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2022/07/21

部品供給のない 500Eを 動かすには となりのブドウは酸っぱいか? 知らぬ神より馴染みの悪魔か?

不動”故障” の500E 動かすには どうしましょうか?

スピードジャパンの北村さんのFACEBOOKを見ていると、残念ながら、その多くは欠品案内です。
彼の文章力、伝え方の問題もあるんだと思いますが、事実は事実でしょう

いつまでもあると思うな、親と金。
ならぬ、

「あると思うな部品と余生(健康)」というような時代になってきました。

海外で暮らしていると、しみじみ 思うのですが、
日本のような国民皆保険ではなく、
金持ちは最高の医療をすぐに受けられるけど、貧乏人は、2年以上待ち、すぐに医者にかかれません。
その間にこの世から一定数以上の方がいなくなります。
いいとこ、薬局で薬かって、飲むだけです。

先に書きましたが、先月、肘の内視鏡(笑)手術して、足マッサージまでうけて、
世界最先端の医療サービス! などと喜んでいたら、
よろしくお願いされません 円位の請求書が来ました。
ほんとに、札束持って払いに行かない事態でした。

手術した病院、医療ツーリズム富裕層向けの 大理石張りの床(すべるんじゃないか?)で、
病院の中に、お金持ち用プライベートバンカーのためのサービス部屋があります。
コーヒーやチョコレート、ピアノの生演奏まで無料でついてきます((笑))

いや
毎日あけて くれて、月の満ち欠けをへて、年を取る、
朝に道を問う紅顔の青年も、夕べには白骨となることもある
もうそういう時代なんでしょう そうしみじみ思います。

W124 500E
生産台数を重ねることを
正義とする時代のメルセデスの少し前、メーカーの評価がアナリストの分析でなく
ユーザーであった時代の残渣でしょう
まだ、西ドイツのその古き良き時代の残り香があった車で、とても良い車ですが、
環境配慮や電子制御の過渡期のため、とても 問題の多い車でした。

車の維持でいえば、メルセデスの圧倒的な部品供給体制も、自動車の電動化で終焉しました。
これが復活することは、一部、3Dプリンタでの再生はあるでしょうが
いぜんのような注文すればすぐ届くというメーカー供給は、時代の流れから考えれば、もうないでしょう

私も、こちらで、良いものを長く使う文化、修理してつかう、という点に重きを置いていて、
いろんなことしてきました。

古くは、90年代から、
エンジンマウント交換して、足回りのゴム部品交換して、新車のようになった!

外装部品入手できるうちに全部交換してオールペンしたり、
新品エンジン乗せたり、ありとあらゆる部品交換したと思います。

電装系でいうと
コンデンサがパンクして、温度計の液晶表示が飛ぶ修理や、
お約束のエンジンハーネスの修理、交換(今はコネクター、ピンから入手しないと無理です)。

追いかけてきて、LHモジュール、GMモジュール等のコンデンサー交換
これで延命できた車も多かったことと思います。

でも、大げさに言うと、500Eでは、タイヤやホイールと同じくらいの定期交換部品
スロットルアクチュエターが供給停止となったことで、おおきく流れが変わりました。

これ、モーターは専用品でも、巻き直せば使えるし、ギア類(これも再生できなくはないですが)、コネクターは
最悪作ればいいですが、ヘンテコなクラッチ機構は、もう無理でしょう
そもそも、フライバイワイヤ過渡期の折衷案的な電子スロットルなので、レスポンスは悪いし、
アイドル制御もおざなり、ワイヤー駆動前提なので、ああこんなものかという感じです

過渡期のベンツは、悪い癖で、完璧なものを作る前に、既存のまま延命を図ろうとします
よく言えば慎重、悪く言えば、妥協がお上手
完全制御の電子制御スロットルに行く前の妥協品です。

同じように、ボッシュからの エンジン制御も、そうで
初代の70年代のKEジェトロ、ご存知のように円形フラップが下がって、ポテンションメーターでアクセル開度を
読む形式の発展形で、

次が90年代前半
電熱式エアフロ使ったLH、デストリビューター分配(ECUの演算処理がおいつかずシーケンシャル制御できない)
500Eがこれですね

そして、w210以降のモトロニックでようやくシーケンシャル制御、デスビ廃止です
(まあそれでも、今から見れば遅いです。これが90年代後半、27年前)

