2015/04/15

可変排気マフラー(長さ、口径)の驚き!

イースター休暇中、
ヘアライン号、MOTEC装着のための部品製作、セッティング途中ではありましたが、
帰路の空港を羽田からセントレアに変更して、
えちごやで完成形となったという“排気管”を見に尾張名古屋まで行ってきました。

SJ小澤さんからすでに聞いてはいましたが、
可変バルブマフラー2

500E背圧可変バルブマフラー完成

を参照ください。

排気管(Exhaust Pipes)マフラー(消音器)という表現は適切でないレベルです。
造語になりますが、トルクコントロールパイプ(Engine Torque Control System),"VLPCV"です。

ガレージ えちごや 可変排気長・圧システム VLPCV パワーバルブ 完成

以前に、「タコ足、フロントパイプでトルクをコントロールできるから、今の仕様ではカムはいらない」
とミナグチさんが豪語していたことが、さらに2割パワーアップした仕様です。

「電子制御排気バルブの切り替えで、排気管長と排気管径(2種類)をコントロールできる」様になりました。




写真は、トルクコントロールパイプを装着したA氏の190E 2.5-16、出口です。
写真だけ見たのでは、なんかゴツゴツした不格好な円型マフラーが二つ並んでいるだけで
残念ながらその凄さはわかりません。

おそらくほとんどの500E、5リッターモデルより、0-400m、いや240km/h超を除く、
殆どの速度域で速いです。
間違いなく14秒切り、13秒台でしょう。

SJの2.5-16、EMSフルコンで制御しているものの2割増でトルクが出ています。
トルクコンバーターを使わない5速マニュアルですので、
トルクの増加が直接 伝わります。


日本中のどの4、6気筒モデルの190E(チューニングカー含む)より早いはずです。素の996より速いです。

音も、4気筒モデルながら、倍音が綺麗に出ています。サクラムの宇野さんもビックリのレベルです。
日本でこれだけ速く、かつフェラーリサウンドさせてる2.5-16はないでしょうね
いや世界でもないと思います。

嫌な言い方、あえて敵を作る言い方になりますが、
同じエンジンを使いながら、素のエボ2のエンジンでは、まったくお話にならないレベル、
比べるのが失礼なレベルです。

自然吸気のエンジンでは、トルクカーブは通常、M型、双こぶラクダ状態になるのですが、
クラッチを繋げた実用域から、トップエンドまで全域でトルクが出ています。

M字型の真ん中の部分がフラットなため、体感パワーは中間域で更に増し、
3割増し位に感じます。

どこが、変わったかというと、後で、図入りで説明しますが、
要は、アクセル開度/エンジン回転に合わせて、電子制御で排気バルブを切り替えています。
これにより、排気コントロールバルブ以降で排気管の流路が変わることにより、

①排気管長さの変化により、脈動

②排気管の径の変化により流速
をコントロールしています。

つまり、①の排気管長さを変えることよって、
圧力波の戻りにより、排気バルブ後にマイナスの”過給”(減給)をつくり、

②の径を変えることによって、
排気の出方を変えて、より短い時間で、スムーズに排気ができるようにしています。

今月号のモーターファンイラストレーテッドで、林元東海大学教授が、
可変排気はまだできていないといってましたけど、メーカーが制約でできなくても、
町場のチューニング屋がこれやってるんですから、驚くでしょうね

これ、高い航空券代払っても、見に行く価値あります。

詳しくは後で解説します。
2014/12/19

ガレージ えちごや 可変排気長・圧システム VLPCV パワーバルブ 完成

echigoya ex system

 ここ何ヶ月か、いや、何年か、
 ずーっと、試作、試験や修正作業してましたミナグチさん、渾身の力作といえる可変排気バルブシステム。
 バリアブル レングス & プレッシャー コントロール バルブ(VLPCV)。
 セマ前に、ようやく試作品が完成して、自分の実験車両、190Eに搭載しました。

 その後最近になって、V8モデルに搭載して、修正、再修正と再々修正、再々再々修正、さらにだめだし、
 実装試験がおわって、ようやく満足がいく結果となったため、
 常連のお客さんの車にまずは搭載することになりました。

 はたから見てて、危うく感じる位でした。
 もう、いいでしょう、やめましょうよ と思う位、
 
 掘り下げる執念です。
 コスト無視ってのは、こういうことをいいます。
 おそらく高騰したアルゴンガス代、電気代、溶接材料、曲げパイプ、ステンレス材料代だけで
 100万円は使ってます。

