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2017/07/18

Fuel Pump Up grade again(3) Holley Hydla mat installation for old Mercedes.

ハイドラマットの動画 貼り忘れたので、再度アップします。

これが紹介されたのって、2014年のPRIでしたでしょうかね?

微小な穴があいた高分子のマットが液体を吸い上げます。
気体は通さず、液体だけを吸い上げます。



この動画、最初に見たときは衝撃でしたね。

最初のクロウリングや、ナスカ―、ジムカーナでの車の挙動見て、中のガソリンの動きを想像してください。
凄いのは少しでも、マットが液体に触れていれば、液体を吸い上げてるところです。

これまでの常識では、タンク内、ガソリンの量が減った際の、空気吸い込みを防ぐ手段としては、

燃料を満タンにしてのる。少なくしない。

燃料の量を減らして、少しでも軽く走りたい車や、長距離レースでは、これが無理、

偏り防止のスポンジをいれる。偏り防止の蓋、フラップ等をつくる
コレクタータンクをつける というものがありました。

W124 500Eでいえば、純正のタンク内に、燃料の少なくなったときのための、プラスチック製の
渦巻き形状の リザーバーカップ ウォールがついているので、
Gがかかるコーナーや、ブレーキ、加速Gでガソリンの偏りが生じることがないようにできています。
20L位までは これでいいのですが、それより少なくなると、長いコーナー出口や、ブレーキング後の立ち上がりで、
ポンプの空うちが出てくることがあります



こちらは、マットの選び方、固定の仕方、センターホールからマットをたたんで入れる。
スポンジや、磁石、固定クリップで床に固定するといった方法や、
吸い口が2つ、3つのもの等 仕様によってわかれてるのが良くわかると思います。


対して、こちらがベンツのタンク、こちらはW2101 190Eですが 小さな丸いカップがついているのがわかると思います。
コンベンショナルな方法ですが、良くできています。

190e-fuel-tank-system.jpg

ただ、これだと前述のとおり、一定以下だと、空うちがでるので、外部にコレクタータンクを設置する必用がでてきます。
コレクターへのフィードポンプの2個+コレクタータンク内のポンプ2個で 合計4個 もしくは同 1個+1個で2個 が
最低でも必用になってきます。

このハイドラマットが普及すると、トランクルームにポンプ並べて、アルミパイプでライン見せるような
芸術的なアピールが 残念ながら 減ってくるのかもしれません。

音や ポンプの冷却のことを考えるとインタンクが主流になるのでしょうが、
ライナーパイプの美しさを楽しみにしているオールドスクールエイジには寂しさもあります。
2017/07/13

Fuel Pump Up grade again(2)  Good seed makes a good crop.




W124 500E LH世代のベンツのボッシュの燃料ポンプは、

旧式なフューェルディストリビューターでの同時噴射のKEからの流れですので、
通常の電磁ソレノイドインジェクターではオーバークオリティな位、とても手をかけてます。
タンクの下に燃料ポンプを直列で二基配置して、リターンには燃温上昇防止のためガソリンクーラーを設けてます。
(MEになってからはポンプ一機ですが、500Eでも後期の一部車両は、クオリティ、コストダウン故のシングルポンプです)

シングルポンプの車、ツインに変えてみればノーマルでも差がわかります(特にワイドオープン時のイニシャル時の”つき”)
純正ロムのワイドオープンスロットルの設定変更というのは、ここらへんもあったのかもしれませんね


20120416125236729_20170707145820aa0.jpg

ご覧のとおりツインで、400馬力位でしたら、直列ツインの純正ポンプでも対応できます。
(狭いスペースでツインポンプにしているので、バンジョーつかっており、燃圧の圧損が気になるところではあります)


それより上を狙う、大容量のインジェクター変える仕様だと吐出量不足です。
繰り返しになりますが、AMGの6リッターってのは、ここらへんの限界を知ってでしょう、
ギリギリのところまで、シャブリつくしてます。

これのステップアップをするなら、
往年のポルシェポンプ、ボッシュの044ポンプの換装と電源系の整備を行います。
それでも500馬力超を狙うには、役不足になってきます。

そこで、交換するポンプを探してみますと、
アメ車では、昨年のNHRAのプロストックでのインジェクション解禁後、ものすごいスピードでその周辺機器も
市販用も充実しており、主流は燃料ポンプの冷却が燃料でできて省スペースのインタンクポンプ。
市販車用でも数百リットル、1000リットル超が珍しくないです。
燃料配管も流量が増えるので圧損、抵抗下げるために6AN(3/8)でなく、
8AN(1/2)や10AN(5/8)、12AN(3/4)と、どんどん巨大になってきます。

