2017/10/29

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (20) ハイストールコンバーター 3000 722.6 NAG1. Evolution Project (20) High-Stall Converter 3000 722.6 triple clutch

 
 オイルパン製作とトランスブレーキ装着にあわせて、
 別の722.6 トランスミッションをフルバージョンで製作して、さらなるアップグレードの準備を進めています。

 メルセデス内製の722.3、ポルシェ928とベンツ位でしかつかってなかったものと比べると、
 クライスラー米国生産モデルがあることから、アフターマーケットパーツが非常に豊富でノウハウも
 沢山あるのがありがたいです。

 そんな722.6、W124 500E M119エンジン用に
 ハイストールコンバーターを米国に特注したものが届きました。



 オーダーしたスペックは、エンジンのスペックと車重、ギア比、タイヤ径にあわせて、
 トランスブレーキのホールドにあわせて、
 ストール3000回転+α 超です
 ロックアップクラッチも現在のツインプレートから、トリプルプレートにしました。

 コンバーターのセットは難しく、レース用であれば割り切れる部分も多いのですが
 (それでも何度もセットすることになるんだけど)、
 ナンバー付の高速道路移動、ストリート兼用であると、
 ストール前の回転、3000回転以下で、ずーっと高速道路巡航するとなると、発熱を考慮する必要もあり
 実績のある3000で試すことにしました。

 あまり日本語で書かれてる参考資料がないので記載しますと、

 レース用でもストリート用であっても、
 コンバーターのストール回転を選ぶにあたっては、

 車重やファイナルギア比、リアタイヤの直径、エンジントルクカーブ、
 カムやバルタイ、排気管の長さ、口径、インマニの形状やスロットル
 ニトロのタイミング他

 を総合して選ぶことになります。
 
 ロックアップのあるなし、どのギアで、どこでロックアップするかのセッティングや
 大事な水温、ATF温度等を総合的に考えることになります
 (722.6は 2-5速がロックアップです)

 先方のコンバーターのエキスパートの方から東部なまりの早口で話を聞くには、
 1000馬力 100NTm 程度だったら コンバーターのロックアップクラッチは
 ツインで平気だよ

 フライホイールとクラッチカバーのマニュアルクラッチと違って、
 前側のポンプインペラーのオイル駆動によって動く、
 駆動後のタービンランナー と ステーターーの固定でしか固定しないし、

 その前にさきにインプットシャフトや 4個の遊星ギアがいかれるよ 
 2t超のジープのSRTでも大丈夫だよ とも いわれましたが、トリプルで行ってみます。
 
 数が多ければよかろうというのは、私の育ちの悪さ由来の悪癖なのは判っていますが、
 ハイストールなため、高回転、トルクバンド域でクラッチ接続して、
 あわよくばニトロも吹こうかとするわけですから、余裕もたせました。

 重量は15.8キロ、直径は約295mmです。約11.5インチ

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 小さいほうがハイストールっぽいのですが、実際は、内部のステーターや
 タービンランナー ポンプインペラーの直径だけではなく、羽の形状や枚数によってかわるので一概にはいえません

 トップフュール用のコンバーターなんかですと、ハイストールでも径が11インチ超とかあります

 722.3のときは、同じ米国のJMO製のストール3000を使用していました。(こっちはもっと小さかった)

 重い500EとAMGのカムとのマッチングも良く、ハイストールのデメリットはドラッグレース、ストリート走行、日常走行を含めて、
 感じられませんでした(発熱量以外は)。

 ファイナルが2.65のときは、高速巡航がオービス手前位ださないと、ストール回転に達しないので、
 直結にするためには、常時追い越し車線でしたが、
 3.64の場合には、100キロ巡航でもストール回転超えてるという具合でした。

 みなさん、ハイストールというと、レース用、乗りにくいと考えてる人もいるようですが、
 そんなことは私がつかっていた組み合わせでは、ありませんでした。
 ベンツに限らず、一般的なトルクコンバーターは、ストール回転を1500回転とか、1800回転(722.3はこれ)で、
 コンバーター内部のタービン(ポンプインペラーとタービンランナー)が1:1になり、
 ステーターによるトルクの倍力がなくなります。

 なんで、トルクコンバーターでトルクが増えるかというと、
ユタカ技研動画 
 のアニメ動画をご覧いただくとよくわかるとも思います。

 コンバーター内部で、前側のタービン、ポンプインペラーがエンジン回転に応じて、回転して、
 その向いにある後ろ側のタービン タービンランナーがATFを流体とした流体継手で動くのですが、
 一定の回転以下だと、ステーターに戻ったATFオイルが還流するようにしてあるため、
 もどったATFのもつ流体エネルギー分、タービンを動かす力が増えて、結果として、
 エンジン回転トルク+戻りATFのトルクとなって、一定回転以下(たとえば3000回転)での
 駆動トルクが増加します。

 ストール回転が高ければ、その分、低回転での流体継ぎ手のトルク増加効果があるので、
 ハイカムいれたり、太い排気管つけても、
 低回転トルク抜けを補えられるので、乗りやすくなります。ギクシャクもしません。

