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2021/09/25

ヘアライン号よ それでも車高を下げたいか?(4) 欠陥車お断り! 車高をさらに下げて、せめてトーアウトを防ぐには  


ヘアライン号よ それでも車高を下げたいか?(3)アーム角度とロールセンター、そして トーアウト  

マルチリンクのベンツで車高下げる3大デメリット

 1)ロールセンターがずれる(アーム仰角の問題?)
 2)トーアウトになる (もう、ロールオーバー、欠陥車ですよ!)
 3)サブフレームマウントのロールセンターがずれる(後で話します)

 があります。
 
 わかっちゃいるけど、やめらえない。 それでも、車高下げたい。

  これ、私なんかですと、70年代、80年代につま先立って、
  背伸びする思春期、青春期の刷り込み、つっぱりだったり、
  先輩が乗ってたシャコタンへのあこがれだったりするんでしょう

  テクニック、技術でカバーする等と思ってた時期もありますが、現実わかれると 今じゃ遠い目です。
  まあ、理屈からいって、まず無理です。プロの一流レーサーでも、クラッシュするくらいです。

  積極的にケツを出して、オーバーにもっていって、ドリフトするというならまだ可能でしょうが、
  その前に駆動抜けしない LSDを入れてください(笑)

  日本のシャコタンの歴史、いまじゃ文化かな?

  振り返ると、もっと、古くは、戦後自動車産業の黎明期、レースカーへのあこがれを、
  やっと手に入れた自分の自動車でお手軽に試してみたらカッコ良い 
  スポーツキットが市販してたころは、速く走れるという経験だったんだと思います。

  珍走団、暴走族の前のカミナリ族、サーキット族と呼ばれたころですね

  輸入車を外車といってた時代は、米車は、幅が広く車高が低く見えるし、
  欧州車のスポーティカー、スーパーカーという言葉が出たころはみんな車高が低く見えた。

  こういう刷り込みがあるんだと思います。

  これが、リーフリジッドの時代、
  「足のいい奴!」足が良いといっても、4リンク コイル+リジッドの場合だったら、車高下げてもロールセンタなんか
  かわらないし、前輪はストラットの下に下駄履かせれば、ロールセンターなんか簡単にコントロールできたから
  気にすることなかった。

  ステアリングのラックの角度が変わるにしても、ラックカラーつけたり、ボールジョイント背高にすればいいとか、
  RX3やKPみたいなスタビライザーとテンションロッドが一緒になってるやつも、ナックルとスタビブラケットの下駄履きで
  ご機嫌になりました。

  書いてて気が付きましたけど、セミトレで、シャコタンにして競技でタイムだせる車って、昔っから
  少なかったですね
  ハコスカやS30は、ボディが重いのもありますが、シャコタンにするとトー、キャンバーが変わってしまって、
  サニーやカローラ、スターレットと比べると、ダートラでも、ジムカーナでも、厳しかったですね
  なんかみんなリジッドサスだった、時代を感じます。

  レギュレーションで、セミトレ、アームをピロ調整式にしたりできるとよかったのかな?

  ところが、時代変わって、 190で実用化されたマルチリンクだとこれが通用しなくなったってのを
  うすうす気が付いても無視してきたか、もしくは、まったくそういう素養がなく気が付かなかったんだと思います。

  でも車高下げたい。カッコいいから、習慣だから

  でもでも、要は、ロールセンター考えると、アーム迎角を変えたくない。→ 前に書いたように、これはすごく大変。
  じゃあどうするか、すくなくともトーアウトだけはなんとかさせよう となるわけです

  ほかのひと様のことは、あまり考えないのですが、リアのマルチリンクのことずーっと考えていたところ、
  解決策、どうするかもついでに、考えたことがあるので備忘で書いておきます。
  
  せっかくの機会ですのと、これじゃあ、あまりに、寂しいので
  すすめるわけでもないですし、こうしなきゃダメというようなもんじゃないですが、トーイン、アライメント測って
  おかしいなと感じた方のためにメモです。

 車高が下がって、指定のトーの調整幅を超えちゃう! ときに

 対策1. リアのタイロッド(トーリンク)のブッシュを偏心させる。


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 メーカーも、ばかじゃないから、トーアウトになることはわかってます。そうすると、調整幅超えちゃうんですよ
 ですので、偏心のブッシュ、トーリンクでは出しまてました(今でも、あるかもしれません)。

