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2011/06/14

ベンツのコンピューターを出し入れする特殊工具 Mercedes Benz SST for Removing ECU



写真は、500E(W124)やSL(R129)ですと、助手席側エンジンルームにあるアルミ製CANボックスから、LHやE-GASユニット等のコンピューター(以下「ECU」)を引き出すためのSST(特殊工具)

テコの原理で、力をつかいつつ、支点が回転しながら、並行に上に持ち上がる、
下に押し下げられるように4つの突起が配置されてます。

WIS等のサービスマニュアルにも記載されていますが、ECUを引き出すには、これを使えって指定されています。

ロムチューンするのにLHモジュール取り外すにも、試験で他のECUに交換するときも、
本来ならこれが必要になります。
真面目なところや、SST持っているところは、さすがに使うでしょうが、
使わないところもあります。

私も言われるまで気がつきませんでしたが、わざわざ、こんなものメーカーがお金だして作るのは
相応の理由があるわけで、マイナスドライバーやタイヤレバーでコジッタリすると、無用なトラブルの
原因になります。

張り出しているフェンダーから、身体を伸ばして、並行に上に、ドライバーで引き抜くなんてことは困難です
(できる人もいるかもしれないけど)
斜めに抜き差し、すれば、ピンが曲がったり、メス側がゆるく開いたり、プラスチックのハーネスコネクターが変形したり、熱で劣化した樹脂は、最悪割れます。

こうなると、接触一時不良状態ですから、原因不明の不調が頻繁にでてきます。
しかも、工場で見ても、多くの場合、再現性がありません。
DAS繋いでも、違うところの部品不良と出ることが多いです。

実は、結構こういう車あります。

いくら、ECU修理して、コンデンサーかえたり、トランジスター換えたり、半田割れ直しても、
コネクター曲げれば、意味ありません。

解体車が増えて、中古でECUが出回るようになったためかもしれませんし、ユニットトラブルが多くなったので、SSTを使わずにECU交換しているためかもしれません。

貴方にとっても、貴方の前のオーナーにとっても、もちろん次にオーナーになる人にとっても、立派な車、
大事な車、特別な車、500E

苦労して、直そう、良くしようとしていることが、悪い結果にならないように、余計な出費がかさまないように
必要な工具は使うべきだと思います。