2017/06/06

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト WPC (12) 722.6 NAG1. Evolution Project  WPC (12)

 先月えちごや いったときに、722.6やっていましたので、写真とってきました。



 えちごや 400E 722.6化を すすめるにあたって、まずは自分の車で試すそうで、
 先にオートマを分解洗浄点検、クラッチ、ブレーキ他に
 その後、研磨、WPCをあてたものです。

 メインのオイルポンプ他を、バレル研磨で面粗度を調整したのちに、
 WPC処理しています。

 722.6ばらした人は経験済だと思いますが、量産過程での合理化で、
 各部にバリが目立ちます。分解したばかりだと手を切る位のエッジがありますが、
 それもエッジを落として、その後、研磨、WPCです。



 こちらは、スプリングシム、メインシャフト、ディスクもWPC処理してあります。

 722.3と違って、580Aモデルは、枚数自体が多いので、
 フリクションロス減らすために、必用以上のディスク枚数はいれない、すべるようだったら、
 そのときとき、また、ばらして増やす、ディスクの様子みて考える、ということだそうで、
 なんでも強化すればいいやという、私なんかと比べると、非常に合理的、ローフリクション化の極みです。

 その分、各部のクリアランスを詰めて、ポルシェ996ターボ以上の、シフトフィールを求めるようです。

 あちこちで、競争が始まるのは良いことです。

 私もうかうかしてられません。
2017/03/14

メルセデス オートマティックトランスミッション 変遷

 写真はメルセデスベンツ社のトランスミッションの変遷 722.0/1から722.6まで (たぶん)

722変遷

6機がならんでいます。

一番手前は、今 ヘアライン号が載せている 722.6 NAG1 5速電子制御 シリーズのスモールNAG
(M119搭載の500Eに搭載する ビッグNAGではないです、一回り小さいスモールNAGです)

次が   722.5 5速、722.4の5速版
( W124の300E-24V とか M104のモトロニックのSLやW140、W210やC36の最初期モデルにのってたやつ)
その奥が722.4 722.3の4速 6,4気筒

722.1 分割式のベルハウジング たしかM116とかの初期モデル

一番奥が722.0 たしか 縦目の108とか でしょうか

私の場合、ベンツのオートマのモデル理解が乏しいのと、
知識経験に偏りがあるので、自分がやったことのあることしかわかりません。

でも、門外漢なりに拝見しますと、
ベンツ社のオートマチックトランスミッションへの拘りは、他のドイツメーカー、ポルシェやBMWはベンツや他社の
オートマを購入してエンジンと組み合わせたり(928は722.3でしたし、996やカイエンは722.6ですね)
ボルグワーナー社のオートマをそのまま流用しているのと比べると
相当投資をしてふるくから自社開発してます。

さすがというか、昔から、内燃機の動力を伝える変速機の重要性をわかっていたんでしょう。

自動車メーカーも淘汰、合併が続いて、前にも書きましたが、
クライスラーと一時は一緒でしたので、その流れで、米国車、クライスラーやダッジでも722.6を搭載した
モデルが多いわけです。

弄る人、競争する人が多ければ、進歩は進むわけで、
自社開発でない分、ブランド価値が高い分、コストをかけられるポルシェ社の手法や、
マイバッハやSLRの部品、アメリカのドラッグレースのノウハウや部品を、うまく組み合わせて、
享受できるというメリットが出てくるわけです

ベンツのドライブトレインのエリート開発者も、まさか20年後に極東の日本で
社外コンピューターつけて、W124 500E M119エンジンに
のせるなんてことは予想もしてなかったでしょうね(笑)


2017/03/11

500E 722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (3) 改良された純正部品流用 W124 500E 722.6 NAG1. Evolution Project (3) 


 書きながら思ったのですが、722.6の登場、W140の95年ですから、もう20年以上も前のことなんですね
500Eが新車で売ってた時にはなくて、W140129や210のM119、M120のモトロニックモデルに搭載された。

 フル電子制御ですからDASを繋げば、油温も車速も、回転も、ギア位置もモニターできるし、
 コンバーターにロックアップのクラッチがついてるわで、相当衝撃的だったと同時に、
 手がだしづらいイメージがありましたが、時間がたてば、慣れるもので、今はこんなことやっています。

