2010/05/17

サーモスタット再考




毎年、この時期だといわれ始める水温も、今年は涼しいせいか。まだあまり言われません。

大昔、国産車でビリオンのローテンプサーモの記事を書いたときや、連載でベンツのローテンプサーモスタット(水温)の話を書いたときにも良く聞かれたことなのですが、「ローテンプサーモをつけると水温が下がりますか?」というクエッションです。

ビリオン、田中氏のページにジャンプ


YESかNOで答えれば、「はい、下がります」が正解。    雑誌で書かれるのはこちら、

そして、「いいえ下がりません」もまた正解。     巷間でクレーム込めて声高に言われるのはこちら

開き始めの温度が、低いってことは、早く開く、最大開弁率になるまでの時間(たとえば75℃まで)が短いから、
放熱量に余裕にある最初のたちあがりの内は、早く冷めやすい。
つまりエンジンが飽和値(絶対値)の熱を持つまでの時間が長い。

この部分を捉えれば、前者の「はい、下がります」


対して、開弁温度が80℃でも70℃でも、両方とも開弁率が100%の状態では、
水温が下がるかどうかは、ラジエターやオイルクーラーの放熱量で水温が決まるわけですから、
ラジエターの放熱量が限界、飽和値に近ければ、後者の「いいえ、下がりません」となります。

つまり、仮に純正の空気抜けが悪く、放熱量の少ないラジエター、オイルクーラー仕様で、
高速道路巡航で、リターンの水温が100℃(メーター読みで115℃位)になる位なら
70℃のローテンプでも80℃のミドルテンプでも、どっちでも変わりません。

そもそも、入り口温度が80℃前後になる高温のエアコンコンデンサーをラジエターの前において、
理想のブロック温度が70℃だとしても、その前にコンデンサーの80℃湯たんぽ抱いてるわけだから
70℃のローテンプも、80℃のミドルテンプもない(笑)という厳しい現実的な意見もあります。

対して、真冬の放熱量に余裕のあるとき、エアコンONにしてなければ、
冷却水温はローテンプとミドルテンプで確実に変わります。

ベンツ500Eの水温計やECUの信号もアッパー部分でとっていますから、
水温補正(燃料を濃くする)かかる温度の問題もあるでしょうが、どっちがいいでしょうかね?
水温が一定温度以上になれば、点火時期も遅れてきます。
そうなると、パワーなんかでません。

エンジンのクリアランスによるフリクション減や、熱による空気分子量差もあると思いますが、
ヘアライン号のドラッグコースでのテスト結果では、

ここまで水温下げる努力(ボロン打ったり、ATFクーラー付けたり、ダクト増やしたり、電動FANにしたりetc)して、

かろうじて、ラジエターの放熱量に余裕があるようでもまだ、リターン水温(もちろんメータ上のヘッド温度も)が
低いほうがタイムは上でした。

ですので、タイム狙うには、エンジンかけっぱなし、フード閉じてで、
待機でメーター水温100℃少し手前よりは、

一旦エンジン、ATF、デフの温度あげてから、FANコントローラーで電動FANを強制作動させて
100Vの工業用FANでも強制空冷して、ボンネット開ける、メーター読み90℃弱
リターンは70℃付近まで水温下げたほうがタイムでてます。

その意味では、ヘアライン号も冷却系はまだまだ大幅に改善の余地ありです。

オープンクラス程度でこんなこといっても笑われますが、
本場米国ではエンジンかけないで冷却水、油、強制循環していますね。

前にも書きましたが、そんな意味もあって、昔のAMG(M119)では
70℃サーモをM119の6Lに装着しているのかどうかはわかりません。
デメリットは真冬のヒーターの効きが悪いことかな.....

でも、21世紀にもなって、水温補正で燃料増量ってこと話していること自体どうなんだか....(笑)
(名誉のためにつけくわえますが、皆口さんのところは、水温補正で増量してるわけでなく、きちんと増量数値で変換して、λのフィードバック値も調整してます)

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