 陶芸家が、満足できない完成品割って捨てるがごときです。
 知る人ぞしる”得意のマフラー切断宅急便送付”(汗)の
 技がここでも発揮したことでしょう

 私の場合、もちろん、開発途中から、いろいろなお話しを聞いていましたが、
 リリースまでは内緒とのことで、こちらでは委細を紹介していませんでした。

 最近の欧州車に多く使用されている可変排気バルブシステムは、
 古くは、日本のシーマやブルーバードでも採用されていたものの進化版です。

 排気管の途中に、バタフライやシャッターを設け、流路を切り替えることにより、
 排気管の"長さ"と"流速"をコントロールすることにより、
 低速域では、管長を長くし、慣性と脈動をコントロールしつつ、
 排気管径を絞ることで流速を速め、結果、消音効果も高める。
 
 対して、高速域では、管長を短くして、慣性と脈動をコントロールしつつ、排気管径を広げることで流速を最適化し、
 排気 圧力を極力下げる。排気行程でのフリクションを低減させ、
 排気オーバーラップ時の吸気充填効率を上げる。
 脈動、慣性排気を活かす。

これの切替を回転数制御他で行うことで、低速、高速両方のトルク、馬力向上をもたらすものです。

まあ、身近にたとえれば、現行のポルシェやフェラーリ、アウディ、ランボ、ジャガー、アストンの排気音みたいに、
 下だと静かだけど、上まで廻すと爆美音になる排気管です

このように副次的に排気音が大きくなりますが、それが主目的のアフターマーケットの”横浜系爆音切替装置”や、
 Y型直管のアメ車用”カットオフバルブ”とは、産まれも育ちも違います。

  排気バルブ自体はTUV規格の電子制御の高性能版を利用しているのと、
 排気バルブの可変タイミングを回転コントロールで、電子制御としていることが特徴です。

 最近の欧州車で採用されている理由は、高速燃費の低減と、馬力向上です。
 欧州規制で高速走行中は、排気音制限が緩いから、この方法が普及したようです。
 要は、低速や停まっているときだと、エンジン排気音うるさく気になるけど、
 高速で移動中は、滞在時間が少ないから、音エネルギー自体は、少ないって理屈でしょうか

 たとえ悪いですが、旧車会が時速30キロの低速でブンブン蛇行して吹かしているのはウルサイけど、
 高速道路制限速度プラスαで走行するフェラーリ458 スペチアーレは、
 高速倍音で、クォーン って感じで、あっという間にいなくなる分には、気にならないという理屈でしょうか、

 近接騒音でなくて、後方への排気騒音だから、運転していると聞こえずらい、
 後続車両だと音が大きく聞こえるという仕組みです。

  私もお願いしていますが、いつになるかな?

 ちなみに、低速時は、大型消音機の中のクネクネ、隔壁で減衰、消音。
 こちらはφ50.8の出口、全長はW124ワゴン並みに長い艇中回転用。

 これが、中高速でバルブが切り替わって、ストレートに小型サイレンサーで抜くφ76.3です。

 前方の中間タイコも既存のえちごや製エキゾーストとくらべて、形状も異なり、
 かつ大幅に小さくなっているのがわかりますでしょうか?

 ここで消音しなくても、低速時は、後方のタイコだけで消音できるようになったためです。
 ですので、中高速時は、これまでのものより、大幅に大音量になります。

 倍音、三倍音は元々でていますが、それが更に強調された大音量、美爆音です。

 動画を後日アップしますのでお楽しみに!

 
2014/10/10

M119エンジンのタコ足(8) V8クロスプレーン180°集合の例 ドラッグスターのヘッダー



 写真は、今は閉鎖されてしまった仙台ハイランド、日本ドラッグレースウェイでのFEELKINDの
 ドラッグスターのヘッダー@D&SNIGHT2014FINALのときのもの

 しばらく間の空いてしまった排気系ですが、さぼっていたら、「次は無いの?」と
 指摘をいただきました(汗)。

深夜某所のミーティングは楽しい、仕事を無理に片づけて、日常の呪縛から離れて、
 悩みや憤り、不安ややるせなさを引きずる頭を切り替えて、

 車庫に行く、磨いた車のドアをあける、点検の再確認ののち、セルをひねる、エンジンをかける、
 短いクランキングで極めて普通にアイドリング。

 これで、気持ちは十代、
 同じように、不満や辛さ、やるせなさを解放するための、土曜の夜を恋焦がれて、
 胸をワクワクさせながら、夜の街に繰り出す不良少年の頃の十代 を
 リフレインさせてくれるほど楽しい。  のですが、