 車重やエンジン特性、可変バルタイや、ギア比、タイヤ径、
 トルクカーブ、タービンの立ち上がりや、ニトロの有り無しにもよりますが、
 ストリート兼用の場合だと
 最大トルク発生回転前後、少し下回る位のストール回転にするのがセッティング例が多いようです。

 つまり、最大トルクが3750回転なら、3000とか 3300回転がコンバータのストール回転数、
 これが最大トルク5000回転なら、4000とか4500回転のストールになります。

  コンバーターのトルク増大効果により、駆動トルクは、たしかに増えるのですが、
 その分、熱損失が増えるため、大きなラジエターや、ATFクーラーが必用になります。
(詳しくは、ヘアライン号が1800回転のストールから、3000回転ストールに変えてからの、苦労の熱対策の道程をご覧ください。)

 ちなみに、722.6は、コンバーターの中にロックアップクラッチがついているので、
 コンバーターの直結後、ロックアップクラッチで直結になれば、、熱損失が減ります。
 なので、燃費、熱効率、クーリングの面では、722.3の機械式のオートマよりは、優秀です。
 (でも、クラッチの分、コンバーターの重さが重い(笑))

 純正ECUの燃料マップ見ても、ロックアップクラッチが直結になると、どうも、燃料補正をいれているようです。
 仮に、エンジントルクが、ロックアップ前と後で同じだったすると、
 ロックアップ後には、後輪の駆動力が落ちるわけで、同じ駆動力を出そうとするとアクセル開度が増える、
 アクセル開度が同じで、パワーだそうとすると、点火時期をあげるて最大爆発圧力にちかずけるか、
 空燃比をλ1から濃い側に振るようになるんだと思います。
 
 つまり、それだけ要求燃料が増える、ガソリンを呑むようになるわけで、だから補正するのかと思ってます。

 最近の電スロ制御だと、ここらへんも、スロットル開度で調整したりするので、
 昔のアナクロとくらべると、さらにややこしい話です。

 燃費規制で多段化がすすんでいますが、実際に運転する楽しさからは遠ざかっていると残念に思っています。
 20世紀の遺物的な自社開発の5速オートマと、ハイストールコンバーター、
 21世紀にもなって、パワー空燃比12:1とかいっている秋の夜長であります。

 おそらく、何回かコンバーター(ストール回転)を変えることになると思うので、つける前の予想と、備忘のために
 書いておきます
 

2017/10/23

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (19) トランスブレーキ到着 722.6 NAG1. Evolution Project (19) Transbrake delivered


米国から、トランスブレーキ キットが届きました。


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 左側が加工済みのバルブボディ、
 初期モデルだとトラブルの多かったコンダクタープレートとソレノイドも新品
 バルブボディも新品をベースに加工しています。
 ソレノイドはAMGマクラーレン用のブルートップソレノイドにしようかと思いましたが
 組み合わせの相性ということで、通常のブラックトップのものにしました。

 722.6の頻出トラブルとして、3-4速のシフト時に、ジャダーがでる、すべるというものがあります。
 電子制御のため油温でソレノイドコントロール時間をコントロールできるので、
 セッティングの調整できるという方ももちろんいますが、
 基本はこの経路の流量不足という考えもあり、その対策として、
 このバルブボディにはトランスブレーキ以外に流路加工をしてあります。

 722.6のバルブボディを見慣れた人はわかるかもしれませんが、
 左上の丸孔の径を拡大してあります。

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 バルブボディの反対側、裏側は前にもご紹介のとおり、
 流路を加工して、ブロックを追加し、ソレノイドで、1速とRに同時に油圧がかかるようになっています。


 クラッチブレーキの動作でいうと

 R(Sモード) だと、
 B1、K3が作動で とF1がホールド 後退ギア比が3.16

 D1が
 B1 K3 B2が作動で、F1 F2ともにホールド 前進一速 3.59

 だから、
 トランスブレーキ作動時は、追加でB2を差動させて、F2も同時にホールドということだと思います。

 それで、スタート時に、3000回転まで上げて、前進と後退に同時に力が加わったものを、
 B2クラッチと、F2SPRUG を解除して、1速だけに駆動が瞬時にかかるようにして、
 それと同時に、前輪のラインロックも解除されるので、マニュアルミッションでいう、
 高回転でのクラッチミートが可能になるわけです。

 右下の丸い穴のところにATFフィルターが装着されます

 先に紹介したアルミ円筒形のアダプターはこの部分に入って、ブロックとフィルターがあたらないようにし、
 フィルターの吸い口がATFパンの底に近づくように調整します



 R1速の切り替えソレノイドブロックコネクターから、駆動用の配線を引っ張って、
 ATFカバーの横に導き、1/8の孔をあけて、ガイドを固定する方法です。

 ここの孔、配線を通した後、エポキシ樹脂なりで金属製のガイド内部を埋めて
 使うのですが、きちんと作業しないとATF漏れの原因になりそうです。

2017/10/18

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (18) ATFパン B&M 722.6 NAG1. Evolution Project (18) Finned ATF pan again!

