722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (2) ディスク、クラッチ増し増し、フリクション抜き 722.6 NAG1. Evolution Project (2) MULTI CLUTCH PACK
もう少し詳しく書きます (笑)
722.6 W5A580は、ベンツだけでみても
何種類かありまして、モデルによってディスクの枚数が違います。
M119で見ても、4.2と5リッターではディスク、クラッチ枚数が違う部分があります
クラッチも、年式により、片面、両面の差があり、
また、何度も改良を重ね、2000年を境にローラーベアリングの追加や、バルブボディ他が変更されてますので、
ベースにするのであれば、2001年以降のもののほうが良いですが、
旧いものでも、内部の部品を交換により同等にバージョンアップすることもできます。
オートマのチューニングですと、良くおこなわるクラッチ増しについてですが、
722.6のM119 5リッター用モデルは内部のクラッチ、K1が 4枚 K2 が 5枚 K3 が 5枚 ですので、
クラッチ増しでなくても、バルブボディの流量確保の加工等やコンピューターのセッティング、油温管理ができていれば
400馬力、60Nm程度の、ふつうのM119 6リッターなら、滑ることはないと思ってます。
もちろん、パワーが出て滑るようであれば、クラッチを増す必要があります。
クラッチ面積も重要ですが、油圧や、
バルブボディの経路の抵抗、圧損、流量、切替のソレノイドや
クリアランスも大事です。
いうまでもなく、トルクコンバーターのオートマティックミッションにとって、
エンジン動力で駆動されるオイルポンプで生み出される油圧は、言われるまでもなく駆動伝達の源泉であり、
面積だけ増やしても、油圧が低ければ、圧着力は減るし、油圧経路での抵抗が多くても同じことです。
経路を切り替えるソレノイドの動作スピードや開度等や、クラッチ、ディスクのクリアランスも大事なので、
物理的に枚数だけ増やしても、根本的な問題解決にはならないのが難しいところです。
また、油圧を上げれば、それだけ圧損は増えますし、
クラッチを増やせば、その分、回転部の重量も増える、回転抵抗やオイルのせん断抵抗、どうしても引き摺りは増えますし、
ギリギリ、必要最小限というのが ベストではあります。
まあ、そうはいうものの、私は、挑戦の意味もありますので、ディスク増しを準備しています。
こちらは、鬼門の K3 (1,2、4、5速)

写真はダブルサイドクラッチディスク、薄いものを使って、6枚、スチールプレートが7枚と、各2枚づつ増やしてます。
通常の5リッター用の722.6が5枚、S65AMGも 5枚ですから、それよりさらに+1枚追加してます。
クラッチケースの内部を切削加工すれば、さらに、それぞれ +2枚 8枚/9枚まで増やせます。
こちらは インプットシャフトに繋がるK2(3,4,5速)

写真はダブルサイドクラッチディスク、同じく、薄いものを使って、8枚、スチールプレートが9枚と、各+3枚づつ増やしてます。
通常の5リッター用の722.6が5枚、S65AMGも6枚と+2枚ですから、それよりさらに追加してます。
こちらは、サンギアのつく K1(2,3,4速)

写真はダブルサイドクラッチディスク、同じく、薄いものを使って、7枚、スチールプレートが8枚と、各+1枚づつ増やしてます。
通常の5リッター用の722.6が5枚、S65AMGも6枚と+1枚ですから、それよりさらに追加してます。
もっとも、3-4速のすべりについては、バルブボディ加工や、バルブボディ交換で対応するのが多くの
チューナーには定石のようです。
シフトのスムーズさは、別モデルのソレノイド交換で対応するでもいいですし(あとで解説します)、
722.3のときのように、社外ケブラー製のクラッチや、
表面加工処理したディスクも有効だと思います。
ポルシェの996もこのオートマでしたが、おそらくポルシェの場合は
内部に手をかけているのか、コンピューターでのセッティングベンツもちろんあると思いますが、
ベンツの同じオートマよりは、シフトスピードも早かった、フィーリングも良かったように記憶してます。
こんなこと、毎日オートマ専門でやってる人からいわせれば、
当たり前のことなんでしょうが、門外漢から見ると、なんだかわからないので、
流用、チューニングの観点からまとめておこうと思います。