 集まる方たちは、相応の方々ですので、ときに誤りの指摘や、怠けていること、
 「あとで。。。。」といって手を付けてない多くのこと、また多々の誤りについて、叱咤激励、指導鞭撻
 をいただきます。

 その宿題、さて、ではV8クロスプレーンエンジンで、制約がなく、自由なレイアウトができる場合、
 最も効率的な 180°の4-2-1か4-1で集合させている例が多いように思います。
 (まったくの私の主観です。)

 理由は、両バンク跨げば、クロスプレーンであっても720°の間、4回、
 ”180-180-180-180”の等間隔爆発になるから、
 つまりは、270°集合の4-2-1の場合のと違って、理屈上、
 前後二回の有効な、排気脈動を得られるというところでしょうか

 ただ、その分、ながさ、回転、流速等のによっては、その脈動が悪く影響する場合もあり得ます。

 音については、マフラーなしの爆音ですが、アイドリング時のドロドロ音、90°排気干渉の音は
 クロスプレーン集合のそれとは違うように聞こえます。

 もっとも、オーバーラップの大きいカムが入っていますので、そのための不協和音のほうが強調され、
 どちらも近似のドラムビートにはなります。

 排気”音”だけについては、最近は、排気系の音響テクニックも、メーカーでも工夫、進歩していて、
 4気筒でも、倍音奏でる排気管、マフラーもありますし、
 そこは一概にはいえません。

 また、ゼロヨンマシンの場合だと、もう音というより、
 衝撃波、肌で感じるようなもので、普通の人聞いても、爆音の差はわからないと思います。

 つきつめると、
 カムのオーバーラップ、バルブタイミング、インマニの長さ、エキマニの長さ、集合部等の
 複数の代数の結果、つまり、トルクバンドをどこにもってくるか、トルクマスクエリアをどこまで増やすか
 ですから、180°でも270°でも、ピークパワーないし、トルクカーブが高く、下の面積が多い
 速い方がいい とうことになります。
 ギア比、トルコンのストール、タイヤ外径、ファイナル、アクセル開度によることになります。

 どれが決め手という解はないですので、複数選択枝をもつほうが良い、
 試して、乗り方によって決める ということになるんだと思います。

 なので、調整式の集合部の重要性が増すわけです

2014/09/01

サクラムの宇野さんのバイブルから学ぶ

 ここのところ、V8排気系、タコ足の話、180°集合だとか、ショートだとかロングの話題が続いていますので、
 では、どうやって、タコ足の最適長を求めるのかについて、お話します。

 前にお話ししたように、ターゲットの回転数時における排気速度、圧力波の速度を求める。
 そのために、排気温度と音速を入れていく勘弁な方法や、
 あとで紹介しますが、もう少し具体的に、
 バルブタイミング、つまり排気バルブが開いたときの角度や、
 エンジンストローク、バルブ径面積等も加える計算式もあります。

 何をもって、最適長とするかというと、
 排気バルブが開いたとき、開いている間、閉じかけの一定の時期に、
 慣性や脈動で、エキマニ、排気管の特定場所に、負圧の状況をつくることです。

 つまり、排気管、エキマニ側を排気の力、タイミングを合わせることによって、負圧、マイナスにする。
 まあ、逆のターボというか、吸出し効果を作り出して、たくさんの排気を排出しよう、
 吸排気オーバーラップのタイミングで掃気をして、吸気も取り込もうということです。

 これを物理的に測定するには、エキマニの出口に穴をあけて、排気圧力計をつけて、
 排気圧力を図る、オシロスコープに表示して、比べるということになります。

 オーバーラップの掃気、吸気効率から見るのであれば、別にインマニで見るのでもいいと思います。
 (ただし、インマニの脈動の影響も当然入ったものになります) 
 
 何かいいものはないかなと見つけていたら、
 ご存じサクラムの宇野さんが、真面目に実験をしていました。
 日付見ると、もう約10年も前ですね、こころなしか若く感じます。
 