これみると、そもそも、メルセデスはあんまり真面目に、117や119V8エンジンの
吸気廻り考えていたように思えません。

単カムのM117の発展形で、残念ながら、妥協の産物、過渡期の製品です。

可変長吸気が採用されるのは、その2代あとのM156になってからですし、
ポルシェ928が70年代後期からV8で可変長吸気をしていたのから比べると明らかに後手をとってます。

信頼性も低く、トヨタの1UZやGMのLSエンジンが、
軽飛行機の航空認証(飛行機のエンジンとして使える米国の認証、いわば世界認証)
とったのに対し,
二次大戦中のメッサーシュミットのメルセデスのエンジン以降、そんなことする人いません(笑)
あ、ポルシェの空冷6気筒はいた!ほんとの話です

ともあれ、へんてこな スロットルが生産中止、
修理するにしても、温存延命でしかないですから、
まともに日常乗るためには、現行のBOSCH電動スロットル使う、

そのために、汎用のECU、別にモーテックでなくても、LINKでも、BOSCHモータースポーツでもいいです。
モーテックのメリットは、他者の知恵、経験値、データーをそのままフリーライドできること、
日本だけでも20台以上、モーテック化してますから、これはメリットでしょう

私がやったのも、小島さんが日本で最初にやったのも、既存のECUがきちんと動く前提での いわゆる二階建て
スタンドアローンでエンジン正業してますが、ABSやASRはエンジンがかかってると思って、自分で仕事してます。
EZLやLHはついてますが、仕事してません。

私は、機械式の4速(実質3速)は、出力増加で限界を迎えたので、
722.6電子5速です。

なのでEZLからの遅角信号での変速時遅角も、ノックセンサー信号もEZLからはつかってません。
ノックセンサーから直接、モーテックに入って、ノック信号があると遅角制御します。
722.6は、ギア信号がでるので、かわるところで遅角いれればいいだけです
722.3みたいに、オーバーロードスイッチの油圧センサーに頼ってません(V8は、2-3速だけですね)

べつにフルコンは、モーテックでなくても、
ゼロからやるなら、純正メーカーのボッシュモータスポーツでも、お得価格のLINKでも、どちらでもよいと思います。

残念なのは、おおくの、いやほとんどの、自称「ベンツの専門家」は、DASといわれる、
いわゆるテスター屋さんで、

ゼロから内燃機の制御を組み立てる経験が少ない、動いていて壊れたものを適切に直す、
(供給があった)部品交換する(してきた)というのを生業にしていました。

べつにお店が悪いじゃなくって、ディーラーは新車を売りたいから、
高額な修理見積を出すし、修理にはその程度の熱意、
ユーザーがそれより安く、その程度に修理を望んでいた結果だと思います

日本の自動車産業の発達とともに熟成してきた
国産エンジンを中心としたいわゆる”チューニング”の黎明期からのものと違って
燃料、制御でいえば、キャブレター、点火系の知見をもとに、インジェクション、
ゼロから始めて、空気と燃料と、回転と、気圧と、気温、水温、空燃比、点火時期、電圧、ドエルアングル等を考えて
制御、しまいには自分でECU作る、どころか、エンジンかけたことなんかないでしょう

マシン語もC言語も、CANもわからない(部品交換、修理には必要はないので)ので、
どのように制御するという基本の仕組みも、わからないでもテスターにかけて、部品交換して
「治りました!」「安いものから変えてきましょう!」といった程度です
(それはそれで意味はある、もといあった、とは思います)
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これが、古いベンツでの、抜本的な解決、現行最新ECUの普及を阻むというか、
良きにせよ 悪気にせよ、食わず嫌いままの大きな理由なんだと思います

先に踏み出せないのは、
いわゆる  「あのブドウは酸っぱい」っていってるイソップのキツネなんでしょう

そりゃそうでしょう、ベンツに限らず、他の車でも やったことないんだから、わかりません。

もっと露骨にいえば、 better the devil you know than the devil you don't know!
「知らぬ神より馴染みの悪魔」で 知ってる悪魔?に頼ってるだけのように思います

