ピストンのDLC処理(1)

前回のM119用カムのDLC加工の画像につづいて、ピストン。
DLC加工をする前の処理として、平滑度や面粗度が非常に重要なので、カムはラッピング処理をして研磨したものをDLCしました。
ピストンは、アルミ鍛造素材なので、このままでは、DLCとの親和性が低いようで、下処理として、カーボン皮膜と親和性の高い素材をショットピーニングして(WPC加工)、バインダーとした上で、その上にDLC処理しています。
DLCの特徴として、摩擦係数が少ないのと、表面が剥離しても攻撃性が小さいというものがあり、アルミピストン×アルミシリンダーブロックというかじる、抱きつきやすい組み合わせでの効果が期待できます。
ピストン単体の写真(前掲)http://mercedesbenznetcom.blog81.fc2.com/blog-entry-33.html#cmと比較していただくとわかりますが、アルミの切削加工後のピカピカ度が減って、黒っぽい艶のない色、でもモリブデンコートとは違う、に仕上がっています。このDLCコート済みのピストンを、Alsil処理をしたシリンダーと組み合わせます。
表面のDLC皮膜は平滑で摩擦も少なく、しかも油持ちの良い形状になっていますから、これまでの鉄メッキと比較して、ローフリクションとピストンTDC位置でのシリンダーの磨耗も低くなることを期待しています。
どう?DLC処理のレインボーカラー焼けが格好良いでしょう!
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