電動ウォーターポンプ プロジェクト5 Electric water pump Project 5 swarl pot and water air separator
先に書きました 1st 2nd の ウォーターエアーセパレーター、
質問があったので、こちらで、解説します。
もう、販売中止になってしまいましたが、ビリオンの汎用スワールポットのパンフレットからの引用です。

こちらが、第一弾の ウォーターエアーセパレーター
冷却系では、
1) ウォーターポンプのインペラー、スクリューが動くと、必然的に気泡が発生します。
2) つぎに、ブロックの水穴をとおって、エンジン本体を冷却するとき、
特に、ブロック上部、シリンダー上部や、シリンダーヘッドの
燃焼室に接した冷却水通路、特にエキゾースト側のバルブシートリングや
ガイド廻りだと、接している金属と冷却水の温度差、流速にたよるだけでなく、
一定条件下では、サブクール沸騰が主役で熱を吸収しているので、冷却水に泡がどうしても混ざります。
3) それ以外に、冷却量は流速に比例すること等もあり、ヘッドガスケット部分で流量を絞って速度を上げている部分や、
冷却水通路の面積が変わった部分董で、泡が発生します。
こういった、泡は、冷却水に熱量を吸収させる結果、出来たものなのですが、
泡自体は気体なので、液体の冷却水より熱伝導率が圧倒的に低く、冷却水が水と大気の温度差で、放熱させようとする
ラジエター部での熱伝導効率を下げますし、これが、また泡が多いまま、シリンダーヘッドなどにいくと、
重要な役割を果たすサブクール冷却の妨げ、つまり最初っから泡なので、再度、沸騰しない、
また、泡が爆発するキャビテーションで冷却水通路やインペラー、ガスケットなどを破壊させていまうことになります

さすが、メルセデスも、ここらへんの勘所はうまく押さえてあって、
EPCの図面でわかるように、純正でエアセパレーターを備えています。 EPCの絵でいうと「95」です。
見るとわかりますが、ウォーターネックや、ラジエターサイドタンク上部から泡交じりの冷却水をいったん、
圧力弁のついたプラスチック製のエアセパレータータンクに集めて、泡を消したものを、
タンク下からウォーターポンプ前の負圧箇所に集合させています。
W124 500Eでは、よく、このプラスチック製のタンク、ストラット前にあるラジエターキャップ、圧力弁のついたタンクのことを
リザーバータンクという人がいますが、ベンツでは、リザーバータンクは、フェンダー内部に別に置いていますので、
ここは正確な言葉をつかうようにしましょう。

そして、これが、2段階目のエアセパレーター、スワールポット、
円筒形の筒の壁にそわせて、水流を起こして、その過程で、水と泡を分離させて、
より多くの水、泡の少ない水をラジエターにおくるものです。
電動ウォーターポンプ化にともない、ラジエターを製作し、独立スロットルにすれば、冷却水路も
やりなおすことになるので、今回、あらたに追加するものです。
ヒーター部分、4番8番の左右バンクの冷却についての解説は、またあとでおこないます。