722.6のアルミフィン付ATFパンを作成するので、参考にアメリカからB&MのDeep Pan 買ってみました




 肉厚も分厚く、ごついです。重量もあります。

722.6の現物初めて見ましたが、 まるでアメリカン テキサスのリブアイ ステーキのような ワイルド感があります。

 前に借り物画像、写真アップしたときも思ったのですが、このATFパン、あるべきところ、
 オートマケースハウジングとカバーを固定するところに、6個のボルト穴がありません。

 ???

 種明かしは、これでした。

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 L型のアルミクリップを利用して、ボルト穴に固定してピンチで挟み込むタイプです。
 なんでこんなことしてるのか?
 リークが多いガスケット”黒うどん”対策なのか? 加工治具作らなくて良いようになのか?
 正直、わかりません。

 円筒型の背の高いアルミ製のカラーと0リングは、DEEPパンにした場合、
 油糧は増えるのですが、バルブボディの位置関係、底面とフィルターの吸い口の高さが
 変わってしまうので、それをギリギリまで下げるためのものです。

 私の場合、トランスブレーキをつける前提であり、そのブレーキユニット分、フィルターが下にさがるので、
 アダプターは必要ありません。
 正確にいうと、トランスブレーキつけるにはDEEPパンでないと付きません。

 なので、今回制作するATFパンは油量が増えるDEEPパン形状にすることにします。
 油量が増えることにより、油温上昇の速度とあわせて劣化も抑えられるというメリットがあります。

 トランスブレーキつけない人は、アルミのカラーをつけて使用することになります。

 というか、722.6のせたベンツ (に限らないけど) に トランスブレーキつけたい人は
 70億人の世界人口の中で、果たして、何人いるのか?

 ジープやヘミクライスラーにつけるんだったら、むしろアメリカンステーキ風なB&M製のほうが雰囲気あうと思います。
 
 でも、ベンツには 特にアルフィンパンつけてるベンツには 懐石料理というか ヌーベルキュジーン風の
 ATFパンのほうがあうと思います(ていうか、合うように造ってるんであたりまえだけど)(笑)
 
 
 

2017/10/02

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (17) ATFパン 再び 722.6 NAG1. Evolution Project (17) Finned ATF pan again!

ATF パン 

トランスブレーキが仕上がってきて、バルブボディの高さが決まったので、
まずはDEEP版で製作します。

722.6のオートマハウジング、下の722.3の時と比べると、
電子制御のため、オートマ本体もシンプルです。本体には機械式と異なって
蟻の巣のようオイル流路は大幅に少なく、大きな穴が中央部に3つと、それを挟んで前後に
遠慮がちに流路が開いています。

EPC比べて、見たわけじゃないですが、これ比べると722.6の方が、値段安いと思いますよね、
圧力鋳造は同じでも、機械加工手間は相当少なくなってると思います。



 
これをもとに、前回同様、Oリングで粘度の低いATFが漏れないように対応します。
アクリル板切り出して、面圧試験します。


もう5年も前に、722.3でやってたのと同じことです

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 写真は722.3のATFパンスタディ(4)

ATFパンスタディ(21)
 こちら、722.3用ATFパン が出来上がったときの記事ですが、 もう4年も前ですね(笑)


2017/08/29

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (16) 722.6 NAG1. Evolution Project (16) How to install

マイナーな加工部分 次はトランスミッションマウントです

加工したトランスミッションマウントです。

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下の図は、722.3(左)と 722.6(右)を並べたところ

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 それぞれに装着されるトランスミッションマウントは
 これが 722.3用 下側が平フラットで形状もカマボコ型です
 マウントの真ん中に長いボルトが入るタイプです。

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 それでこちらは722.6用 下側が出っ張っていて、キノコ形状でアルミ地です。
 トランスミッション単体の重量は丈夫になったためと、ギアが1速増えたので、結構、重くなってますから、
 その分、マウントも丈夫に作ったようなことが見て取れます。
 こちらは、マウントに横棒が入っていて、ボルト2本でオートマを固定するタイプです。

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722.6には下のマウントを使うのですが、下側が出っ張っているので、そのままではつきません。
ミッションマウントプレートを製作している例もあるようですが、私の場合は、
マウント自体をフライスで削って、純正のマウントが装着できるように加工しました。

flexdisc_new1.jpg

こちら、純正のアルミニウム製のトランスマウントメンバーの画像です。
 W124 500Eでは、トンネル部を連結させるアルミ鋳物製のメンバーになっています。
 後継モデルの鉄板のプレス製と比べると、お金かかってる創りです。
 

実際に作業をして、後追いでこのブログを書いていて、今、思ったのですが、
マウント部分、722.3と722.6を共通して使用しているシャーシ、
たとえば、129だとか140だとどうだったのかと思っています。

EPC見てあとで調べてみます。

それで、マウント位置をいじると、エンジンからデフの角度が、変わってきます。
トラクションや振動、大馬力時の安全性にも影響する重要な部分なので、エンジンマウントの高さ、プロペラシャフトの角度と
あわせて調整する必要が出てきます。