2014/09/01

サクラムの宇野さんのバイブルから学ぶ

 ここのところ、V8排気系、タコ足の話、180°集合だとか、ショートだとかロングの話題が続いていますので、
 では、どうやって、タコ足の最適長を求めるのかについて、お話します。

 前にお話ししたように、ターゲットの回転数時における排気速度、圧力波の速度を求める。
 そのために、排気温度と音速を入れていく勘弁な方法や、
 あとで紹介しますが、もう少し具体的に、
 バルブタイミング、つまり排気バルブが開いたときの角度や、
 エンジンストローク、バルブ径面積等も加える計算式もあります。

 何をもって、最適長とするかというと、
 排気バルブが開いたとき、開いている間、閉じかけの一定の時期に、
 慣性や脈動で、エキマニ、排気管の特定場所に、負圧の状況をつくることです。

 つまり、排気管、エキマニ側を排気の力、タイミングを合わせることによって、負圧、マイナスにする。
 まあ、逆のターボというか、吸出し効果を作り出して、たくさんの排気を排出しよう、
 吸排気オーバーラップのタイミングで掃気をして、吸気も取り込もうということです。

 これを物理的に測定するには、エキマニの出口に穴をあけて、排気圧力計をつけて、
 排気圧力を図る、オシロスコープに表示して、比べるということになります。

 オーバーラップの掃気、吸気効率から見るのであれば、別にインマニで見るのでもいいと思います。
 (ただし、インマニの脈動の影響も当然入ったものになります) 
 
 何かいいものはないかなと見つけていたら、
 ご存じサクラムの宇野さんが、真面目に実験をしていました。
 日付見ると、もう約10年も前ですね、こころなしか若く感じます。
 
 排気系の魔術師と呼ばれる宇野さんですが、
 専門家でも初歩に戻って勉強する、測定するという姿勢に頭が下がります。
 良いマフラーを作るには「ワンオフ=あてずっぽう」ではなく、こういう地道な作業が必要なんですね。
 以前にチューニングパワーズのフォーラムでお話ししたことがありますが、無駄に試作をしていくより、
 理論に基づいたほうが結果として早い、時間、コストの節約になる。
 再現性が高いといってました。エンジニアの真面目さを表す言葉です。
 

サクラムex_mani_tuning09

 ご覧のように、エキマニにスタッドたてて、圧力センサーつけています。
 排気温度で高温になるので冷却も工夫してますね。

サクラム 宇野さんのバイブル ブログ

 その宇野さんが参考にしているという本がこちら、私も同様な本、
 昔は図書館で借り、今では便利なものでamazonで購入してみています。洋書もすぐにとどくのがありがたいですね


サクラム エキマニチューニング



 その結果がこちらのグラフ、サイトに出ていますが、
”800mm独立排気管を装備、2000rpmで全開運転中のものです。1サイクルの間に慣性による圧力波が何度も往復し減衰” となっています。
 
 排気管を短くすれば、この山谷が増える、長くすれば減るということでしょう。

 4-2-1の排気管は、4-2のときと、2-1のとき、そして排気出口で、この山谷を独立排気管より、
多く、三回使える(独立排気管だと排気出口の1回)、
つまり、タイミングを二回おおく使えることになります。逆に考えれば、
タイミング、長さがあわないと、二回多く失敗することもあるわけです。 



”4-2配列のエキマニで5000rpmのときのものです”とある画像ですが、
 先の独立排気管と4-2-1の5000のグラフの差を見つけてください。
 4-2-1のほうが、谷の部分の面積が大きいですね

 これが、(中)高速運転時に良い出力を計測できる理由です、
 つまり、集合部の負圧で、強制的に排気を引き出せるわけですから、その分、排気行程にあるピストンは
 排気しながら引っ張られます。

 多気筒の集合の場合には、
 低回転、つまり、バルブが開いている時間が長いときから、他の気筒の力を集合部で借りられるので、
 特に効果的です。
 M119のV8、えちごやの4-2-1タコ足なら、180°のショートの集合部で一回、
 排気干渉をスカベンジャーで抑えて、フロントパイプに流して、
 フロントパイプの集合部で二回、この”谷”を使っているわけですね

 こう見ると、やはり、奥が深いですね
 
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