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2014/11/24

ATI フルードスーパーダンパー 試作(5) エンジン振動, クランクの捻じれ振動とダンパー


The Danger of Power Pulleys &

 フルードダンパー、ハーモニックバランサーについては、いつごろからだったでしょうか、
 古くはL型チューンの初期、トップチューナーは、
 BMWやベンツのゴムダンパープーリーを流用したりしていた時期もありました。
 
 また昔話になりますが、大昔のL型ではプーリーボルトが緩む、飛んだりするのは珍しくなく
 キー溝一本溝加工しても、だめで中には電気溶接でボルトを溶接している車もありました。
 テンショナーの工夫やコンロッド、ピストン、バルブ周りの進化もあり、
 6000回転が上限と言われていたOHC6気筒が8000回転超迄使えるようになりました。

 このころ、ATIダンパーのことをHOW TO HOT ROD 等のハウツー本、ペーパーバックから
 ハードカバーの専門書まで
 米国在住時に大学の図書館の本で読んで、
 そうか、出力クランク後端から距離が延びるプーリー部では、クランクの振動、”捻じれ”がさらに増すのか! などと
 いうことを気が付いて、皿回しの、棒と皿をイメージしていました。


 平成頃になってから、国産でもATIダンパーをハブを作って装着するのが珍しくなくなり、
 スポーツコンパクトの人気が出てSR、BPやホンダでは
 ATIカタログにラインアップされたり、32GTRや1Jでは、ふつうに売られるようになりました。

 これがその図、捻じれのイメージ図です。 フライホイールから離れると捻じれ振動は増えるの図です。

 いくらフライホイールの回転バランスとっても、
 クランク自体がトルクで”振れる””捻じれる”ので、このアンバランスは
 発生します。これを抑えるのが、ハーモニックバランサー、フルードダンパープーリーです。

 もっとも、ここは、ピン径を増やしたり、材質を変えて強度を増すことができれば、
 振れ、捻じれ、は減りますが、ゼロにはなりません、また、
 固有振動もあるし、先のコンロッド、クランクの連竿比による加速度の差もありますので、

 結局、市販ベースのエンジンだと、ここはやっぱり、フルードダンパーに活躍してもらうことになると
 思います。

 L型エンジン、大馬力でクランク(といっても、ディーゼルやL28ノーマル(笑))は折れるのは6番のところです。
 これ、捻じれと振動が、起点のフライホイールに近い場所に集中するんだろうなと、この図を見ながら思っています。