fc2ブログ
2023/11/29

八岐大蛇 M119 エンジンのたこ足 (37)  180°集合 天神降臨 ヤマタノオロチ 500E


 M119 タコ足 HEADERS 左右レイアウトが 決まりましたので
 まとめ的に 再度 全景図をお見せします

 こちらが左バンク 1-2-3-4
fc2blog_20231109154318d6d.jpg

 こちらが 右バンク 5-6-7-8 
fc2blog_20231109154212a81.jpg

 右と左で、同じエンジンの左右バンク、ヘッドからの排気管ですが、
 見た感じの印象、パイプの取り回しが微妙に違うのが分かると思います。

 ここがV型8気筒エンジンの排気管の美しさ
 醍醐味でもあります


 左、右バンクを前方から

fc2blog_20231109154207772.jpg

 前述のとおり、実際は、クランクピンを左右のシリンダで共有するV8は
 シリンダーが左右バンクでオフセットしていますので、
 コンロッド厚み分+α 左側が前に出ます。
 

fc2blog_20231109154316b69.jpg

 前回紹介しました左側5-6-7-8で 最も 色気があるとおもうところ


fc2blog_20231116121814604.jpg

 そして、こちらが右側1-2-3-4で もっとも 色気があると思うところ、


 造形美、溶接の美しさにご興味があるかたなんて 少ないと思いますが
 どうぞ ご覧ください


fc2blog_20231109154209b98.jpg

 一番先頭に来ている5番のカーブからの後下方へのアングルも とても 好きだとおもう部分です

 形は機能に従う Form follows function などというと やや手垢がついた  ややもすると
 やすっぽい 自動車コピーに聞こえますが、 機能に従った形、制約の中での形の 到達点がここにある
 といえると思います。

 芸術作品のようだ と評する方もいますが、 機能に従った結果の 芸術作品そのものだと思います

 閑話休題、
 
 こちら、タコ足の製作途中に 拝見して 強い影響をうけた 小林優太画伯の ヤマタノオロチ
 きくところ 奇しくも M119タコ足製作開始したのと同じ
 2018年の第1作目につづく 第2作目だそうです


 ウロコ壱枚 壱枚を 異なる紋様で 書き重ねて、8匹の大蛇を描いています。
 氏の談によれば、
 同じ胴体から別れた8つの頭がすべて性格が違う様相を表して、八岐大蛇としているとのことです。
 
 表現方法手段こそ違いますが、パイプを巻いて、曲げ、角度切りで一個一個切り出して、それをつなげていく
 作業に 手順が重なります。

 ヤマタノオロチ、スサノオノミコトの登場する わが国の創世記、神話に登場してくる伝説上の大蛇です。

 日本書紀、古事記の神話にも登場してくる 天孫降臨神話の中では
 体内尾部に三種の神器の草薙の剣を宿していたと伝えられてます。


fc2blog_20231114160219d3b.jpg

 なんかイメージ似てませんか?
 八本の頭をもつ八俣遠呂智の頭が 胴体に連なることになるわけですが
 その威容が 個々にあらわされています。

 頭 HEADER(s) とはよく言ったもので 8個の頭、大蛇の勢いと 
 爆発排気の流れを重ねて 見て感じてます 

 
2023/11/24

M119 エンジンのたこ足  (36)  180°集合  左側 インコネル製 500E W124036


 ようやく 左右形になりました

 こちらが先にお見せした、右側 1234番です

fc2blog_20231109154318d6d.jpg

 手前側、フェンダー側に1-4番、内側、ブロック側に2-3番が エンジン爆発間隔が180°で集合します。


こちらは、完成した、左右前からの図です。

左が1234 右が5678 です。前も書きましたが、メーカーによって
気筒表示順番が違いますので注意が必要です。

何度にも書きましたが、M119エンジンは、1-5-4-8-6-3-7-2の点火順番のクロスプレーンクランク
気筒表示は、右側の前から1,2,3,4 次に左バンクの前から 5,6,7,8です