 これを打ち換えることによって、アームを短く(もしくは、長く)できるので、トー角が調整、
 トーインをあらかじめ大きくつけておくことができます。

 これなら、スプリングが縮む、ロールしても、一定程度までは、トーアウトにはなるのを防げます。
 それ以上は、ショックアブソーバーのバンプストッパーを長いものにするなどすれば、
 バンザイアームでロールセンターは変わってロールが増えても、避けたい最悪のトーアウト、
 アウトに向けて一直線だけは 防げます。

 でも、一個、150ドルくらい、と高額です。日本だと2万円強でしょうか?

 工賃入れたら5万円超えるでしょうけど、
 やる価値はあると思います。高価な車両保険入るのと同じくらい価値のあることかもしれません。

 ほんとは、こういうのはシャコタンすすめる側の人(商売にしてるお店の人ね)が積極的に伝えるべきだと思います。

対策2. リアのタイロッド(トーリンク)の長さを調整式にする。
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 純正のブッシュ打ち換えより、買って付けてポンですから、こちらのほうがお手軽かもしれません。
 使ったことないですが、両方をピロボールにしたものは、昔、SJでも作って売ってたことがあります。
 
 この手のものは、実は玉石混同で、ピロの材質もそうですが、ゴムブッシュの適否や耐久性は調べる必要があります。

ポーランドのシルバープロジェクトへのリンク

対策3. サブフレームの加工、リアのタイロッド(トーリンク)の保持部分

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 写真は、3Dで計測したW210とW124のサブフレームです。
 詳しいデータまではここで書くつもりがありません。
 W202以降、ハブキャリアが変わっていて、サブフレームのアーム位置も
 変わってます。(すべてのアームはW203のタイロッド以外、長さは同じ、共通品です)

 メーカーも、車高変化のトーアウトはわかっていて、ハブキャリア側とサブフレームで変更してます。

 なのででしょう、対策ハブキャリア、サブフレームの
 w202はC36でも、M119 積んだE50でも、SCになったE55でも、レベライザー使ってないですね
 ハブキャリアとアームの取り付け位置を変えることによって、
 車高変化のトーアウトマイルドにしたのもあるんだと思います。

 w124で良心的なアライメント屋さんは、サブフレームのアーム部分加工してシャコタン対応したところもあります。
 何度か現物見たことがあり、事故で調整幅に合わせたのかと思いましたが、左右とも調整してあり、
 リューターと溶接で加工してあったのを見たことがあります。


対策4. サブフレームの加工、リアのタイロッド(トーリンク)の保持部分の変更と長さ延長

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 こちらは、米国のDyllon Jacobsonさん 
  W201 用のサブフレームですが、サーキット走行で車高下げたい、トーアウト調整幅超えてしまうのと、
 車高変化でトー角の変化が急すぎるのを嫌って、アーム位置を変更、長くして半径を大きくしてます。

 簡易の定盤(作業代)でロアーム付根2か所から位置決めの専用冶具を製作して、
 仮想のアーム高さを決めて、そこにあわせて、延長するために、サブフレームを加工、
 そこから上に台座を持ってきて、1 3/4インチ 1.75インチ アームを長くしてタイロッドの固定位置を作ってます。

 けっこうな作業ですが、車高下げてトー角変化を適正値にするには、これくらいは必要だということです。

 位置決め、すごく苦労したとお話直接おききしました。

 なので、ヘアライン号、最初は3Dで計測して、加えて定盤でダミーホイールという方法とりました。


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 補強プレートをトライアングルで横のメインフレームと縦のフレーム間につけて、
 そこまで、タイロッドを伸ばして、さらに上に持ってきてます。



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 ボディ側もナックル側もピロボール両方です。
 延長したアーム付けてあるので、長さが良くわかります。
 プレートの厚みも充分なのがよくわかります。

 この後、サブフレームを補強プレート当てたり、ガセット当てたりして、完成です。

 結構手間かけてますが、これくらいは必要ということでしょう


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 次回は、車高さげてロールセンターが変わるとヨレル(笑) サブフレームのマウントについて