2014/02/22

M119エンジンの弱点 チェーンドライブ ガイドレール(1)



図は、M119.97,M119.98のチェーン駆動図解。


 ご覧のように、M119エンジンの
 LHモデル、モトロニックモデルのカムドライブは、ローラーチェーン(ダブルです。)で行われています。
 
@ KEモデルのM119エンジンは、左バンクにアイドラギアありましたが、こちらのモデルでは
 アイドラギアなしのガイドレールのみとなっています(後で解説します))


 みなさん、この図を見てどう思いますか?


 チェーン駆動のDOHC、OHCというのは、量産乗用車では、黎明期、二世代、三世代前のモデルです。
 チェーンの精度の問題や、音の問題等から、20世紀後半では、タイミングベルトになりました。
 軽量、静音のタイミングベルトはすぐれたものですが、伸び、断裂、山飛び等のトラブルからか
 最近では、金属製のサイレントチェーンにとって変わられて、最近の自動車は多くは
 このサイレントチェーン方式のエンジンとなっています。

 ですので、二世代以上前(またタイミングベルトの新モデルもでてるので、それを入れると3世代前)
 というわけです。

 一部、修理マニアックな諸兄は、M119エンジンも20万キロ超えたあたりから、タイミングチェーンの
 伸び、チェーンテンショナーのへたり、そして重篤な症状につながる
 ガイドレール破損の話を聞かれていると思います。

 高速で移動する、しかも重量のあるチェーンに常時接して、軌道を制御しているガイドレール、レバー
 写真でいうと6,16そして、8,14と 3,26,30が、摩耗、破損するわけがわかると思います。

 弱点というのは、この摩耗、破損という経年劣化のこともそうですが、
 往年のフェラーリエンジンのタイミングベルトの10万2~5万キロ交換から比べれば、
 その何倍か持つ、ということで十分に及第点ともいえます。
 今回取り上げる弱点のポイントは、高回転でのチェーンの暴れ、チェーンガイドの摩耗破損、フリクションです。

 多少なりとも、内燃機の構造に見識のある方でしたら、お分かりと思いますが、
 もともと、長いチェーン駆動のOHCだったM117エンジンをベースに
 あとづけでDOHC化したM119は、宿命的に更に長いチェーンが必要になります。

 プッシュロッドのOHVが主流のアメリカンV8ユーザーからは、「迷路」と呼ばれるチェーン駆動の
 M117をカムが増えた分、更に長くしているわけです。

 長いサーペンタインベルトでも、フリクションが増えるのため、できるだけ短くしようと苦労している
 昨今からすれば、この長距離のチェーンのフリクション、駆動抵抗は無視できません。

 500E、M119のV8が”高回転向け”と言われる(と、ユーザーには見せかけている)
 DOHCにもかかわらず、
 6000回転そこそこでレッドゾーンにならざるを得ないのは、このスリッパ方式の
 チェーン駆動が原因であるといえます。

 この樹脂のスリッパの上をチェーンがすべる程度の機構じゃ、6000回転がせいぜいというわけですね。

 ザウバーC9のエンジンの分解写真でも、この形式のチェーン駆動、スリッパ方式のガイドレールと
 レバーでしたから、
 最高回転が6000rpm+αだったという訳も納得できます。

 つづく 
 
 
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