2013/03/15

数値計算によるフィン形状と冷却







画像は高橋易資・後閑 祥次「二輪車空冷エンジン開発における熱流体解析」から、
二輪車空冷エンジンにおける熱流体解析


インドの学生さんの論文を照会しましたら、
某氏からもっと実際に即した解析を日本ではやってるよ!とのお声がけをいただきました。
良い機会ですので、日本機械学会でも好評を得た論文をご紹介します。

実車、おそらく現行の空冷モデルのCB1100だと思いますが、
メーカーのレベルですと、フィンピッチだけでなく、流体解析でフィンの形状まで解析します。

この論文拝見しますと、既存の「角形フィン」だと、冷却フィンへの走行風の当りの剥離が大きく、
そのためフィンとフィンの間の奥まで風が入っている状況は見受けられないとあります。

熱伝達率(上図)が高いのはエンジン前方角周辺だけであり,側面で熱伝達率が低いのは冷却風の剥離の影響、
エンジン後方の熱伝達効率が低いのは冷却風の流れが停滞しているためとあります。

つまり、「フィンを効率よく働かせるにはフィン根元まで風が入り込み,シリンダにまとわりつく流れが望ましい」として、

エンジン背面はフィン間に風が入り難いので長いと先端しか冷えないため、「逆に短い方が好ましい」とあります。
油冷のスズキの項でも書きましたGT380のヘッドや、GS400のヘッドなんかこうなってたと思います。

「前後のフィン長を変えることとし」かつ、前後のフィン長が大きく異なると見た目のバランスが崩れるので、
「フィン形状を丸形とし,連続的にフィン長を変化させることとした」としています。
くわえて、「ヘッドボルトやリブ位置の見直し」で下図のように熱伝達率の向上を成したとあります。

メーカーの本気度とデザインとのやりくりを伺える論文です。

無理にヘアライン号に重ねますと、エンジンオイルパンの冷却フィン形状を変えることは、困難なので、
アンダーカバーのエアダクト、後ろに行くにしたがって、開口部が大きくなる形状とすることにより、
空気、冷却風を剥離させないで、スムーズに排出するようにしています。

え?どうやって、計算したかって? 

種をあかせば、ものすごくアナログな方法、毛糸とセロテープとSDビデオカメラや 着色水吹き付けて高速走行して水滴の飛び方や、泥汚れで判断します(笑)
こちら、メーカーの方からお聞きした方法で、最近まで、空洞施設ない自動車メーカーではこんな方法でやってます(笑)
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コメント

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No title

感性第一主義!ミナグチ自動車ですな(笑)

勘は大切です、何よりもその勘を信じて感じ取れる体の感覚が重要ですよね!!

事故車の状況がおかしいと信じて、えちごやに放り込んで正解でした。

Re: No title

長岡さん

> 感性第一主義!ミナグチ自動車ですな(笑)
> 勘は大切です、何よりもその勘を信じて感じ取れる体の感覚が重要ですよね!!

 勘といっても、長年の探求と切磋琢磨の結果ですからね
 一朝一夕には得られません。
 私も500E維持できるのも、このお店あってです。