2013/11/17

BOSCHポンプの分解



写真は、Sファクトリーで、BOSCH製、燃料ポンプを分解したときのもの、
燃料ポンプは、大昔は、バイクのタンクのような重力式、
その昔、キャブの頃は、エンジンの出力を利用したダイヤフラム式だったり、
機械式のインジェクションになってからも、噴射ポンプがエンジン駆動だったりしてましたが、
最近は、ほぼ100%が電磁ポンプです。

ベンツの電磁ポンプは、ベーンポンプ、ローラーベーンタイプというもので、
モーター中心部に直結して回転するローターと、その周りの羽(ベーン)がローラーになっています。
その他にも、スクリュー式、ギア式や、ローラーでないベーン式のもの、国産では一般的な
カスケード式などもありますが、
このローラーベーン式の特徴として、動作音がうるさい。高圧、大吐出量が可能、安定する。
燃料ポンプの垂れが少ないが、その半面、突然死するといった特徴があります。

昔からおなじみの日産のGTRポンプ、NISMO製なんかは、この方式です。
対して、音が静かで、突然死しないのは、カスケード式ですが、小さい放射状のインペラー(羽)が
回転しているので、圧力、容量を稼ぐのが難しいという難点があります。


昔からの特許なのか、先駆者のこだわりなのか、わかりませんが
知りうる限り、機械式以降の昔のガソリン車では、ボッシュポンプはこの、ローラーベーン方式です。
(直噴は分解したことない(笑))

そのため、この当時のベンツは、燃料ポンプを床下に配置して、騒音対策をしてます。
同じポンプ使ったポルシェなんかは、トランク(前)にゴム製のカバーをつけて騒音対策してます。
前にもどこかで紹介しましたが、このゴムカバーを流用すると、W124ベンツもさらに静かな
動作音のポンプになります。

さて、画像見てもらうとわかりますが、
ローラーベーンの特徴として、アウターの外の周部(ペリフェラル)とインナーローター内部の周部シールを
密着した5つのローラー羽が担当して、ローターのスラスト方向の密着は、ローター自体がやっています。

この機構を利用して、インナーローターのガイドに沿って、曲線描きながら、ローラーが動く、そして
燃料を圧送するわけですから、送るのは得意でも、引っ張るのは苦手です。
また、接触面も多いので、作動音はうるさく、小さく何倍も回転するローラーや、その外周部、ローター横、内部に傷がつくと、
急激に圧縮が低下して、送付できる燃料の量や圧力が低下します。

常時接触の羽、ハウジングや、ローターに穴、傷がつくと、圧力を高められないというわけです。

そんな燃料ポンプですが、燃料ポンプの上流にあるのは、タンクフィルター(ストレーナ)と、
ポンプ本体の中にあるストレーナーだけです。
前回紹介した燃料フィルターは、ポンプの下流について、さらに小さな穴を制御するインジェクターのためのものです。

なので、タンクが錆びていたり、ストレーナーが詰まると、ゴミ込みで燃料を圧送付する役割を任じられるわけですから、
すぐにハウジングやローター、ローラーベーンに傷がつきます。そうすると、ポンプは過負荷がかかって停止するか、
穴、傷により圧送ができなくなり機能を果たせなくなります。


この年式のベンツは、エンジン回転や負荷にかかわらず、ずーっと、イグニッションON以降は、
燃料を、ひたすら全力で送り続けているわけですから、そりゃへたりもしましょう

W124、500Eは、NAなので、ターボモデルほど、燃料ポンプのヘタリや劣化が、エンジン破損に直結することはありませんが、
ポンプがへたると、圧、量ともにガソリンを供給することができなくなります。
具体的には、中高負荷域でのアクセルのつき、加速が悪くなったり、パワーダウンが起きます。

感覚的に、一般的な3000時間を寿命として、33km/hの平均時速で10万キロ、
ちょっと現実から外れてるので、
渋滞ありの都市部の平均時速20km/hとすると、約6万キロ、
都区部の17.5km/hなどとすると、わずか52,500K(!)と、なります。


電磁ポンプの負荷は、200Km/hでも、停止時でも変わらない、むしろ、停止時、渋滞時、軽負荷のほうが、
エンジンルームで熱せられたガソリンで冷却や燃料潤滑が困難になるので、過酷になるという仕組みでしょう。

W124、燃料ポンプトラブルが多いのは、特に夏場の渋滞、ガソリン残量が少ないときというのはまあ、
これを考えれば理にかなっていると思います。

予防としては、タンク内部をチェックする。ストレーナーを交換する。
燃料フィルターを交換する(下流にありますが、ここでキャッチしてくれるので、タンク内部に戻りません)
か、10万キロも走ったら、燃料ポンプを交換する!でしょう。

こんなトラブルで、出先や、忙しいときに、
車が故障すると車を捨てたくなりますので、予防的に修理をすることを
お勧めします。
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