルと異なり、
コンロッドでピストンを連結して往復運動を回転に変更する必要があります。

前述のシリンダーのピストンスピード、加速度の変化や変動自身が振動原因となる他、
それ以外に、往復を回転に変化するクランクシャフトは、実際にはしなって、またクランク自体が
捻じれて回転していますので、これが振動を起こす原因となります。

クランクシャフトの芯だしをした方や曲がり修正を見た経験のある方なら、理解いただけると思いますが、クランクは
動きます。相当軽い重量で押しただけででもダイヤルゲージが振れます。クランクシャフトを立てて保管することは、
自重による曲がり防止といいますが、これ、意味があるわけです。

なので、バランスがいいといわれる6気筒でも、クロスプレーンのV8でも、ハーモニックダンパーは必要です。

いくらダイナミックバランスを取ったり、コンロッド、ピストンの完全バランスを取っても、クランク自体のしなり、
ねじれ等による振動は消せません。

そのため、 純正でもゴムダンパーつけている位重要です。

これをさらに発展させたのが、フルードダンパー、

文字のとおり、液体(シリコンオイル)とゴム、Oリングによって、クランクの振動を吸収します。

 これによって、クランクの振動が軽減する、さらに滑らかに動くので、チェーンやオイルポンプの暴れがなくなる、その結果、正確な点火タイミングだとれる、。メタルの当たりが良くなり、クランクが軽く回るというメリットがあります。

 実際、体験してない人にはわかりずらいと思いますが、L型でタイムアタックしている人の話を引用すると、
 ATIダンパーのあり、なしで富士のメインストレートで、500回転違うという位違います。

 あと1000回転、上を廻すだけでなく、下から振動が消えます。
 特に6リッターエンジンの場合、ストロークを増やしておきながら、コンロッドは短くなっていますから、
 クランクの折れ角、連竿比は悪くなって、特に2500回転前後で振動が出やすくなっています。

 これは、5リッターでも同じ、メーカーも、良く知っていて、M119では、エンジンファンの回転を
 エンジン回転とわざわざ逆にして、この振動を消そうとしています。
 M117なんかだと、そこまで考えていなかったのか、ブロックハイトが高いからか、
 ファンの回転はエンジンといっしょです。

 これ、電動ファンにすると、ファンをダンパーに使えないので、振動がさらにわかるようになりました。

 L型、RBの6気筒やSRやB型の4気筒、アメ車のV8でATIダンパーをつける車が多いのは
 理由があります。つけた方ならこのメリットわかるんですが、つたない文章で語るのは難しいです。

 どれくらい違うかというと、これ着けて差がわからない位なら、
 車弄らないほうが良い位のレベルです。

 NHRAのドラッグレース、一定クラス以上やNASCARでは、これ着けてないとレース車検に落ちる位の品物です。
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