ATI フルードスーパーダンパー 試作(5) エンジン振動, クランクの捻じれ振動とダンパー

The Danger of Power Pulleys &
フルードダンパー、ハーモニックバランサーについては、いつごろからだったでしょうか、
古くはL型チューンの初期、トップチューナーは、
BMWやベンツのゴムダンパープーリーを流用したりしていた時期もありました。
また昔話になりますが、大昔のL型ではプーリーボルトが緩む、飛んだりするのは珍しくなく
キー溝一本溝加工しても、だめで中には電気溶接でボルトを溶接している車もありました。
テンショナーの工夫やコンロッド、ピストン、バルブ周りの進化もあり、
6000回転が上限と言われていたOHC6気筒が8000回転超迄使えるようになりました。
このころ、ATIダンパーのことをHOW TO HOT ROD 等のハウツー本、ペーパーバックから
ハードカバーの専門書まで
米国在住時に大学の図書館の本で読んで、
そうか、出力クランク後端から距離が延びるプーリー部では、クランクの振動、”捻じれ”がさらに増すのか! などと
いうことを気が付いて、皿回しの、棒と皿をイメージしていました。
平成頃になってから、国産でもATIダンパーをハブを作って装着するのが珍しくなくなり、
スポーツコンパクトの人気が出てSR、BPやホンダでは
ATIカタログにラインアップされたり、32GTRや1Jでは、ふつうに売られるようになりました。
これがその図、捻じれのイメージ図です。 フライホイールから離れると捻じれ振動は増えるの図です。
いくらフライホイールの回転バランスとっても、
クランク自体がトルクで”振れる””捻じれる”ので、このアンバランスは
発生します。これを抑えるのが、ハーモニックバランサー、フルードダンパープーリーです。
もっとも、ここは、ピン径を増やしたり、材質を変えて強度を増すことができれば、
振れ、捻じれ、は減りますが、ゼロにはなりません、また、
固有振動もあるし、先のコンロッド、クランクの連竿比による加速度の差もありますので、
結局、市販ベースのエンジンだと、ここはやっぱり、フルードダンパーに活躍してもらうことになると
思います。
L型エンジン、大馬力でクランク(といっても、ディーゼルやL28ノーマル(笑))は折れるのは6番のところです。
これ、捻じれと振動が、起点のフライホイールに近い場所に集中するんだろうなと、この図を見ながら思っています。