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2020/07/07

 722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (24 ) 722.6 NAG1. Evolution Project (24)

 500Eのオートマは、機械式4速(実質3速)の722.3

 それを、後継機の電子制御5速の722.6に載せ替える人が世の中にはいるわけです。

 日本で、こんなことやってるのは、私くらいだろうと思ってたら、
 世の中広い、井の中の蛙大海を知らず、夜郎自大なわけで、
 大阪のエグゼでは、何年か前で数台はやってるとのことでした。
 そうなると、もう十数台の電子制御5速、パドルシフターがいるわけです。

 増えたとはいえ、そんな方向けにマーケティングで作ったわけではないこの722.6 ATFパン。

 作ろうと思った切っ掛けは、床下から見て

 NIIBE オイルパンと絵面があわない、眺めが悪い
 722.3の長めの良さを見てしまうと、722.6でもそれを求めるわけでして、

 また、722.3より、ロックアップ付きとはいえ、発熱量の多い722.6を
 何とかしたいという思いもありました。

 あとは、トランスブレーキ用で買ったアメリカ製のNAG1のものが、あまりに
 アメリカン、なんというか、大和撫子(死語)と テキサスのおねえちゃん みたいな感じで、
 こりゃ自分用につくろうか! というわけでした。

 ほんとは、もっと早くできる予定だったんですが、
 注文間違え(笑)や、WTAC 安藤号の作業で手が空かず、今になりました。
 構想製作5年です!

 


 722.3のNIIBEパンとの変更点は、外観、寸法の他は、特にないように見えます。
 スラントの722.3と比べて、スクエアなパンはとてもナチュラルに見えます。

 ATFのクーラー用のオイルポンプ駆動のタブもつけてますが、
 まだ私自身もテストできてないのと、先にこんなことやる人もいないと思うので、
 穴をあけないで出荷するようにします。




 722.6には、ATF温度のセンサーが内部の電子基板にあり、
 油圧調整につかっていますので、表示はCANで可能なのですが、私のMOTECロガーでは
 アナログ入力なので、それ用のセンサーボスもつけています。

 今回は、穴あけ無しにしています。
 独立メータつけてるひとは、1/8  なり 3/8なりのセンサーに合わせた 穴をあけてお使いください。





 機械加工前のATFパンですので、Oリング溝もほっていません。
 前作同様 T6熱処理とショット加工(スチールボール)で砂落としはしてあります。

 今作からは、樹脂含侵処理をするようにしました。
 砂型鋳造のため、鋳物に目に見えない巣穴が空いていることがあり、
 そこからオイルがしみ込んで、表面が脂っぽくなることの予防ができます。

 特に粘度、分子の大きさの小さい、ATF、高温になって、
 経年使用をしていると、その傾向が出てくるので、それを予防するという意味もあります。

 市販のアフター品でこんなことやってるものは、ほとんどないでしょう
 某メーカーの国産車用オイルパンは、熱処理してないものもあります。

 自動車メーカーの量産品だと、重力砂型鋳造ということは、
 少量生産の試作品でもないとないでしょうから、まあ稀な処理だと思います。

 エスコートの塩原さんのアドバイスで行うことにしました。

 前にも書きましたが、ATF交換、フィルター交換を自分でする方は、
 このATFパンの底に、赤く残ったフルードで、NIIBE と浮き出るのを見ることができるわけです(笑)。

 遠く欧州から、お買い求めいただいた、ドイツ人のクライアントから

 「どういう意味? なんで中にかいてあるの?」 との質問がありましたが、

 うーん、

 洒落た回答は まだ、見つかっていません。








 
 


2020/06/20

 722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (23) 再び 722.6 NAG1. Evolution Project (23)   完成しました! Completed

木型の話から 次がいきなり 完成品の装着報告に飛んでしまうことになります。

おって、あとから報告しますが、それらを 飛ばして 話したいくらい

それくらい嬉しいものであります。

まずは、ご高覧ください






 以前に装着していた機械式4速 722.3は、メルセデスベンツの伝統でオートマティック
 トランスミッションは自社開発、

 エンジンの回転力で、トルクコンバーターを経由して、トルクを増大させ、
 オイルポンプを駆動して、生み出した油圧を、負圧と、プランジャーによる回転力、アクセルの開度で
 油圧流路を切り替えて、ドラムの中にあるクラッチと、ドラムの外側のシューを制御し、
 ギアを2-3-4と切り替える。1速はスーパーローの実質3速。

 最初に組み合わせたエンジンは、V8 M117とはいえ、せいぜい200馬力弱
 それが、排気量アップでついには5600CC
  M119になって 5000CC v12のM120は6000CCで 出力は倍以上。
 さすがにv12モデルは、クラッチ枚数も増やして圧着面積を増やすなどの工夫をしています。