ベンツのM119、117ブロックは、左バンクと右バンク比べると 左バンクのほうが、右寄り後ろに来ます。
つまり、右バンク4番が一番バルクヘッドに近く、
     左バンク5番がラジエターに近い位置にきます。

fc2blog_20231109154207772.jpg

 w124036 500E は、直列エンジン(M102・M103 や M104)を乗せる前提 
 そのため、狭いフレーム幅であり、
 タコ足の左右の振り出し幅が狭いのが良くわかると思います。

 このうち、フランジはヘッドが張り出しているので、ヘッドカバーがかぶさって
 タコ足がさらに見えずらくなります。

 左バンク、R&P に変えて、インターメディエイトシャフトを内側によけるために、
 6-7番が 右側より  ブロック側に中に大きく入りこんでいるのが、こう見るとよくわかります。
 5-8番はインターメディエイトシャフトの外側を通ります。


fc2blog_20231109154308c83.jpg


5-8 集合 左側、 6-7集合 右側の間に ステアリングからのインターメディエイトシャフトが通ります。
左側はセルモーターがないので、ぎりぎりまでブロック側に追い込めます。
これによってシャフトが通るスペースを稼げることになります。 

エンジンマウント、R&Pのラックマウントのゴム、ラバーの硬さにもよりますが、
クランク軸の脇あたりの位置に、ステアリングシャフト、インターメディエイトシャフトが位置するので、
振れ幅はさほどないと見込んでいます。

対して、ヘッド側に近いほうや、床下にちかい集合部より下側は、クランク軸からの半径距離が増えるので、
その分大きく振れることになります。
リジッドマウント、モータープレートであれば、剛体固定でよいのですが、難しいところです。

fc2blog_2023110915421619e.jpg

出し惜しみするようですが、
こちらが、左側 5-6-7-8の完成図。 もうタコ足というより、何か別の生き物のような生命感を感じさせます


fc2blog_20231109154316b69.jpg

 この左側で色気がある、迫力のある部分は、
 7番の曲がり、 いったん前に行って、角度を45°斜めに下げて、
 180° 半円を描き、向きを後方に変え、
 そこから、さらに角度を30°下げて 6番との集合部につながる
ここの 部分だと思います



2023/11/11

M119 エンジンのたこ足 (35)  180°集合  右バンク解説2 裏勝りの美学

「裏勝り」

東国、北関東の生まれで、

生まれたころは、日本の独立、サンフランシスコ講和条約から 14年 
日本の復興を内外にアピールした東京オリンピックの翌年で

高度成長期で、いざなぎ景気のはじまり、
所得倍増で、国産の家電製品を皆が買い求め
GDP(GNP)も戦前を超えたものの、まだ2位にはいたらなかったころ、

自動車でいうと、モータリゼーションの初期、のさなか、
生家は、かろうじて主要産業の一角を担っていた 絹 を扱っていたからか、

芸事の関係からか、和装、着物着る機会が多かったです。いや、今でも慶弔時以外にも和服着てます。
そのため、羽織の内側である「羽裏」に凝りようになりました。

もっとも、着物だけじゃなくって、古くは、学生時代の変形学生服の裏地(笑)
刺繍いれてもらったり、和服の裏地使ってました

自分で稼いで、スーツしたてるようになってからは、
エルメスのスカーフ 海外出張時に 免税店で 2枚買って、裏地にしたてたりしてました。
結構、着道楽だったんです


過去形なのは、最近、スーツ仕立ててないんです。
そういえば、新コロナ以降 一着もつくってません。

私、体形が、胸が大きくウエストが細い、腕が長いので、既製服があわないのをいいわけにして、
なじみの洋服屋さんで毎年つくってましたが、
ここ数年、世の流れか、ストレッチ素材のものとかにしてから、裏地なし、いわゆるアン コンストラクト ジャケット
ばかりで そちらが主流で、オーソドックスな洋装、着る機会が、極端に減りました。