ユーザーがそうなので、そこには進歩や革新は生まれずらいです。
なんでも最初にやるのは凄く大変、リスクも時間もかかります。
それをユーザーがするのは大変ですね

そこで、ユーザーも、身近な知ってる悪魔 となるというのも、理解できなくはありません
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でもね、所詮、部品供給あっての話なんですよね ないなれば話は変わります。
中古漁るもよし、ヤフオクでプレミアつけて買うもよし、そういうもんだと思います。
個別に、お問い合わせいただきましたが、
スタンドアローンで 動かす、壊れたASR、ABS外して動かすことはできます。難しくないでしょう。

ただし、クルーズコントロールや、エアコン制御(エンジン回転、コンプレッサー回転制御は簡単ですが、はいるんでしょうね?)は
また別、もう一段階工夫がいると思います。

ABS,ASRについていいますと
多くのユーザーは、ものすごく頭の悪いABS、車両がぶつかってから動くようなASRでも
ないよりは良いと思っているので、なかなかそれを外すことはしません。 そのお気持ちはわかります。

ただ、本当に役にたってるかというと、ほぼ役にはたってないというのが私の意見です

そんなにASR(4輪の差動を検知して、ブレーキをかける、アクセルを閉じる)や何世代も前のABSなので
ほとんど役に立たない。

本当に役立つなら、こんなに皆さんぶつけてない、車大破させてないです(笑)

ASRなんか、差動速度も、検知速度も遅いから、リアが滑っても助けてくれるのは
コントロールなくなって、スピン回転かしてからです。

自分で、実際に試してみると、ドラッグレースのスタートで、
ASRオフにしないでバーンナウト(リアタイヤの空転でタイヤを焼くこと)
してみても、白煙がでてから、リアにブレーキがかかる、アクセルがいなくなる有様です。

おそらく、前が止まっていても、約2~3回転くらいの差がいるんだと思います。直径650として、
2メートルから約2.7mの回転差が必要です
これじゃ遅すぎますね、 スピンして回転してからブレーキがかかる、アクセルがきかなくなるわけです

雪道での後輪空転、脱出にも役立つものでもありません

これよりあとの世代のESPなんかタイヤ直径を前後でサイズ換えただけでも、ESPが作動します
それくらいの敏感さが必要、反応速度も必要です。そもそも500Eには舵角センサーついてません。

ABSも何世代前のものなので、おバカで、パワーアシストがあるわけでもないし、
最新のBOSCHのスポーツABSみたいに、路面状況や荷重で調整できるようなものでもありません

なので、取っ払ってしまってもよいのですが、ユーザーはそうはしない人が多いようです
今後は、ここが肝、大きな障害でしょうね

全部ECUを外して、スタンドアローンでエンジン制御、電動スロットルでエンジンの出力制限ASRはできますが
ABSが必要ならば、ボッシュスポーツのものか、他車種流用となるんじゃないかと思います

その際には、おかしなヒューズボックスや劣化した配線をPDMで引き直す
大容量のエンジンファンやエアコンファンに配線も燃えないように引き直す等としないと
根本的な解決にはならないと思います。

こんな混沌とした状況、お先真っ暗に見える状況ですから、
こんなときこそ、ファーストペンギンがでてきてくれることでしょう
勉強熱心な専門店の方々、期待してます! 座して死を待つより、飛び込みましょう!

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ちなみにファーストペンギンって、魚がいる海に、自ら飛び込むんじゃなくって、周りから蹴落とされるというお話もあります
残念ながら、私は、今はそんなに熱意がないです。
今回の人生でやり残したこと優先してやるようにしてると、とくに今でも動くし、新しく壊して、ゼロからたてる必要性もなく、
そのそも、海外まで持ってきてないので、乗ってない500E優先順位が下がっているんでしょう
同じペンギンでも、私はこっちです!

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そういえば、私の弟が、LINUXは井戸を掘るという講演を、どこぞでしたときに、
「足場と思ったところが、逆に障害になる」 ことがあるといってましたが、
これですね。二階建てフルコンにして足場にしちゃったので、それを壊して、掘り下げる障害になってるんだと思います

それかこちら、GNU
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わかる方は LINUX マニアック だと思います。
前にも書きましたが、ソースコードのわからないソフトウエアが嫌いなこと
例えるに、ボンネットのあかない自動車が好きじゃないのは、
何がどう動いているかわからないのが嫌、そういう半狂乱的な知識欲求なんだと思います
真実追求が好きなのはこういうところに原因が、あるんだと思います