ただ、悲しいことに約400馬力位が限界です。クラッチ枚数は増やせても、ドラムのシュー幅までは
増やせないので、特にドラムのシューに負荷がかかる3速では、すべりが出てきてしまいます。 
 




 その難点、大トルクと多段化のデメリットを克服するために、登場したのがダイムラークライスラー時代の
 電子制御、5速、ロックアップの722.6 クライスラーではNAG1と呼ばれています。

 エンジン回転と、車速、アクセル開度、水温、油温、気圧(加給、負圧)で、電子制御、つまり、電磁ソレノイドで
 油圧経路を切り替えて、クラッチを断続させて、ギアを切り替えます。また、コンバーターにも、クラッチがついていて、
 ロックアップ、一定回転以上ではトルク増大効果をやめて、直結にします。

 電磁ソレノイド操作なので、シーケンシャル、パドルシフトも可能ですし、
 油温によって、変速タイミングもかえる等、非常に賢い、おまけに、トルク100Nmまでは耐えるスーパーヘビーデューティ
 なおかつ、アメリカでクライスラー車にのっているから、アフターパーツも豊富!

 おまけに値段も安いと良いことづくめです。
 722.3のオーバーホール代や高騰している722.4の部品代で
 722.6のメーカーリビルトが丸ごと買えます。





test



換装時の難点を上げるとすると、
5速化と高耐力化でトランスミッション重量が722.3より重いこと、
油温が上昇しやすい、電子制御側で調整してしまうので、高温化による油圧の「タレ」わからないこと

位しかないと思います。

ATFクーラーは装着するにしても、すこしでも冷やしたいという方のためにも、
ATFパンはお勧めです。

写真のように10mmディープにして、油量はアップしてます。
722.3のスラントの本体とくらべて、フラットな構成が良くわかると思います。

フィンピッチは、NIIBEオイルパンと同じ 空冷エンジン伝統の10mm

どうだい!かっこいいだろう !




 

2020/05/20

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (22) 再び 722.6 NAG1. Evolution Project (22)  WOOD MOLD

砂型鋳造の元になる
 木型が出来上がってきました。 

 昔は柔らかい木材、文字通り木型を使っていましたが
 今は樹脂材を使っての切削加工です。

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 オイルパン、苦労して斜めに抜く722.3と同じ木型屋さんの製作ですので、
 知れたものです。もっとも、時間が空きすぎたので忘れてるかもしれません(笑)

 722.6は、内部に油温センサーがはいっていますので、センサー端子はいらないですが、
 スタンドアローンで使うこともあるので、ボスは一応残しておきます。
 もう一つは、ATFクーラー用のポンプ出口ですが、こちらも残しておきます。
 (圧送ロスがないので、優れてはいますが、まだ、たぶん誰も使ってないと思います(汗))


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 純正と同じ位置に、ドレーンが来ます。
 フィンのピッチ、長さも722.3 オイルパンとあわせていますので、装着した際のマッチングは
 抜群です。 というより、おなじところで、同じ人がつくってるんですから、あたりまえといえば、
 あたりまえ



fc2blog_20200518223006519.jpg


 フィンのRもカーブも、フランジからの立ち上がりも、同じように作ってあります。
 少し、ディープ、背が高くなってるのがわかりますでしょうか?

 スチールプレスの鉄板のものよりは、熱伝導性が高いアルミニウムで、
 フィンで表面積を増やしていますので、熱が上がる722.6 NAG1の性能維持、
 クーリングにはうってつけです。

 ストール回転や馬力、使い方にも、もちろん、よりますが、
 社外のATFクーラーを追加で装着しなくても、
 ATFパンの装着だけで、水温安定につながるといいなーと 思っています。

 というか、722.6載せてるひとなんて、日本では、おそらく、10人程度だから
 作って売れる。サバケルのか! という心配もあります(笑)




2020/05/05

722.6 NAG1 エボリューションプロジェクト (21) 再び 722.6 NAG1. Evolution Project (21) Don't Stop

機械式 722.3のオイルパンを作ったあとで、
許容伝達トルクが足らない、5速化ということで722.6装着しました。
同じ時期に722.6を載せている諸兄から、はやく722.6用作ってほしいとの要請を受けており、
私としては、アメリカ製の“AMERICAN”なオイルパン、DEEPでトランスブレーキ付きのやつでも
良いかと思ってたのですが、10mmピッチで作ったエンジンオイルパンとあわないといわれると
まあ、そうも道義的にはいっていられないので、またエスコートの塩原さんにお願いしました。
ところが、鋳物屋さんが 間違えて、722.3用を鋳込んじゃったなんてこともあり、さらに遅れ
もう、だいぶたってますが、タイムアタック、レースシーズンはとても無理なので、
こんなペースです。
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木型屋さんにエンジン、722.3のパンと722.6 持ち込んで 寸法どり(笑) 普通こんなことしません。
コロナで不要不急の外出着禁止される中、塩原さんにお願いしました。