ではありますが、裏勝り、見えないところに 洒落るのが美学、粋だと思って いまでも 背伸びしてます

そう、 右バンク 装着すると絶対に見えない そんな 裏側からの図です

タコ足の裏側

fc2blog_202310111300118be.jpg

 前述のとおり、4気筒のブロック長があるものを等長にするには、1番は最短で、集合部まで、
 2番は ピストン径、ボアピッチ分、蛇行して、長さを稼ぐ必要があります。
 3番、4番も同じことになります。

 難しいのは、まっすぐ横に出して 真ん中で集合さえればいいのですが、
 ほとんどのFRの場合、エンジンルームの横にフロントタイヤ、フェンダーがある。

 市販車だと、後方排気が大前提で、
 ボンネット突き出しての情報排気や、前方排気、側方排気は ない、

 そうなると、排気を後方で集合させる必要がでるので、
 その集合位置をどうするか、
 自動車メインフレームの幅の制約や、補器、M119の場合、大型のオイルフィルターハウジングだったり、
 セルモーターが右側にあるので、厄介さが増します。

fc2blog_20231011130146b50.jpg

 w124 500E 一番の問題は、w124のフレーム幅は狭い、直列4気筒、6気筒用のものに
 90°V8を載せた、しかも、M119の原型、
 単カムOHCのM117に、無理にDOHCヘッド乗せた頭でっかちときてますから、横幅が非常に狭い。

 同じV8でもOHVのコンパクトなヘッド、タペットカバーと比べると、
 カムカバーの幅が 3倍くらいあります。
 
 しかも、インマニ位置を先に決めて、外側にエキゾースト持ってきているから、
 M119のヘッドはエキゾースト側が、ブロックにオーバーハングにせり出してします。

 この制約のもと、長さを斜め後下方の特定地点であわせるため、

 2番は、横に張り出して、すぐにUターン、そこで斜め後方に90°向きを変えて、集合部に向かう構造です。

 そこからは、3番の長さ稼ぎのためにゆるく蛇行しますが、スムーズに流れて3番と 2-1に集合する構造です。

 その3番は、ポートから出て90°曲がって下に向かい、長さを稼ぐために少し前方に向かい、2番の排気管を乗り越えて、
 オーバーラップしつつ、大きく斜め下方にカーブして
 集合部に近づき、そして再度、S字にゆるく蛇行、4回カーブして、先の2番と集合します。

 右バンク、裏側からしか見えない一番の見せ場。 このタコ足、180°集合ならではの一番美しい部分だと思います



fc2blog_20231012121002792.jpg

 前回解説した、最後方の4番は 
 3気筒分の長さを稼ぐため、ポートから出て、90°下方に向かい、前側にすすみ、
 大きくUターンして、折り返しで長さを稼ぎ、集合前で約45°カーブして、
 1-4の集合部へと、外側、フェンダー側に位置しています。

 φ48.6の2本を約30°で集合し、φ60.5になるトランジション
 すこしラッパ状に口が広がっている形状が良くわかります。

 セルモーター脇をエキゾーストパイプが通ることになるので、
 V8の定石、セルモーターや配線の断熱被覆は必要になります。

 ここ、鈍重なボールアンドナット方式では、無理、
 ラックアンドピニオン化することによって、はじめて実現した
 取り回しであることが お分かりいただけると思います。

 ご覧の通り、ここはスリップジョイントになります。
 上流側がオーバーラップになっているのが わかりますでしょうか? 
2023/11/01

わけ登る 麓の道は 多けれど 同じ高根の月をこそ見れ  M119 エンジンのたこ足 (34)  180°集合  右バンク解説

わけ登る 麓の道は 多けれど 同じ高根の月をこそ見れ


 w124 500E M119 用 180°集合ヘダー タコ足
 右側バンク、ほぼ基本線が固まりました。

fc2blog_20231011130017517.jpg

 どうぞ、ごらんください

 さて、 ながらく 武道、武術、兵法の稽古を何十年も  それこそ毎日 あきもせず続けておりますと、
 人生観 歴史観、時代の流れの他にも いろいろ気が付くこと、思いつくことがあります。

