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2019/05/24

チタンホイールボルト2 6AL-4V Titanium Rolled Wheel Bolt M12X1.5 r12 with Floating Washer.

6Al -4V チタンボルト 高級品の写真です。
製造販売が中止されて、頭高さが変更になってしまった純正ホイールボルトにあわせて造っています。
純正8孔ホイールや、LTDホイール、AMGホイール、
初期の18インチのリミテッド風ホイール ユーロ6には適合します。


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写真のとおり、
重量は純正の86g に対して、52g と一本当たり 34g 軽く仕上がっています。


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それで、あまり気にしない人もおおいでしょうが、チタンマニアとして、
純正ボルトと64チタンボルトの強度比較について、備忘と理解の整理のため記載します。

まず 純正ボルトの素材について、

純正ボルトは、JIS規格ではなく強度表示がありません。素材もメルセデスの資料、マニュアル見てもでてません。
そこで材質を推測することにします。
締め付けトルクをみますと、純正スチールボルトはM12サイズで締め付けトルクが110Nm指定(脱脂指定)となっています。

締め付けトルクから、純正スチールボルトの強度等、機械特性を 推測するとして、 

締め付けトルクからの推定で、大雑把ですが、余裕マージンを見て
JISの強度区分でいうと「10.9」の高強度ボルトが該当しそうです。結構、高強度のボルトです。
(熱処理もあるんでしょうが、硬さや旋盤で削った感じに照らすと、実際SCM435よりは、すこし柔らかく感じます)



純正ボルトを、JIS規格 10.9の高強度ボルトとして、 いわゆるクロモリ材、SCM435材を使っているわけですから、

SCM435材の最少引張強さが 1040N/mm^2 下降伏点が、 940N/mm^2 (95.9kgfm)

ボルトの強度計算をするには、これに断面積をかける必要があります。

M12の並目で1.75 材料径が 10.55mm  有効面積が 84.3mm^2
M12の細目で1.5材料径が  10.60mm  有効面積が88.2mm^2


最少引張強さ、下降伏点に、ボルトの有効面積をかけると

SC435 最少引張強さで
M12 並目で87,672 ≒ 87,700 (1040 X 84.3)  M12X1.5で 91,728≒91,700(1040x88.2) 100未満四捨五入

SC435 下降伏点で
M12で79,242 ≒ 79,200 (940 X 84.3)  M12X1.5で 82,908≒82,900(940x88.2) 100未満四捨五入

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日本チタン協会サイト



今回作ったホイールボルトは 材料が α-βチタン合金
(Ti-6Al-4V) いわゆる 6-4チタン合金だと

最少引張強さ (MPa) 895≦  下降伏点耐力  (MPa) 825≦

MPa = N/mm^2 単位が違いますが、1 N/mm^2 = 1000000 N/m^2 = 1000000 Pa=1MPaだから、おんなじ、

これにボルトの有効面積をかけると

6-4チタンの最少引張強さ

M12 並目で75,448 ≒ 75,400 (895 X 84.3)  M12X1.5で 78,939≒78,900(895x88.2)  100未満四捨五入

6-4チタンの下降伏点で
M12で69,547 ≒ 69,500 (825X 84.3)  M12X1.5で 72,765≒72,800(825x88.2) 100未満四捨五入

最少引っ張り強さでSCM435クロモリ比86% 下降伏点耐力で 88%程度となっています。


なので、今回製作した6-4チタンボルトの指定締付トルク、

最少引張張力、下降伏点に、締付方法、給脱脂、係数等で計算する方法でも計算しました、

そうすると、指定締め付けトルクが、給脂トルクレンチ締付で約110Nm、
脱脂トルクレンチ締付で140Nmと 純正指定とくらべると、3割位増えます。

自分で試験したところ、ボルトの伸びの感じで、ボルト側はまだまだ大丈夫だと思いますが、
ハブ側に不安が残るので、純正ベースで下耐久の係数かけることにしました。

コンロッドボルトみたいに、ボルトの伸び量を測って、管理して締めるのが、確実なんですが
さすがにホイールではそこまでやってないですね、
興味深いので一度、治具つくって長さとトルク測ってみたいと思います。

さて、簡易方式で見るに、
クロモリと6-4チタン比較すると、締め付けトルクについては、下耐久がクロモリ鋼比較で88%ですので、
110x0.88=968≒100Nmで仮に指定しました(スレッド、フランジ、キャップあたり面給脂推奨)。