 そんな憧れ、夢(笑)の722.6 ミッション 初期の頻発トラブルとして 記憶にある諸兄も多いでしょうが
 ソレノイドをコントロールする電子制御回路基板、コンダクタープレート、スピードセンサー等の不良と
 コネクター、コネクターシールリングの不良によって、ATFが漏れる、毛細管現象で配線ケーブルを伝わって、
 コントロールユニットボックスの中までオイル漏れになるというものがありました。



 こちらが、そのコネクター 

ATカプラースペーサー

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こちらが、
コンダクタープレート

140-270-1161.jpg

 OEM部品もありますね


 ですので、722.6を乗せようという方、M119のハウジングが付いているモデルを使う方は、
 ハイパフォーマンスを求めた、チューニングとまでは行かなくても、
 このコネクター、シールリングとコンダクタープレート、
ATFフィルター
は換えてから搭載されることを
おすすめします。

 もう少し、何かしたいという 人は、AMGマクラーレン 等のモデルで採用されたブルートップ、ソレノイド
 を装着してます。

BLUE TOP

 このソレノイドは、6個あるソレノイドのうちの、
 モジュレーティングプレッシャー、シフトプレッシャー制御をおこなうもので、
 動作速度、無効反射時間、口径、流量等が通常のものより早い、量も多いと聞きますが、
 私も乗ったことはありますが、新旧を比べててないのでわかりません。

 ただし、チャレンジャーや、ダッチジャージャー、ポルシェのチューニングでも、ふつうに使われてる部品なので、
 きっと、良いんじゃないかと思います(笑)。

 オイルフィルター交換と同時に、セットでお求めはspeedJAPANでどうぞ



2017/03/03

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (4)  TRANS BRAKE  722.6 NAG1. Evolution Project (4)

旧いベンツ 500Eに 722.6乗せたい人なんて、
日本には、ほとんどいないと思いますし、
その5速オートマをチューニングしようなんて人は、さらに少ないと確信してます。

そうではありますが、
小集団、異端の中で考えつめていくということは、またその中で、切磋琢磨があるので
少しは意味のあるものだと思いつづけます。

さらに、どんどんマニアックになっていきます。
ダッチチャレンジャーやチャージャーの722.6なら、まだしも、
ベンツに関して言えば、絶対、需要のないトランスブレーキ。

PARAMOUNT NAG1

こちらは、MOPER等のチューンで有名な
パラマウント社トランスブレーキ搭載のスーパープロシリーズトランスミッション
トランスブレーキ、そもそも、どういうものか、説明が必用なレベルの部品です。
日本では 9RECORD AJITOの長谷川さんのところで扱ってるようです。

ドラッグレースのスタート時に、
エンジン回転を上げてトルクが出てくると、
フットブレーキ、ラインロックだけでは、車体を停止させておけなくなります。

そのため、オートマティックトランスミッションの内部、
バルブボディの流路を加工し、電磁ソレノイドで制御して、
1速ギアに接続して、駆動をアウトプットシャフトに伝達しつつ、
リバースギアにも接続して、両方向から正逆の駆動をかけておく、
それを電磁スイッチで解除することによって、
ロケットスタートを可能にする
というもの、ドラッグ“レース専用部品“です。



要は、マニュアルクラッチミッションで、
回転を上げて、ドンとクラッチを繋ぐのと同じようなことができるので、
最大トルク付近のトルクをスタートから使えるようになるというものです。

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写真のビレットのアルミブロックは、バルブボディに接続されて、1速、バックのクラッチ、ブレーキに
油圧、流路を切り替えるためのソレノイドがついています。

できたものを、あとから考えるのは楽ですが、
流路を解析して、どこがどうつながるのか、できてから、油圧がかかるのか、立ち上がりのスピード、
油量の安定等のために経路の孔径、距離等をベンチでテストしてというプロセスが必用です。

GMやフォード等のメジャー車両であれば、
米国では、ナンバー付の市販車、ロールバー無のクラスでも
大トルクのV8車両では、必然的に使われている部品で、
GMのオートマやレースグライド用なんかですと、通販でもふつうに買うことのできる部品です。

722.6は、クライスラー、ポルシェ、ジャガー他でも
使われているオートマなので、
GM、フォードから比べるとマイナーな米国クライスラー車でも、
すでに、トランスブレーキが
普及しているため、オートマコンプリートで市販されてます。

私としては、バルブボディとスイッチだけが必用なので、全体を買う必要もなく、
また、ベンツとクライスラーでは、インプットシャフト径が違う、
ベルハウジングもエンジンが違うので、当然違うため、
WH氏から購入することにしました。
現在、オートマベンチにかけて製作中ということなので、期待しています。
2017/02/26