 そのほとんどは、先達がすでに気が付いていたこと、書物や 口伝に残されてるわけですが
 最近、どうも、自動車道楽や ほかのことにも つながるんじゃないか と最近想うわけです

 当流以外でも、良く詠まれる道歌 武道の極意を和歌にしたためたもの

 わけ登る 麓の道は多けれど 同じ高根の 月をこそ見れ 
 
 現代風に 意訳すると、

 世の中には、いろいろな兵法、武術があって、
 それぞれの道を上り詰めようと、日夜 努力をするわけだけれども、
 実は 登っている山、その先に見える月は 同じであり、
 そして 到達しようとするところ 真理は一つであらん

 これを、こちらのブログの表現でいうと、物理の神様との対話 真理の追究と なるわけです

 私の 宗教的価値観論になりますが、
 
 漢訳でいう 行深般若波羅蜜多時
 
 サンスクリット語の gaṃbhīrāyāṃ prajñāpāramitāyāṃ caryāṃ caramāṇo

 こんなことなのかと 遠く 眺めつつあります

 人類の転換点である 産業革命、
 
 そして、化石燃料を使ってエネルギーをとりだす
 内燃機関なるものが 発明されて、 

 帝国主義、植民地化がさらに進む、

 そして、その反動の民族主義と

 全世界を巻き込んで 世界資本主義化がすすむ一因になる
 
 そんななかで内燃機が
( 発明当初は、炭鉱動力や ちいさくても大型船舶用、まさか個人で内燃機所有するなんて思ってなかったと思います )
 
 奇しくも 馬車、 馬なし馬車、自動車なんてものに乗せられる、
 そして、人類の夢である空を飛ぶ、航空機なんてものができて、

 二度の世界大戦をはさんで、搭載される内燃機関関連技術が飛躍的に発展する 
 
 大戦後、自動車の大衆化、世界規模の産業化により、
 地球規模で 環境と燃費競争が激しくなり、今にいたります。

 近い将来、もう これらの叡智切磋琢磨の結果は、電動化や 内燃機の廃止により
 
 過去のもの すべて空 
 
 つくるひとも つかうひとも やがて死にますから 
 いずれは無に なるんでしょう

 そんな中、排気系でいえば、”仰ぎ見る月”は、究極的にいうと、「出力の向上」

 そのために、たとえば、NAに的を絞っていうと、
 いかに、排気バルブ付近のポート、排気管に、負圧をつくるか、負圧に近づけるか だと考えます。
 
(その意味では、真空、マイナス1気圧が限界で、何気圧でも理論上は過給できる 過給には及ばないことになります)

 これによって、高い圧力の排気ガスは、負圧、理論上は最大で マイナス1気圧分、より効果的に排出され、
 効果的に掃気が実現し、 より吸気も効率的に行われ、吸気充填効率もあがります。
 よって燃焼も安定し、爆発圧力も高まる というわけです

 そのための形状がこちらです。 
 形状は自然に従うといいますが、それに すこしは、一歩は 近づけたでしょうか


fc2blog_20231011130140be6.jpg


 右バンク 先に話しました通り、
 180度集合ですので、1-4 2-3で まとめます。 
 つくるにあたり、参考にした込宮さんの遺作は270度集合ですから1-3と2-4 で集合順番も違うので形状も異なります。

 両バンクで 4-2-1を2本つくりますので、
 1-4が外側、 反対側、左バンクにいく2-3が内側にいくレイアウトであるのが
 よくわかります

 写真でみると表側が1-4 裏側に 2-3があります。
 角度がついているので、2-1集合長が ややずれて見えますが、同じ長さでそろえています。
 ここの集合角度は30°です。

