2013/02/08

フィンピッチを10mmにした理由(1) 航空機は5mm、アルファは7mm....

20130201エンジンオイルパン1[1]

さて、私が調べたところによれば、
航空機の空冷エンジンは、フィンピッチが5mmというのはどうも伝統的な傾向のようです。
中島飛行機の誉エンジン、1ミリフィンの鋳込で3mmピッチ、後に4mmというのは、量産を考えると、
現代の鋳造技術からして鋳造では、やはり難しいんでしょう。それでフィンを植えて鋳込むとしたようですが、
現場での苦労が忍ばれます。

で、民生用、陸上用の空冷エンジンなんですが、フィンピッチマニアの私としては、気になるところでして
アルファロメオのオイルパンは7mm、ここはイタリアの鋳造技術でしょうね
オートバイのハーレーや、ホンダは10mm、対して、スズキの油冷は5mmです。

でも、ヘアライン号は10mmピッチとしました。


で、ここ端折ったので、ご質問いただいたのですが、
確かに、高度何千メートルかの薄い空気、低温度での空気の粘着、温度差、風の当たり方と、
地上の密度の高い空気、高い温度の粘着、温度差、自動車エンジン下部の風の当たり方、路面温度は
当然に異なるわけです。ここは重要なポイントです。

これら前提なしに、フィンピッチを詰めれば、放熱面積を増えれば、冷却効果が上がるように考えます。
1層ラジエターより、3層、ヒーターピッチのほうが冷えそうに思います。
ラジエターのところで、私の試行錯誤をさんざん書きましたが、自動車ラジエターで、
ピッチが詰まれば冷えるというわけではありません。ここは経験値で知ってます。

また、ここで、誉エンジン、3ミリピッチのことを思い出しました。
中島飛行機の当時の試験方法には、前述の通り問題がなかったかどうかは実際の試験方法まで調べないと
比較できません。伝聞の孫引き資料見ると20mhg差の風力での試験のようです。
時速でいうと、おおざっぱに200km/h位でしょうか? でも、おそらく常圧、常温での試験なんじゃないかと
推測できます

ここから先は、私のまったくの私見で独断ですが、

なんで、わざわざ、当時の設計者が造るのが大変な、3mmピッチとしたかです。
思うに「エンジン出力は、(熱効率から考えれば)放熱面積で決まる」という物理の法則は、
当然、当時でも知られてたわけで、そこで、限られた前面投影面積の下で、
最高出力2000馬力とか無理な課題を解決しようとするからフィンピッチを減らして、
フィン本数を増すということになったのだと邪推してます。

私がやったミス、1層でオーバーヒートするから、比表面積増やして3層、ヒーターピッチで
というのと、根本は同じなんじゃないかと思います。

おそらく、高度が高くて、気温が低い、風が抜ける航空機エンジンでは、3mmピッチが良いと
考えたんでしょう、でも生産上問題があった、こういうことだと思います。

この話が頭に残ってたので、無理な細ピッチはいらないんじゃないかと調べだしました。

ピッチつめれば、放熱面積は増えるんですが、風が抜けない、と放熱できません(汗)
ヘアライン号も水温安定できたのは、UFCDとダクトボンネット以降です。

伝熱現象は、熱伝導、熱伝達、熱放射の基本3形態で、高温から低温にうつるわけですから、
ピッチをつめて周りの温度があがると、それ以上の熱伝道ができません、
ピッチつめて空気粘度が上がって境界層が動かないと熱伝達(対流)もできません
となると、空気があんまり流れない自動車(でもフロアなら流れるかな?とも考えた)では、
どうしようかと思いました。

これ最近になってCFDで計算できるようになったから、熱解析、
自動車の冷却とか実際にわかるようになりましたけど、
それ以前は、経験値だったんでしょうね。

その意味もあり、無理に細ピッチとすることは、やめようと思っていました。

つづく
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コメント

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No title

丁寧な解説有難うございます。
どうも私が質問しすぎたようですね。

セスナとか、レシプロの近現代の軽飛行機はエンジンでいろんなフィンのバリエーションがありましたよ。
カウルの内側の工夫で当てる風速を制御する機体もありますから、なかなか面白いです。

航空機エンジンがずるいな!と思うのは、飛びながら空燃比を操縦席で調整できる点にあります。
ヒートしてきたら濃く、クールなら薄くってのが可能ですから。
ノッキングと失速と燃費の駆け引きありますけど(笑)

機能美を意識した仕上がり。とても楽しみです。

No title

長岡さん、いえいえ、怠惰な私にとってご専門の諸兄のコメントは何よりの励みになります。カウルのダクト可変は戦前からの機構ですし、燃料冷却も同じですね、考えて見れば、自動車エンジンの殆どの機構はこの頃に型になってたんですね、
フィンピッチ空冷水平対向の民生航空機用については、またあとであ、