ここらへんは、キャブレターやアルコール燃料のころからのノウハウ蓄積があるんでしょうね

そんな中、最近登場したのが、インタンクポンプと組み合わせる ハイドラマット



高分子素材のフィルター、紙おむつのゲルパッドみたいな微細な穴のついたマットで、燃料を面で吸います。
動画見ていただくとわかりますが、パッド全体で燃料を吸うので、
燃料ポンプの吸い口の高さや位置が制限されません。
使い方にもよりますが、燃料偏りの問題がなくなるので、
コレクタータンクが要らないことになります。

純正のタンクに使うために、
取出口と、ポンプを入れるホールをタンクにあけて使用することになります。

前に紹介したブラックラインの鈴木さんのところのインタンクフュールポンプブラケットはここがスタッドボルトで
二分割になっています。

fc2blog_20170706174033dd7.jpg


こちらは、ご覧のとおり、こんな固定装置、機構みてみるとわかりますが、締める方向にストッパーがかかるので、
タンク中にレンチを掛けなくてもしまります。

頭のいい人が世の中にはいるもんですね
2017/07/07

Fuel Pump Up grade again RETRO FIT IN TANK (1)  Good seed makes a good crop.


だいぶ前に、W124/ 500Eの ロムチューンのときにも お話しをしました。

真面目にチューニング、パワーアップをしていけば、
ガソリンを燃やして、動力を得る内燃機関の宿命、
自然に行き当たる入口、燃料系の話です。燃料ポンプの吐出量のところで

“山より大きい猪はいない” という話でした。

あれから 何年、ヘアライン号、フルコン、モーテック化で点火自由度やシーケンシャル制御で
噴射タイミング調整幅が増しました。

点火時期を100mmボアに合わせて、上死点前BTDCを決めて、
ノックセンサーでギリギリまで追い込む、爆発圧力がもっとも高くなる
位置に点火時期をセットする。

そうすると、エンジンが燃料を“呑む”ようになる。

吸気バルブの開閉に合わせて噴射タイミングも調整する。

そうこうして、ようやく約490馬力。
550ccインジェクター、ログで見ると最大負荷で
開弁率約75%@燃圧3bar 噴いてる計算です。

モーテックで、ポート噴射のインジェクターだと、
定石は、吸気バルブが閉じたときに、噴射が始まって、開くときには噴射を終えるように
タイミングをセットします。

これメーカーのベンチでも実験結果でも出てる、実走試験してもわかる経験値の公知事実ですが、
吸気バルブ開いているときに、燃料噴射すると燃焼が安定しません。
フィーリングも悪い、パワーも乗ってこないです。

つまり、吸気バルブ開いている時期、1/4を除くと、3/4≒75%しか、インジェクター開弁率を
活かせないことになります。

今、燃圧3barで合わせてますから、燃圧をベンツ風に3.8bar とか
もう少し上げれば、まだ、もうちょっとこのインジェクターでいけます(NAなんでターボより余裕あります)。


でも、そうなると、ガソリン供給元の燃料ポンプが追いついてきません。
今、ボッシュ044の200L/h@5bar 14A.13.8Vを使ってますが、
全噴射550cc x 8 x 60min = 264L/h をインジェクターが噴くことになるので、開弁率75%なら198L/h です。
安全マージン考えると 余裕がないのと ローラータイプのため、駆動音が煩い

熱ダレや 電圧変動もあるので、ポンプ吐出量のマージンを8割とみると 330L/H 必用
将来、もっと大きいインジェクターを使うとすると更に吐出量の大きいものが必用になります。

なので、えいやで、最近の450L/h のインタンクポンプを使うようにしました。 HOLLEY製 レトロフィットスタイルです。







937cc x8x60=450.2L/h  ポンプ容量マージンみても、750ccサイズのインジェクターまで使えます。
NAで875馬力強までカバーする吐出容量です。
もちろん、要求アンペアも大きいので、電源系の変更整備も必要です。
60psi/ 4.13bar 13.5v・16.9A です。サイズも044と比べると、小さいんですよね

ただし、このサイズのポンプ、常時全開だとリターン流量が増えすぎてしまうので、
エンジン負荷に応じて、ポンプ駆動を
モーテックでPWM制御コントロールするようにします。

最近の車では、燃料ポンプの音を気にしてか、このようにしてますね
音もタンクの中でガソリンにつかるため、燃料がダンパーになって静かです。
ポンプの発熱も燃料で冷却できる(燃温が低ければ)というメリットもあります。