 ここの突合せは治具をつくって、エンジン全部の4か所が同じ  
 全部そろえて、製作、切断、溶接を均一化、容易にしてます



fc2blog_20231011130117deb.jpg

 この角度ですと、
 片バンク、右側2本(4本)の集合位置が同じであることが、よくわかります。

 30度集合のφ48.6の2-1 φ60.5 になるので、 エンド部分をすこし拡張してあるのが分かると思います。

 同じことを書きますが、1番と4番で ピストン 0.5+1+1+0.5 個と
 シリンダーボアピッチ3個 加わるながさの差があります。

 仮に ボアピッチ、シリンダー壁厚さを 0としても ピストン100mmだと300mm違います

 排気管の長さをそろえたいわけなので
 これをエンジンブロックの後ろ側、下方までの距離で 同じ長さにする必要がでてきます

 なので1番は、障害をさけつつ、任意の場所に 短い距離で斜めに向かい
 管の長さ、距離を稼ぐためにいったん上にいって 任意地点で集合します

 あわせる4番は この300㎜の差を縮めるために、 いったん前にいって、1番と近接した位置に行き、
 そこから大きUターン、蛇行して、距離を稼ぐためにいったん上にいって、任意地点で集合します
 
 おきづきのように、ショートプライマリーであれば、1と4の最短集合部であるところに近くなりますが、
 これですと、管長が稼げません、そのためにいったん上にいって、距離をかせぐわけです
 ロングプライマリーならではの造形美です


fc2blog_20231011130114557.jpg

 こちらは、前から眺めたもの
 前のブログで書いたように、ここにオイルフィルターハウジングが来るので
 1番は結構タイトです。純正のタコ足だと、そのまま横にでて 熊手のように集合する トラクター風の
 タコ足ですので、じゃまににはなりませんが、太い管径になると、ここがきつい、
 φ50とかになると、ブロック移設か ドライサンプ でしょう

 この角度でみると、1-4 2-3の長さがそろっているのが良くわかります。

  w124/500E の場合 フレーム幅がせまい、 あたまでっかちのDOHC 90°V8にくわえて
  W124独特のエンジンルーム形状、ストラットタワーとバルクヘッドが斜めにパーティションで
  わけられており、その真ん中にデカいシロッコファンが鎮座している形状です

  そのため、エンジンから横のパーティションまでの距離が狭く、左右方向への自由度が ほぼありません
  なので、その制限をクリアするべく、横方向の張り出し幅もそろっているものになっています。

  幅の狭い直列4気筒、6気筒のエンジンですと、後ろの気筒の張り出しを大きくできるのですが、
  それが、ボディ側 パッケージングの寸法的にできないため、そのぶん、下方向、ブロック側にむかって
  長さをあわせて、距離を稼いでいる形状です

 出安居 満月の夜を過ぎて、思うことしきりです





 

2023/10/29

M119 エンジンのたこ足 (33)  180°集合 !  できるかな? 一次集合 ほぼ決まるか?! 見栄と根性に やせ我慢

  無理が通れば道理が引っ込む

  見栄と根性に やせ我慢

  無謀に 思えた W124/ 500Eのたこ足、Long Primary Tube Headers,

 大倉さん@ファクトリーデザートイーグル の おかげ 多大な ご苦労もあり 
  時間かけて ようやく形になりつつあります

 おもえば、最初にお会いしたのはもう10年以上、 いや15年、20年以上も前だったと思います

 八重洲出版 藤本さんが やっていたウルトラマニアックな
 CARBOY チューニングパワーズの会場 たしか1999年くらいのことです

 もう四半世紀も前、25年越しの恋です

 こちらは2009年のTUNING POWERSの記事!