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ATのケースに紙を当ててガスケット合わせると
石ずりができるます。
これで、中側の形状が決められます。
fc2blog_202004302002592e6.jpgバルブボディとフィルター合わせて
オイルパン 深さ高さを決めます。ATフィルターの吸口位置がわかります。
fc2blog_20200430200301a95.jpg
722.3はスラントしてるのがよくわかります。
10 mm  DEEP パンで行けそうです。
2018/12/24

722.6 アルミフィン付 ATF パン/ATF Pan not only for W124 500E for all 722.6.

722.6 オートマティックトランスミッション 用の ATFパン
自分用は、トランスブレーキ着けたので、背の高い 米国製 B&Mのアルミ製ものを装着することにしました。
でも、あまりに、つくりがアメリカン、
パンの固定は、ボルト留めるのではなく、ピンチで挟んでゴムを潰してシールするタイプ
鋳造で丈夫そうだけど、厚くて重い、フィンがおおざっぱ
フィンのピッチが、NIIBEパンの10mm とあわない、
等ということと、
大阪でTさんの722.6 ブラバスに乗せてもらって、エグゼから空港まで送ってもらったとき、
ATF温度が高いのが気になった。
ロックアップ付ですから、コンバータークラッチがロックされれば、そこで温度が下がるはずなんですが、
ATF温度のメーターみると、ATFクーラーなしだと
思ったより温度が下がらないなんてことを目にする機会がありました。
それは、相当の手間と愛情と時間とエネルギーをかけている、シルバーのブラバスでして、
機械式のときに722.3のATFパン使ってもらっていて、
ブラバスの6リッターエンジンにも、NIIBEパン使っていただいてます。
パンのフィンが、そろわないのもカッコ良くないという貴重なご意見もいただき、製作準備に入ることにしました。
500Eで722.6搭載している方、製作してますので、ご期待ください!(日本に10台以上いるみたいです)
ということで、オートマのケースを運んで、寸法取りして等とする中で、
一緒に、しばらく品切れになっていた722.3、M119エンジンのATFパン、オイルパンも
木型引っ張り出して、再製作することにしました。
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先に、722.6の木型を頼んだはずが、なぜか722.3の鋳物上がってきました。
なんでも、日産R200のエスコート製フィン付デフカバーと間違えたようです(笑)
急いでた方々ごめんなさい、割りこんじゃいました。
その分、ベンツのオイルパン、ATFいただいた方は 早く入手できることになりました。
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かつては、キューポラのある町 と呼ばれた、鋳物の街、川口も、砂型鋳造してくれるところは、
高齢化による廃業、後継者不足、製造業の海外移転等で、どんどん少なくなって、頼めるところは、さらに
限られてきました。もう、きっと、ここだけでしょう。
工業地帯も、いつのまにか都市化が進んで、中小規模の分譲マンションや、賃貸物件にかわってしまい
やがて、騒音や環境等の問題で、営業も難しくなってくるんじゃないかと思います。
下の完成品みるとわかりますが フィンの角度がななめになってるので、マスター型に工夫がはいってます。
fc2blog_2018122012084411d.jpg
そんなわけで残存者のところに仕事が集まり、結構忙しいらしいです。
前にも書きましたが、
現物にあわせて、設計して、
木型を表を造って、裏側の雌型つくる、砂型用の箱をつくる、
砂型をおこす。アルミを鋳造する。研磨、ショット、熱処理、機械加工 というプロセスです。
こちらは、722.3用のATFパン、フィンの角度合わせるので、ななめの底で抜けないため、型が
複雑になります。
斜めになってる、底面がわかりますでしょうか?
fc2blog_2018122012084685a.jpg
こちらは、M119 オイルパンの砂型用の表裏のマスター型
自分用、私歌用 につくったものですが、
縁あってお使いいただいた方からは、好評です。
こんなもの、高価なものを良く買い求める人がいると思うと同時に、
身が引き締まる思いでもあります。
SNSでの写真が縁でで、
海外にも、いくつも送ってまして、一つは 本国のAMG社で働いている方のところに嫁ぎました。
本国ドイツでも評判が良い、驚かれたようです。
なんか誇らしいですね
特に、オイルパンのピッチとATFパンのピッチを揃えたところ、
ATFパンの傾き、スラントをよけて、型分割して、フィンの角度を揃えたところは、高く評価いただいたようです。
聞いたところでは、大昔、AMG社では、創業の頃、鋳造もしてたとかで、
鋳物に関する造詣はことのほか深いらしいとのことでした。
お孫さんに囲まれてる アウフレヒトさんも  見てくれたかな?