2015/05/29

500E、M119のモーテックコントロール6 MOTECH CONTROL FOR W124036,500E,M119 Ⅵ


 写真は、ようやく形になった
 M119左バンクのDENSOインジェクター用のデリバリーパイプ、アルマイト済 Ver4 完成版

  
 
だいぶ、時間が空きましたので、進捗報告。
実は、相当に嵌っていました。 塩原さん 宮野さん お手数おかけしました。ごめんなさい。

備忘のため、ここに至るまでの過程、道程を記します。

あと、
DIYの整備オフ会で、週休二日(笑)を
活かして、お手軽修理&ヤフオク中古で
楽して、激安 ユーズド ベンツを楽しむのが好きな方のために (ウソ)

DIYの楽しさも、もちろんあるとは思いますが、
ここは、日本一流、いや世界一流のプロフェッショナルのレースカービルダーの
作業をご覧ください。

趣味は、その過程を楽しむものでありますが、
私の自動車道楽は、趣味というよりは、求道、自己研鑽に偏っていると思います。

過程も楽しんでいますが、
成長と進化を期待して、時間をかけ、労多く、叡知を尽くして、最善を目指すわけです。
そして結果を、もちろん求めます。

その仕上がり求めなければ、ここまで苦労しないと思いますが、
同じく、あえて困難な道を行こうとする人、独自にDIYを究めようという諸兄には、
多少の参考になると思います。

それでは、はじまり、はじまり、

 1.汎用アルミビレットのインジェクターのデリバリーパイプ追加工して、クリップ装着できるようにした。
  DENSO12穴インジェクターではインジェクターの高さと入口の大きさが違うので、
  ビレットで製作削りだしで計画。 ここまでは余裕! 過去記事参照ください。

  純正のステンレスパイプ配管に高さ調整のハイトアダプターだと、
  DIY整備オフ風(シツコイ)や、ショップ作業インストール風(笑)なのでヤダなという程度。

  あと、デリバリーの位置が高いと、汎用の後付っぽくなるので、できるだけ低くつけたい。
  TWM等の独立スロットル風の下駄仕様もいいんだけど、やはり、ここは低くつけたい。

  純正デリバリーパイプの容量(デリバリー口径で、流量が制限されるから)もあるし、
  燃圧レギュレータの容量、燃料配管の問題もあるので、一気に理想形に近づけようと意気揚々。

 ちなみにフュールライン、AN6(6/16)のサイズだと、アメリカのドラッグレースでは、一般的に上限375HP、
 AN8(8/16)で700HPです。

 Century Performance Center Web


 2.デリバリーパイプ固定のため、デリバリーホルダー8個を製作。高さもバッチリ。純正クリップで固定。ホルダーVer1
  500E、M119のモーテックコントロール4

 3.デリバリーホルダー、肉抜仕様で再製作。ホルダーver2 改良版カッコ良い!V8のローラーロッカーみたい
  500E、M119のモーテックコントロール5

 4.右デリバリーは45°のチューブのホースエンドでクリアランス、クリア

 ここまでは、ニコニコ

 5.左デリバリーは、ヘッドカバーとのクリアランスが狭く、45°チューブホースエンドだと当たる。
  

 焦る。

 6.左デリバリーの凸凸変換アダプター(M14/AN)高さを削る。 まだ当たる。
  もうこれ以上、削れない位、削っても、銅ワッシャやめて、Oリング固定にしても、まだあたる。

  11101300_811940658882026_1259654676_n.jpg

 すごく焦る。

 7.90°のフォージ、♂にして逃げる。→インマニの水温センサーに当たる。


  11149181_811940858882006_1820651805_n.jpg

 一休みしたくなる。

 8.変換アダプターで、チューブナット、曲げパイプで製作。それでも、まだ当たるし。なんかカッコ悪いのでヤメ
  

  11118197_811942065548552_888099126_n.jpg

 同じく....

 9. 45°フォージ♂の、AN先端をデリバリーチューブに直付で、高さクリアすべく、
   M14に合わせて切削。

 

 もとの加工前のホースエンド
 

 これも、色、ホースエンド黒で統一感、狙うから、ものすごく、入手に苦労していただいたようです。
 ビルダーの心意気を見せていただきました。重ねてありがとうございます。 

 10。ようやっとクリア。
 一番上の写真↑


 11.見る人が、見るとわかると思いますが、ホースエンドの♂差し込み部分の首下の距離と、
 デリバリーパイプのインジェクターのガソリン供給孔の距離、これ以上つめられません。
 ガソリン供給孔自体は、Oリングより小さいので、ホースエンドと被っていないですが、
 ミリ単位でぎりぎりクリアしている状況です。

