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2014/10/29

オイルクーラーコアのこと、すごく重要なコアの厚さについて ( 2)

 自動車用オイルクーラーに重要な空気の抜け、

写真は、航空機レース用のオイルクーラーと、それを薄くした自動車用の社外オイルクーラーの厚み比較。



 ヘアライン号の冷却系のところでもさんざん書きましたが、ラジエター、熱交換器を冷やすには、
 表面積、温度差、熱伝導を活かす条件として空気の抜けが必要です。
 さて、オイルクーラーも同じこと、
 
 件のブログでもあるように

GS1000と日々の日記 オイルクーラー装着 その6(風通し)

 アールズ等のコアの原型は、レシプロエンジンの性能で国家命運の浮沈をかけていた時代、
 高高度、低温、高速下での航空機用のオイルクーラーがベースモデルだそうです。

自動車の悪条件に比べれば、低温、きちんとしたシュラウド、空力、高速度とうらやましいくらい恵まれた状況、
 なので、走行風がなく、プロペラ回転による風だけで、温度が高い地上でエンジンかけられるのは7分までとか
 決まっています。
 
 確かに、当時のレシプロエンジンの飛行機の巡航速度は300km/h+前後、高度が高く,
気温も零下何度の高高度ですから、温度 差も大きい状況です。しかもダクトでしっかりおおわれている。

 それを、せいぜい最高速度が瞬間で300km/h、高速道路でも巡航100km/h+、市街地では30km/h-、平均速度でいうと30km/hのナンバー付き乗用車、しかも風の抜けが悪い状況では厚いコアは、走行風だけでは性能を生かしきれないというのも納得がいきます。

 おまけに、温度は夏なら気温35℃以上、路面温度は50℃ という過酷な状況。

 私も、ATFの油温で悩んでいた時に、友人の変態科学者の千明さんに相談しました。
 このとき、聞いたのは、温度差、面積、空気抜けの話です。

 たくさんの資料をいただき、懇切丁寧に、それは長時間かけて、
 眺めの良い、乗馬倶楽部のラウンジで薄いコーヒー飲みながら、
 ナチスドイツ軍風のジャケットに、
 拍車付のロングブーツ履いたまま、乗馬パンツの姿で
 文系の私に、昏々と説明してくれました。

 その結論からすると、 冒頭の写真にあるように、自動車乱流型のオイルクーラーのオリジナルは、航空機レシプロ用の
 オイルクーラーの厚みを速度に合わせて、減らしたもの、そのために薄い厚み、
 面積下でも効果だすために、苦肉の策で、フィンの中で乱流設けるようにした。んじゃないかという仮説。
 
 それでも、まだ空気は通りずらいので、
 これをきちんと使いこなすには、風量を上げるか、シュラウドで囲う、最も良い場所に持ってくるとかしない
 と効果が低いとうことを実験データー込で説明いただきました(汗)。

 そんなわけで、ヘアライン号には、
 ラジエター前のATFクーラー、一貫して、抜けの良い、薄型を使っています。

 そのため、ラジエター前に装着されることの多い、純正装着のオイルクーラーは、
 薄型で抜け重視のものが多いとのこと、
 厚手のオイルクーラーを採用する場合には、前後に何も置かない、電動ファンをつける等して抜けを良くしないと、
 オイルクーラーの役目を果たさないといってました。
 たしかに、ベンツでもW124の牽引オプションやW140は厚手でも独立電動ファン、シュラウド付、
 昔のマツダのロータリーオイルクーラーは一等地、RX8は分割シュラウド方式です。

 ちなみに、ヘアライン号、エンジンオイルクーラー厚手のセトラブなので、
 走行風のあたる一等地において、後ろにラジエターはありません。通過風はアンダーカバーのダクトで抜いています。