 当時、福島にあったデザートイーグル、 大倉さんの展示は また一味違ってました

 水圧バルジでのパイプ加工や、簡易金型をつかってのエルボー成形、13Bのターボエキマニなど
 それは素晴らしいもので、驚かされました。
 まだ、リーマンショック前、2011年 東北大震災の前のことです

 その後、大震災を挟んで、
 新潟に工場を移転し、実際に形どり用の500Eを運んでから 5年の月日が
 かかりました。その間、新型コロナに罹患されたり、大きな転換があったりでご苦労されていましたが、
 おなじく武道を志、人生修行とまでいわれる 持前の 押忍の精神で ここまで仕上げていただけました

 まだ、道半ば、完成前の途中では ありますが、あまりにうれしく、皆さんに共有させていただきます


fc2blog_2023100910251328d.jpg

 まずは、右バンク、

 当初は、故 込谷さんの遺作に習って V8クロスプレーンの 270度集合、つまり右バンクなら 1-3 2-4、
 で 製作を考えつつ、希望的に可能であれば、 180度集合、クロスバンク 
 つまり右バンク 1-4 2-3で 左バンクは5-8 6-7、左右バンクを跨いで
 1-4と6-7、5-8と2-3が 集合する理想的な方法にすることを模索していました。

 規格時、MOTEC後のヘアライン号のM119が約493馬力とかでしたから、それを上回る出力を目標にしてます。

 すなわち、これ以降の新エンジンにあわせるためのものですので、
 ソリッドタペットでプロフィール新設計のカムシャフト、あわせて高圧縮のNA仕様。
 そうなると、 フローは必要で、
 そのため排気管の太さは、現行のものより どうしても要求される口径が太くなります。


 既存のものより、フランジはビレット、軽量化、4バルブの出口は、
 整流を考えて、プレス製のモナカに、山型の3分割校正、
 形状管径は大きくなっています

 そして、クロスプレーンクランクの片バンク不等間隔爆発の難点をなくすために、
 左右バンクを跨いでつないで、180度集合としています。

 
 それがこちらです φ48.6 インコネル薄板製、
 Bundle of Snake バンドルオブスネーク 蛇の絡みつき にもたとえられる 迫力をご覧ください


fc2blog_20231009102628cfe.jpg

 そのために、こちらの写真のように、遠慮なくフレームから生える
 アイドラアームのステーをぶった切ってます。

 ラックアンドピニオン化のおかげで、これでエンジン脇、左右スペースが稼げました。 

 1-4は、エンジン長だけパイプ長さが 異なるので、
 1番は短く直線、集合部にむけて 最短距離で 斜めに、
 対して4番は大きく蛇行して距離を稼ぐ必要がある困難な箇所です。

 このレイアウト、きめるまでに、まえにアップしてます 干し柿、ポテトチップスが活躍します
 何度も、数えきれないほどの脱着を重ねて この形状です

 聞くに タコ足設計では、自由度が少ない場所から始めるのが 定石のようです。

 写真で見るように、
 この車は、まだATクーラーはラジエター純正、レベライザー配管もついているので、余計なパイプが残っています。

 1-4の集合部、パイプ突合せでテーパーになっている部分が見えますでしょうか?
 これによってスムーズな排気ガスの流れと、圧力波の伝播、反転が期待できます。

180°集合なので、
わかりやすく言うとフラットプレーンのV8エンジンと同じ、
4気筒エンジン2基を90°ずらして点火 クランク2回転で 8回爆発することになります。

なので、1-4,6-7の集合は、4気筒エンジンと同じ、4-2-1の TRIーYになります

吸入ー圧縮ー爆発ー排気の4行程(2回転 720°)ですから、
1番が爆発してるときに、4番は吸入、実際にはオーバーラップがあるから、
1番爆発の後半で排気バルブが開き、その排気ガスの慣性、吸出し効果と

排気ガスの圧力波(音速)の反転により、
4番のシリンダーの吸入、前述のとおり、排気と吸気のオーバーラップがあるので、開いた吸排気バルブ、
つまり燃焼室の排気バルブ前後、吸気バルブ前後における

