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2016/10/29

OS デフのサイドギアによる他車サイドフランジの流用 ⇒ T30 


 大馬力の車を乗って、デフやシャフトを壊した経験のある方でしたら 
 すでに、ご存じのことと思いますが、
 駆動系で一番壊れやすいのは、タイヤホイールが固定されるハブに装着されるドライブシャフトアウターのスタッビ

 ヘアライン号では2本ここを捩じ切っています。
 
 スタッビも、ドライブシャフトも、
 エンジン回転の関係で、多くはトラクションのかかる左側(前から見て右、500Eだと運転席側、リングギアがついてるほう)が
 破損しやすい。
 
 リジッドサスでも車輪、アウター側。
 独立牽架のサスペンションでもCVジョイントでも、
 インより、アウター側が先にやられます。

 この弱点を克服するために、ハブを製作、ベアリング径も拡大、キャリアも変更、
 あわせて、CV、シャフトを製作して、スタッビはT32まで大径化し、900~1000馬力位まで
 対応できるように準備しています。

 
 そうなると次に問題になるのは、ドライブシャフトが接続されるデフのサイドフランジ、
 つまり、ドライブシャフトがデフに接続されるところのセレーション、スプラインが折れます。

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 右の流用サイドフランジは、すでにOSのギア用にスナップリング溝加工してあります。

 左のベンツの500EのASRデフは、ここがT28サイズです。
 アウター側スタッビは純正でT25、ワゴンでT27にサイズアップしてありますが、
 インナーのサイドフランジ自体はデフのサイドギアが共通のためセレーションサイズが一緒28Tです。

 アウターのスタッビほどではないにせよ、
 ここが壊れることも、ときどきはあり(リジッドサスだとここが壊れます)、
 そうなると、デフ自体が分解できなくなるため、
 LSDも、キャリアも使えなくなります。
 そんな悲惨な例を過去にも経験しているので、対策しました。

 OS技研 の加工名人 T氏にお願いして、
 中身のサイドギアを他車種のものに交換、T30にサイズアップしました。
 サイドフランジは、当該車種のものを使って、オイルシールの内径にあうように加工。
 オイルシール外径は65mmのASR無しのモデルのものを使います。

 ここらへんのノウハウは、何百種類もデフを製造設計、組み込みしているT氏にかなう人は、いないと思います。
 以外にデフはメーカー間でも共通部品、寸法のパクリというか、コピーが多いので、
 ノウハウがいきます。日産のR180がスバルのリアデフと共通とか、
 最近のベンツとBMWのリアデフが共通とか(笑)

 そして、そのためデフキャリアはASR無しのモデルのものを使用というわけです。
 (ABSの歯はハブ部に移して、ハブキャリアにセンサーを移動します。)

 これで、ハブ側T32 デフサイドギアT30の駆動系の完成となります。


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 写真は、そのサイドフランジ、左が ベンツ純正ASRなしT28 右が他車種流用のT30 太さが違います。

 純正のCVジョイントとはPCD102ですが、流用のものはもっと大きい、
 あいにくポルシェ930CVの10894mmとは合いません、サイドフランジに穴あけ加工で逃げようかと思いましたが、
 肉抜きしてあるので、ボルト穴があけられそうなところがありません(汗)

 なので、アダプタープレートを作成することになります

 やれやれ

 つづく

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