 排気系の魔術師と呼ばれる宇野さんですが、
 専門家でも初歩に戻って勉強する、測定するという姿勢に頭が下がります。
 良いマフラーを作るには「ワンオフ=あてずっぽう」ではなく、こういう地道な作業が必要なんですね。
 以前にチューニングパワーズのフォーラムでお話ししたことがありますが、無駄に試作をしていくより、
 理論に基づいたほうが結果として早い、時間、コストの節約になる。
 再現性が高いといってました。エンジニアの真面目さを表す言葉です。
 

サクラムex_mani_tuning09

 ご覧のように、エキマニにスタッドたてて、圧力センサーつけています。
 排気温度で高温になるので冷却も工夫してますね。

サクラム 宇野さんのバイブル ブログ

 その宇野さんが参考にしているという本がこちら、私も同様な本、
 昔は図書館で借り、今では便利なものでamazonで購入してみています。洋書もすぐにとどくのがありがたいですね


サクラム エキマニチューニング



 その結果がこちらのグラフ、サイトに出ていますが、
”800mm独立排気管を装備、2000rpmで全開運転中のものです。1サイクルの間に慣性による圧力波が何度も往復し減衰” となっています。
 
 排気管を短くすれば、この山谷が増える、長くすれば減るということでしょう。

 4-2-1の排気管は、4-2のときと、2-1のとき、そして排気出口で、この山谷を独立排気管より、
多く、三回使える(独立排気管だと排気出口の1回)、
つまり、タイミングを二回おおく使えることになります。逆に考えれば、
タイミング、長さがあわないと、二回多く失敗することもあるわけです。 



”4-2配列のエキマニで5000rpmのときのものです”とある画像ですが、
 先の独立排気管と4-2-1の5000のグラフの差を見つけてください。
 4-2-1のほうが、谷の部分の面積が大きいですね

 これが、(中)高速運転時に良い出力を計測できる理由です、
 つまり、集合部の負圧で、強制的に排気を引き出せるわけですから、その分、排気行程にあるピストンは
 排気しながら引っ張られます。

 多気筒の集合の場合には、
 低回転、つまり、バルブが開いている時間が長いときから、他の気筒の力を集合部で借りられるので、
 特に効果的です。
 M119のV8、えちごやの4-2-1タコ足なら、180°のショートの集合部で一回、
 排気干渉をスカベンジャーで抑えて、フロントパイプに流して、
 フロントパイプの集合部で二回、この”谷”を使っているわけですね

 こう見ると、やはり、奥が深いですね
 
2014/08/15

M119エンジンのタコ足(7) AMG M117 270°集合の例 往年のAMG W126に学ぶ



 80年代後期のW126、560SELの存在感はバブル期の日本でも格別でした。

 ハイソカー、シーマ現象とかいう言葉もありましたが、
 2000CC、2800直6のエンジンでハイソカー、
 3000ccV6シーマでデカい顔をしている人がいた主流の時代に、その2倍、3倍の排気量、
 総アルミブロックでライナーレスのアルシル。ナトリウム封入バルブ。ボッシュポンプ直列でガソリンクーラー付き。
おまけに排気量も5600ccだったり、6000ccのM117。DOHCヘッドのM117だったりがいるわけですから、
 それは群を抜いていました。カーボーイ誌で380エンジンの分解カラー特集があった位です。

 オイルショック、排ガス以降のアメ車の凋落と、国産車の盛隆、みんなが豊かになってきたところで、
 本家のドイツのすごさ、ベンツが増えてきて、
 その中でも、ベンツの中のスペシャル ベンツ、
 悪っぽいイメージが強かったAMG、白色メーター、エアロパーツや同色グリルの影で
 ほとんど知られていませんが、良いタコ足も出していました。

 M117はM119と同じ点火順です、1-5-4-8-6-3-7-2 です。
 この順番ですので、右バンクは3-1.2-4(1-4,3-2?180° )、左が5-6,8-7ですから、270°集合です。

 片バンクまとめるには、この方法が排気干渉がなくなります。
 4-2-1ですから、トルクバンドも広いことでしょう。

 今、こんなタコ足つけて残ってる560SEL 何台あるんだろうな。。。。。。

 思えば、中古車買って、側だけ、AMGという、”二重の見栄っ張り”が盛んに持て囃された時代、
 中古車雑誌が何十万部も売れていたのはこのころでしたね。
 この何年後かに、株式をDC社に譲渡、
 そして、今や、日本で売れてるベンツの半分がAMGという時代です