指定トルクで締め付け後、100km程度走行後、再点検、最締付してください。

スレッド部分はハブ側 (鉄)との 固着防止のために、ボルトスレッド面(ネジ部)にカッパ―グリスを塗っていただき、
ハブ側はM12の1.5でタップを、必ず通してから使用してください。

ボルトのスレッドはJIS1級の転造加工で精度出していますので、ダイス等を改めてたてる必要はありません。

フローティングワッシャーとボルトのツバの当たり面には給脂して、規定トルク(100Nm)で締め付けてください。

ご存じの方もあると思いますが、
(あとで別稿で書きます)大型自動車のホイールボルトの締め付け ISOと JISで 座面への給脂指定が変わっています。

もちろん、給脂したほうが摩擦が減少するので、トルクがかかりづらいため、締付量は増えます。
今回製作したチタンボルトは、フローティングワッシャーとボルトツバ部が接する部分の面粗度を
下げるために研磨してありますが、給脂指定としました。

他方で、フローティングワッシャーの球面部、ホイールと接する面については、純正と同じく脱脂指定としています。

なお、ハブ側のボルトピッチが経年劣化で摩耗している、ハブのボルト部にガタが出ている場合には、
ハブ側のネジ山に不安が残ることになりますので、ハブをいつ交換したか
わからない方(新車からだともう25年モノです!)は、経験のある専門店に相談をしたうえでの作業を、
強く推奨します。

ボルト側は、下伏限界までの余裕が大きいので、球面部を給脂で締め付けても、
ボルト側が破断することはないのですが、
ハブ側のスチールのネジ山が特に経年劣化で錆びて、また、すり減っていたりすると、
チタンの堅い転造ネジに対して、ハブ側が
オーバートルクでは、かかりも弱くなりキツくなると思っています。

ちなみに、ご懸念のチタンのボルト自体の耐久性ですが、
WTACのエスコート安藤号 レースカーで
6-4チタンホイールナットのテストでも、スチールボルトと同等トルクで締め付けて
いままで 2シーズン トラブルはありませんでした。

60°テーパー 座面ドライで使ってます
(インパクトレンチ使用してます(笑)が、ホイールもナットも、使い捨て感覚のタイムアタックレースですので、
日常使いにはお勧めしません。でも今のところノートラブルです。)

今回のホイールボルトも、破壊試験、強度試験しましたが、
R12球面使用のため、中古のハブにホイールをボルトで締め付けるテストでは
ボルトが塑性変形域を超えて伸びる前に先にアルミホイール側が座屈、変形しました。

なので、ボルト自体よりは、経年で劣化したハブ側の心配をしています。

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さて、その装着感ですが、ホイールボルト20本で バネ下で680g軽くなります、

敏感な方でしたら、特に高速域でのブレーキング時や
舵角の切り始めの剛性感、ハブとホイールが一体になる感じ、
サスペンションのバタつきの低減、ショックアブソーバーの収れんの速さ等に
変化に充分に気がつくレベルだと思います。

重量、軽さだけ見ると、所詮 ホイールキャップ程度の軽さですが、
流石バネ下の軽量である点と、ハブとの結合、剛性感、
フローティングワッシャーによるボルトと球面のセンタリング効果で
敏感な人なら、バネ下、ハブホイール結合の剛性の向上は効くもんだと感じられるものと思います。

すでに先行装着していただいていますので、
インプレが寄せられましたら、そのうち、おってお伝えします。

ところで、チタンボルト、ナット時の組み付けに限らず、異種金属の接合に推奨のカッパ―グリス
日常使いですと、整備工場だとルートセールスで回ってくるWAKOSのカッパ―ペーストを使うのが一般的だと思います。

そんなに量を使うものではないので、一本あれば、10年は持つものですが、
今回、オートバイ乗りでもあるTさんの推奨でデイトナのカッパ―ペーストを購入しました。



普通のカッパ―ペーストなんですが、ボトル入りで刷毛がついているので、塗るのが便利です
作業中に軍手、グローブを脱いで、指ですくって、塗るという手間がいりません。
(段取りの良いプロなら、最初に塗布しておいておくので、こういうことはないそうです(笑))

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写真は、段取りの良いプロのみなぐちさん 撮影(汗)

写真のように、ボルト部、ワッシャーとのツバ部だけでなく、
ハブとホイールの嵌合部にも塗っておくと、ホイールとハブの固着予防によいです。

ちなみに えちごやでは、ホイールボルト、アンチシーズグリスを球面の座面にも塗ってます。
給脂、指定トルクで、締めてこちらのほうがフィーリングも良いとのことです
(ハブはもちろん消耗品で定期交換だそうです、さすが!)