 要は、M119エンジン、さすがベンツ一流のパッケージング。
 非常にコンパクトに作ってあって、ヘッドのインジェクターとカムカバーのクリアランスがギリギリ。
 
 そのため、純正の曲げステンレスパイプのデリバリーならクリアできるものが、
 後からデリバリーを製作してホースエンドをデリバリー先端に装着しようとすると、
 インジェクター装着穴とホースエンドの距離が詰められない。ということになります。

 DOOKIESでは、MOTEC装着時にデリバリー作ってましたが、背の高い60.5mmのEV3用でチューブではなく、
 FORGEの90°で左右を繋げていました。きっと、これでもギリギリだったのではないかと思います。

私の場合、
最新の背の低いEV14タイプを使いたかったのと、
先述の通り、燃料配管、FuelPressureRegの容量が純正では、もう上限なので、
デュアル配管で大容量の独立タイプのレギュレターを装着する必要があったこと。

また、ポンプ流量も550ccインジェクター8本では、さすがに足りなくなるので、
ポンプと燃料配管の見直しを迫られて、
燃料系ラインの一新が必要だったことがあります。

また、どうせならということで、V8ドラッグレースでは定番の
左右バンクのデリバリーにそれぞれ燃料を供給して、反対側で集合させたところに
レギュレターを置き、一本で燃料をタンクに戻す
という定石をとりたかったためです。

左右90°で真ん中T字でも良かったのですが、見た目の美しさと、左右バンクからの脈動を考えて
左右45°でYブロックで集合、1本を純正の点火コイル位置跡に置いたレギュレターにもってきて、
ストラット前のガソリンクーラーに戻す、燃料パイプ戻りつながる としたかったからです。

今更ながらですが、純正のパッケージングと、400馬力+α程度の上限では、
良く考えていると思いました。これみると6リッターの馬力は、燃料ポンプも、配管も、レギュレターも、
インジェクターも、すべて実質上限です。

 ギリギリ、良くできている分、これ以上を目指してとなると、
 インジェクターだけでなく、燃圧レギュレターや、燃料配管やポンプ、フィルター、そして
 タンクに戻った後の燃料温度までトータルで見る必要があります。

 そんなわけで、手紙でやり取りをするチェス、詰将棋の様相ですが、頑張ってすすめています。

 なので、二台目以降、エスコートでフルコンにする人は、
 この成果、苦労やノウハウを最初から生かせるので、とても、お得だと思います。
 
2015/04/24

SARD 12H インジェクター ASNU テスト結果







久しぶりのASNUネタ

自慢じゃないですが、前述のとおり、日本で最もASNU機械の販売を協力している人の
一人だと思います。
Tuningpowersで説明いただいて以降、ベンツ関係だけでも数台営業しています!


また、自分でも、今まで、何本のインジェクターに
ASNUで測定、洗浄、OHをしたかわからない位の数量をしています。

さて、そんなわけで、
メルセデスでは初めて、SARD/DENSOのインジェクターを使用するので、念のために測定、計測してみることにしました。
新品のインジェクターは、固着防止油なのか、錆止めなのか、何かコーティングしてあったりするので、洗浄、クリーニングのためにもASNUかけたほうがいいです。


それで、SARD・DENSOのインジェクター、
ご覧のような、スプレーパターン。
3,5barの10秒間のフル噴射で100cc。8本すべて正常。全域で良い霧化です。600cc/minです。

燃圧補正すると、定格 3barで550ccですから、3.5barだと √(3.5/3.0)=1.08 で 550x1.08=594/min です。

 


吐出量も8本すべて1%以内にそろっています。誤差ほぼゼロ、
良い精度です。これポルシェ純正並みのスタンダードです。

ちなみに、これまでの私の経験で、ベンツの純正ボッシュ、
EV1インジェクターは、3%以内にそろっていました。
ベンツ純正で約倍。ポルシェ純正のボッシュ製だとおなじ吐出量、同じ外観で
ボッシュOEMの3倍位するのもありました。

で、何が違うかというと、精度でした。
おそらく、テストして良いものだけを選んでたのかと思いました。

これ、他方で、この当時の他車種向けの他メーカーのものだと5%~8%以上差があるものもありました。

ポルシェのすごいところは、同じ吐出量のEV1モデルでもこれが1%以内にそろっていたことです。
値段も高いのですが、これは精度調整分だと思ったことがあります。

工作精度が上がったのか、加工ノウハウが蓄積したのか、
省燃費、環境規制で要求があがったのか、
特にボッシュのEV14以降や、デンソー12Hのマルチホール以降、
インジェクターの精度が格段に上がったようです。

これ、こうやって実測してみると良くわかります。

やるなあ、デンソー&SARD!