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (2)  ディスク、クラッチ増し増し、フリクション抜き 722.6 NAG1. Evolution Project (2) MULTI CLUTCH PACK 


もう少し詳しく書きます (笑)

722.6 W5A580は、ベンツだけでみても
何種類かありまして、モデルによってディスクの枚数が違います。
M119で見ても、4.2と5リッターではディスク、クラッチ枚数が違う部分があります

クラッチも、年式により、片面、両面の差があり、
また、何度も改良を重ね、2000年を境にローラーベアリングの追加や、バルブボディ他が変更されてますので、
ベースにするのであれば、2001年以降のもののほうが良いですが、
旧いものでも、内部の部品を交換により同等にバージョンアップすることもできます。


オートマのチューニングですと、良くおこなわるクラッチ増しについてですが、
722.6のM119 5リッター用モデルは内部のクラッチ、K1が  4枚 K2 が 5枚 K3  が 5枚 ですので、
クラッチ増しでなくても、バルブボディの流量確保の加工等やコンピューターのセッティング、油温管理ができていれば
400馬力、60Nm程度の、ふつうのM119 6リッターなら、滑ることはないと思ってます。

もちろん、パワーが出て滑るようであれば、クラッチを増す必要があります。
クラッチ面積も重要ですが、油圧や、
バルブボディの経路の抵抗、圧損、流量、切替のソレノイドや
クリアランスも大事です。

いうまでもなく、トルクコンバーターのオートマティックミッションにとって、
エンジン動力で駆動されるオイルポンプで生み出される油圧は、言われるまでもなく駆動伝達の源泉であり、
面積だけ増やしても、油圧が低ければ、圧着力は減るし、油圧経路での抵抗が多くても同じことです。
経路を切り替えるソレノイドの動作スピードや開度等や、クラッチ、ディスクのクリアランスも大事なので、
物理的に枚数だけ増やしても、根本的な問題解決にはならないのが難しいところです。

また、油圧を上げれば、それだけ圧損は増えますし、
クラッチを増やせば、その分、回転部の重量も増える、回転抵抗やオイルのせん断抵抗、どうしても引き摺りは増えますし、
ギリギリ、必要最小限というのが ベストではあります。

まあ、そうはいうものの、私は、挑戦の意味もありますので、ディスク増しを準備しています。

こちらは、鬼門の K3 (1,2、4、5速)

K3 6-7STL UPGRADE
 写真はダブルサイドクラッチディスク、薄いものを使って、6枚、スチールプレートが7枚と、各2枚づつ増やしてます。
 通常の5リッター用の722.6が5枚、S65AMGも 5枚ですから、それよりさらに+1枚追加してます。
 クラッチケースの内部を切削加工すれば、さらに、それぞれ +2枚 8枚/9枚まで増やせます。


こちらは インプットシャフトに繋がるK2(3,4,5速)

KS 8-9STL UPGRADE
写真はダブルサイドクラッチディスク、同じく、薄いものを使って、8枚、スチールプレートが9枚と、各+3枚づつ増やしてます。
通常の5リッター用の722.6が5枚、S65AMGも6枚と+2枚ですから、それよりさらに追加してます。

こちらは、サンギアのつく K1(2,3,4速)

K1 7-8STL UPGRADE

 写真はダブルサイドクラッチディスク、同じく、薄いものを使って、7枚、スチールプレートが8枚と、各+1枚づつ増やしてます。
 通常の5リッター用の722.6が5枚、S65AMGも6枚と+1枚ですから、それよりさらに追加してます。

もっとも、3-4速のすべりについては、バルブボディ加工や、バルブボディ交換で対応するのが多くの
チューナーには定石のようです。
シフトのスムーズさは、別モデルのソレノイド交換で対応するでもいいですし(あとで解説します)、
722.3のときのように、社外ケブラー製のクラッチや、
表面加工処理したディスクも有効だと思います。

ポルシェの996もこのオートマでしたが、おそらくポルシェの場合は
内部に手をかけているのか、コンピューターでのセッティングベンツもちろんあると思いますが、
ベンツの同じオートマよりは、シフトスピードも早かった、フィーリングも良かったように記憶してます。

こんなこと、毎日オートマ専門でやってる人からいわせれば、
当たり前のことなんでしょうが、門外漢から見ると、なんだかわからないので、
流用、チューニングの観点からまとめておこうと思います。