排気管を流れる排気ガスの慣性による吸出し効果、集合する気筒に対する吸出し効果、
圧力反転波の負圧による吸出し効果が特定の回転域では期待できるというのが、集合管の基本原理です。

今回は、1次集合長は約750㎜(フランジ面外から)で合わせました。

計算のもとになる排気温度は、スロットルの開度、点火時期、燃料、ニトロ、ターボか によっても、
排気温度は大きく変わります。
アイドリングなら、それこそ150℃とか200℃以下ですが、全開時なら800℃超と幅があります

今回のタコ足の設計にあたっては、
ターゲット回転、温度を複数 組み合わせて考えました。

1次集合、2次集合、3次集合とありますので、それぞれに差をつけて、できるだけ多くの回転域で
集合管によるトルクアップ、燃焼安定ができるように 狙っています


fc2blog_20230926162209649.jpg

 ステアリングギアボックスのある左バンクと比べると、一見 楽に思えた、右バンクですが、
 大きなオイルフィルターハウジングが鎮座してるので、1番パイプとのクリアランスが、非常にタイトです。
 

 最悪、もうオイルブロックつくって、移設しようか、いっそのことドライサンプにしようかとまで考えてましたが
 とりあえず、

 紙フィルター交換の際に、ボルトを抜く、蓋を外す、フィルターいれるは、ok。
 ただし、そのまま蓋とボルト、ワッシャーごと
 上に抜ぬけるスペースがない、たこ足の1番が太くてあたるので、
 抑えのワッシャーが落ちないようなスプリング加工はボルトに必要になるかもしれません
 (2割くらい、オイルハウジングのキャップにかぶってるのが分かると思います)


fc2blog_202310091025352a0.jpg


 こちらが、さらに苦労の左バンク
 5-8集合の仮固定ができました。

 前回お話ししているように、”明日のためにその1”で、ベンツの鈍重なボールアンドナット方式のステアリングボックスを
 廃止して、ラックアンドピニオン式に変更します。

 これやらないと、φ60.5 2本は スペース上 とおりません。
 圧力波考えると、 プライマリーφ48.6ですので、ここで絞っちゃうとその あと下流すべて 
 有効利用が厳しくなるので ここは譲れません。 

 まずは、長さの差が約30cm以上あって困難な5-8の集合からつくります。ここは右バンクと同じ手法です
 エンジンのヘッドが90°V8 頭でっかちのDOHCで大きく、それでいてw124のフレーム幅が狭いので、
 必然的に、内側の6-7 は 中通し になります。

 先に紹介したステアリングシャフトの中側を6-7が、外側を5-8が通る構造です

 ここ、とくに左バンクは、エンジンの振れ、加減速時の前後や、エンジンのトルク反動で左右、前後に動きます

 w124 500Eは ベンツの液体封入マウントであるので、ここは、もっと硬度の高いマウントにするか
 エンジントルクダンパー、リジッドマウント、もしくはモータープレートとなるかもしれません

車種によりますが、ステアリングシャフトがタコ足にあたってハンドルが切れなくなるという例も聞くので
 ここは注意が必要です


fc2blog_202310091025104f0.jpg

 困難な左バンク、横から見た写真
 まだ6-7の配管する前なので、排気ポート集合部の形状が良くわかります

 ここも1次集合と同じく、スムーズに各ポートの排気ガスを流したい、圧力波の戻りを使いたいところなので
 大事な箇所です。

 難加工材 インコネルのモナカで 中央に仕切り版いれてまで
 整えたい
理由の一端が見えますでしょうか?

 百聞は一見に如かずですが

 5-8の長さを合わせるために、5番は最短距離で斜めに集合部に向かい
 8番は大きく蛇行、U_ターンして管長を稼ぎ、さらに微調整して、長さをあわせて、
 1次集合につながります

 次回はもう少し、右バンクタコ足についてお話しします